- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905447979
作品紹介・あらすじ
「ちょっと右寄りでオタク青年」という出自をもつ主人公、南部照一。ネットで知り合った友人の手引きで「保守ムラ」の狭い論壇に出入りするようになる。
当初は右も左もわからぬ照一であったが、某警備会社が主催する懸賞論文での入選を機に、CS放送局を運営する「保守ムラ」のドン・杉坂義男にスカウトされてキャリアを形成していくうち、いつしか照一自身も保守業界の病弊に蝕まれていくのであった。
そのような中、保守論壇をリードする波多野譲と土井賢治の二人の若手言論人が、出演する保守系CS放送の番組放送枠をめぐり対立を始める。
その結果、血で血を洗う骨肉の「保守内戦」が勃発……
そこから物語は急展開を見せていくことになる。
保守ムラの住人たちはどうなっていくのか。愛国を掲げてカネ、利権、憎悪、嫉妬、報復、狂気が蠢く世界を描いた、著者初めての渾身の長編書下ろし小説500枚。
感想・レビュー・書評
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ですよねやっぱですよね。
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ウヨク言論人を題材にしたコメディ
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2018.9.17読了。似非保守界隈に集う有象無象のしょうもない生態が活写されていて面白く読めた。この著者にしか書けないリアリティがあって良い。誰がモデルになっているのかすぐに分かる人なら、もっと面白く読めるのでは。
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照一は郵便代行業をつつましく営んでいたが、知り合いの書店員に誘われ、保守系団体に顔を出すようになる。そこで自称保守派の人間達と付き合ううちに、このレベルなら自分でもそこそこ行けると、ウヨ系企業の懸賞論文に応募し、入選する。さらには桜チャンネルという保守系CSTVに出演し、対談等をこなすようになる。
しかしその世界には、反米保守は殆ど見かけられず、多くは反中国・反韓国のレイシスト達の巣窟であった。
照一はそこを自身の副業と割り切り、単行本まで出版し、出世していく。
照一以外、最後には低レベルの派閥争いに、しょうもない結末を迎える。小説としては盛り上がりに欠けるものとなった。
だが、安倍を崇拝する自称保守派や、最近見かける、けんとなど外人河原乞食一派の世界を把握した著者ならではの小説となっている。