私が最近弱っているのは 毎日「なんとなく」食べているからかもしれない

著者 :
  • 文響社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905073239

作品紹介・あらすじ

食を考えて半世紀の著者が初めて明かす、テーブルマナー、五感での味わい方、ダイエット、手料理まで網羅した、まったく新しい実践的食哲学。「エサ」が「食事」においしく変われば、あなたの心は強くなる。

感想・レビュー・書評

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  • 味がしない食事を義務的に食べ、
    時間ないからスマホ見ながら短時間で済ませ、
    食材選びの際に考えていることはPFCバランスとカロリー、罪悪感、写真の色彩バランス。。

    これはやべえなと思っていた中、
    素敵な本に出会いました。

    毎日3回訪れる食事というワクワクする時間。
    それをいかに大切に向き合うか。楽しむか。
    食事からなにを発見して、心まで満たすか。

    丁寧に書かれている文章は、以前楽しんでいた食事を思い出させてくれました。ほっとする本。

  • 食べることは大事!ってのは当たり前で分かっちゃいるのだが、では具体的にどう大事にすればよいのか、そのための実践的な「食哲学」が語られる。
    日々に接する食事だからこそ、ぞんざいに扱うことなく、きちんと敬意を払って向き合うことで、自分自身を磨いていけるように、出来る所から、少しずつ取り入れていきたい。
    いただきます、ごちそうさまは、日本にしかない言葉。食べる前に、命を頂くことへ感謝し、食後にも再度感謝する、そういう考えを当たり前のものとして、言葉に取り入れてきた日本をもっと誇りを持とう!といった話にとても共感するのでした。

    ・あらゆるものが手軽に食べられる形態でスーパーに並び、「命をいただくこと」を五感で実感しにくい時代。そんな時代だからこそ、五感をフルに使った食事を「意識する」ことがとても大事。

    ・人は大きく見れば「人」として一括りにできるが、もちろん個々の人間味は全く違うのと同じで、野菜や果物だって、1つ1つに物凄い個性がある。今日食べるトマトは唯一無二のトマト。そう思って慈しみながらじっくりと味わう。じっくり味わう時は「生」で食べるのがお奨め。個々の個性を存分に味わえる。

    ・まずは「視覚」で楽しむ。正面から見るだけではなく、縦横斜め、あらゆる角度から、眺めてみる。別の個性が発見できる。

    ・次に「嗅覚」。素材に鼻を近づけ、思いっきり臭いを嗅いでみよう。瑞々しい香りが鼻孔に流れ込む。体の芯から臭いを楽しんでみる。

    ・次に「食感」「聴覚」。歯触り、舌触りに意識を寄せる。噛む回数により、食感が徐々に変化していくことを意識すると、味わいがまったく違ってくる。噛みこむ時の「音」も意識してみる。シャリなのか、シャクなんか、パリなのか。自分なりの擬音語の発見を楽しもう。

    ・最後に「味覚」。口に含んだ時、噛んだ時、噛みこむ時、何回も噛んだ時、他の食材と合わせた時、調味料を加えた時、どう表情が変わるのかを楽しもう。

    ・本能の中で「食べる」という行為は唯一外から見られるもの。よって食べ方は生き方やその人自身の真意に直結している。

    ・喰らうではなく、いただく。

    ・食事7則。①フェイス・トゥ・フェイスの法則②指先フォーカスの法則③一口サイズの法則④自分ベクトルの法則⑤ノイズキャンセルの法則⑥絶景キープの法則⑦エンディング美の法則

    ・自分以外の万物に対して、身勝手なふるまいをしていないか。

    ・スープはすするのではなく、流しいれる

    ・ごはんをよそう→装い。ビジュアルの美しさ。

    ・ひとりごはんこそ、ぞんざいに扱わず、周りの目を気にせずにゆっくりと食と向き合える時間として、大切にする

    ・仕事に流された時間割ではなく、自分の意思で決められる時間割を持つ。食事の時間を活用する。

    ・いただきます、ごちそうさま。はじめと終わりの区切りをしっかりとつけることで、メリハリを。

    ・いただきます、ごちそうさまは、日本にしかない言葉。命を頂くことへの感謝、食べ終わったあとに再度感謝する、そういう考えを当たり前のものとして、ことばに取り入れてきた日本をもっと誇りにもつ。

    ・ランチョンマットを引いてみる。食事の空間に規律がうまれ、メリハリがでる。

    ・食器の凄さを考えてみる。もしもなかったらどうなるか。

    ・食器を定位置におく。左手前がごはん、右手前が汁もの、右奥が主菜、左奥が副菜。

    ・手料理セラピー。料理を頑張るのではなく、料理に救われる。

    ・ごはんを、無くなるまで噛み続け、味の変化する旨味をぞんぶんに味わい尽くす。

    ・常温ごはん。炊き立ての温かいご飯とはまた違った、米本来の味を楽しめる。

    ・口中調味。口の中でことなるオカズを組み合わせて楽しむ、日本にしかない食べ方。

    ・生卵を割って、黄味と白身とを混ぜ、冷凍する。常温で少し回答したのち、ごはんにかけ、醤油を少したらすと、とろりん食感のタマゴかけごはんが楽しめる。

    ・クッキーを冷凍して食べてみる。

    ・ほめたくなかったらほめないこと。自分に正直に。

  • 長いタイトル。でもそのものズバリ。わかりやすいです。
    食の達人ならではの説得力ある「食べ方指南書」。
    でも「食」よりも、いわゆるハウツーものを書くための
    要素の方が印象に残りました。
    決して私が本を書くわけではありませんが。
    説得力が出る条件を、本書は満たしている、と思ったのです。

    その一つは、「~ですよ」という言い方。
    上から目線でおすすめするときの口頭表現です。
    なるほど、と思う人と、余計なお世話だ、と思う人とに分かれそう。

    二つ目は、同じことを何度か書くこと。
    例えば、食事は水に始まりコーヒーで終わる「食べ方」。
    一度だけだと「ふうん…」で終わりそうですが
    次にはインプットされます。

    三つめは、著者の強調したいところが太字で書かれていること。
    読者が受ける効果は大きいと思います。
    なんとなく読んだ気になるのです。

    こうして1冊読み終わったときに
    美味しいものをいただいたような満足感を得るのです。

    あと、挿絵の効果も絶大ですね。

  • ハッとすることばかりだった。
    そして、明日から(今深夜なので)試せることばかりで始める前の今からわくわくどきどき!何だか自分が変わる予感がある。
    食材を大切にしようと言う気持ちは地球に優しい暮らしを始めてから少し意識していたけれど、この本の伊勢海老の話はリアルで、わたしも明日からもっと感謝して味わって食べようと思えた。

    それから、高級なレストランで食事をする機会がないのでマナーについて考えたことがなかったけれど、マナーは急にできるようになるものでもするものでもなくて習慣としてもっていると良いことがたくさんあるんだとわかった!学びたい!!

    それからそれから、1番素敵だと思ったのはお料理をサーブする方、接客の方のこともみてお礼を言うというお話。接客業をしたことがあるので普段から言うようにはしているけれど、こうやって専門家の人から言われると自分でやってたことが間違ってなかったと思えて嬉しいなあ
    そしてこの先生のこと大好きになった。
    わたしの好きな大人をとても簡単に言うと、店員さんへの話し方が丁寧な人、となるもの。笑

    読んでよかった〜!
    星が4つなのは、何だか構成が読みにくかったから!!レシピのところとか、おすすめの食べ方のところなど表になってたら良かったなーと思う。
    あまりにも単調で飛ばしたくなった(せっかちでごめんなさい)

  • 食を見る視点に感動した。食べる行為を、こんなにも分析しながら、そして心で感じながら行うってすごいな。まずは朝食にミニトマトをかじりながらその味わいを噛みしめている。バイブルにしたい本だ。

  • 朝、プチトマト3粒から食べる。
    炭水化物、麺類よりもご飯、パンをちびちび食べる。
    なるほど~

  • 「味覚」を鋭くなる食べ方
    生野菜をそのまま味わう
    水または炭酸水を飲み、口内を素の状態にしてから野菜を味わう
    味なし→塩や味噌→マヨネーズなど
    野菜のおいしさを自分の舌や脳にフィードバックさせる
    五感を鋭くさせる

    自分で見つけるおいしいを増やす
    何となく同じものを食べていないか?

  • 学者肌というか、オタクというか、とにかく食べることに対する熱意が尋常でない。変わった人だなぁ…思想が強いなぁ…と思いながら読んだ。
    章によって共感できるところと、正直そうでもないところがあった。

    命をいただいているという謙虚さを忘れて、自分の食べやすさを優先するのが美しくないから、魚を食べるときはひっくり返してはいけない???というのがよくわからなかった。調達や調理はどうすればいいのだろう?

    料理の項は参考にできそうだと感じた。小松菜のお浸しと、白菜炒めはぜひやってみたい。

    「料理をがんばる」のではなく、「料理に救われる」のが手料理の本来の姿=手料理セラピー

    ダイエットへの考え方も取り入れたいと思えるものだった。脳と内臓両方の整合性がとれる食事がいいんだろうな。

    ひとり外食を楽しち、家族と囲む食卓に良いフィードバックを届けることに、少しずつチャレンジしてみたいと思った。

  • 外食は、元気な時こその醍醐味。
    疲れている、悩んだり辛い時こそ料理に没頭することで無心になれてリセットできる。
    五感をフルに使って料理を楽しみたい。

  • 著者の食へのとてもつない探究心、愛しさを感じられた。
    食とはあらゆる命を「いただく」ということ。丁寧に一食一食に向き合うことの大切さを知った。
    テーブルマナーについても触れられているのですが
    今までとは違った視点からのマナーの考え方をされていて新鮮だった。
    食べることが好きになれる本だと思う。

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著者プロフィール

小倉朋子(おぐら ともこ)
(株)トータルフード代表取締役。フードプロデューサー。亜細亜大学・東京成徳大学非常勤講師。トヨタ自動車㈱、国際会議ディレクター、海外留学、ホテル&フードコンサルタントを経て、「ようやく天職に」と食に一本化。先祖代々にわたり、食を大切にする環境に育つ。世界各国の正式なテーブルマナーと、幅広く食を学び生き方を整える「食輝塾」主宰。飲食店や企業のメニュー開発、フードコンサル業ほか、トレンドにも精通、各種食関連委員など。文化から最新情報、ダイエットまで精通した食のスペシャリスト。
テレビ、ラジオなどメディアにも多数出演し、美しく凛とした食べ方を推進すべく活動している。日本箸文化協会代表。 著書に、『世界一美しい食べ方のマナー』(高橋書店)、『やせる味覚の作り方』(文響社)、『メニュー開発論』(創成社) ほか多数。

「2023年 『世界のビジネスエリートが身につけている教養としてのテーブルマナー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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