- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784907188252
作品紹介・あらすじ
ゲームという新しい技術あるいはメディアは、いかに21世紀を生きるわたしたちの生と認識を規定しているのか。 その連関を探る、ゲンロン史上最大の大型特集!
井上明人・さやわか・黒瀬陽平・東浩紀による50ページ超の共同討議に加え、 『ペルソナ』シリーズを手がけた橋野桂、インディーズゲーム向けプラットフォーム「PLAYISM」を立ち上げたイバイ・アメストイへのインタビュー、 さらに吉田寛の「ゲーム的リアリズム」論、アレクサンダー・R・ギャロウェイの翻訳論文等を掲載。 そして特別付録には充実のゲーム史年表と膨大なキーワード集。
ロシアの批評誌『青いソファ』編集長エレーナ・ペトロフスカヤ、哲学者オレグ・アロンソンへのインタビューも特別掲載。 現代タイのカリスマ作家プラープダー・ユン、東アジア思想の精鋭・許煜(ホイ・ユク)など国際色豊かな連載も充実。
感想・レビュー・書評
-
コメント0件をすべて表示
-
とりあえずゲームを買ってやろうかと思った。
-
僕は80年の生まれで,メディアとしてのゲームに,特にいわゆるJRPGに興味をもった。大学でもゲームを学びたいと思って受けた学部は──いわゆる文系の学部だった。この一見訳のわからない選択は,ある意味必然的な選択だったことに,今更ながらに気づいた。ものすごいそれだけでもものすごい発見だった。そうかと思えば、僕ですらゲームの世界から遠ざかってしまっている今の日本の状況は,本書で褒められている海外ゲームが拡がってたとしても,もう戻るべきところではないかもしれない。そう思うと悲しくなる。リンク先のどっとこうMOTTOにもそのあたりのことを書いたのでもしよしければあわせてそちらも参照してくれると嬉しい。
-
東浩紀の言論最新刊。ゲームということでちょっと心がついていかなかった。ただ人生や社会の抽象化としてのゲーム、仮想体験としてのゲームという考えは参考になった。ただのエンジョイメントではないと。
-
学生時代に出てればな〜〜
-
テレビゲームについての批評を特集したゲンロン8。
いわゆる評論系の人達の座談形式だけでなく、クリエイター、海外の批評家、ゲーム関係者へのインタビューなど多彩な内容。
かつて、ゲームの前にはものすごい可能性があった。だが、日本のゲームはガラパゴス化し、その可能性は閉じられていったように見えた。
だがこのゲンロン8を読むと、ゲームはそれぞれの国のメディア背景の影響を受け独自の発展をしながらも、一見無関係に見える日本のゲームと海外のゲームは複雑に絡み合って、今につながっていることが分かる。
今も、いや、今だからこそ、世界中で作家性の高い魅力的なゲームが多く生まれている。それは昔に日本のゲーム好きが感じたゲームの可能性とその後の消沈と無関係ではないのだ。これはかなり感動的だった。
そういう新しいゲームへの視座を、新しいゲームの紹介だけでなく、ゲーム史やゲームとは何かという考察によって感じさせてくれる。これがゲームを批評するということなのかと強く腑に落ちる一冊だった。