数学の贈り物

著者 :
  • ミシマ社
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本棚登録 : 559
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909394194

感想・レビュー・書評

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  • 序文から好き。森田さんの文章や、ことばの選び方や組み合わせに惹きつけられる。1冊の本の中に、知らなかったことや見えていなかったことに出会えるワクワクや、煌くことばがたくさんあって繰り返し読みたくなる、とても素敵な本。

    ロシアの数学の本を解いてみたいし、
    アランケイ等でてきた本も読んでみたいな。

    トーマスの話はブログで読んでとても印象に残っていた物だから、形になってよかった。そういうものを作っていきたいな。

  • ・まっすぐ
    自然の中に「まっすぐ」はない。
    だけど人間は「まっすぐ」を作りたがる。そしてそこから脱線することを恐れる。直線たちに囲まれると、生きるのが窮屈になる。人間はそう簡単にまっすぐに生きられるものではないから。
    その線が、人間の行動を支配する。
    歩く行為は道をつくるが、その道がまた人間をつくる。


    ・切断
    何かと繋がろうとするとき、何かを切断する。
    オンラインでショッピングができる手軽さと便利さと繋がるのと引き換えに、店頭に行くまでに出会う人や、発見を切断している。

    ・変身
    私たちが直面する重大な問題は、その問題が生み出された時と同じ水準の思考によって解決できない。

    ・いまいる場所で
    「最先端」だけが偉大じゃない。遠く、難しい場所にだけ価値があるのではない。すべての人が、いまいる場所で大切なものをすでに与えられている。だれもがいまいるその場所で、すでに英雄なのだと気づくことができるような、そういう世界。


    ・胡蝶
    原っぱと遊園地
    →原っぱは、そこで行われることで、その中身がつくられていく。
     遊園地は、あらなじめそこで行われることがわかっている。
    子どもの世界は後者でつくられることが多い。
    学びが始まり、そこに「学校」という状況が生まれる。
    何かになろうとするのではなく、今を積み重ねた結果、何かになる。


    数学と国語からこの世界を紐解く感じ。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00607122

    独立研究者として、子の親として、一人の人間として 
    ひとつの生命体が渾身で放った、清冽なる19篇。
    最年少で小林秀雄賞を受賞した著者初の随筆集。
    数学を緒に、壮大なる学びの世界が動き出す!
    (出版社HPより)

  • 数学はあまり関係なく、日常の中で気になったことを綴ったエッセイ。

  • ふむ

  • 想像したものと内容が少々異なった。お子さんなど生活に根ざした随筆で、数学はあまり出てこない。
    きかんしゃトーマスが書かれた背景には驚き、心の暖かい人が作り出したことをしった。

  •  “そうであった”ことのすべては、“そうでなかった”こともできたはずだ。無に直面しながら、無に転落することなく、偶々そうであったことのすべての果てに、この一冊の本が生まれた。(P.4)

    -----

     ★贈り物 = present = 現在★

     タイトルは「数学の贈り物」だけれど、数学についての小難しい話は一切ない。著者は、東京大学文科二類を卒業したあと、社会人になってから数学への興味に目覚め、大学に入り直したとのこと。数学のみならず、学ぶこと自体を愛しているのであろう著者が、日々感じたことを美しく丁寧に、つらつらと綴るエッセイ集。
     息子さんが、生まれてすぐに複数の手術とNICUへの入院をしたそうで、そのときに感じた思いが、「丁寧に生きよう」という信念の根底にあるんだろうなぁ。公園に行きたいと言われたときに、よし行こう!と言えることの幸せを噛み締めているエッセイ「いまいる場所で」を読んで、特にそう感じた。
     特に意識しなければ、記憶にとどまることもなく、指と指の間をすり抜けるように流れていってしまう「現在」のこの瞬間。それこそが貴重で大切なのということを忘れずに生きよう、という真摯な試みが伝わってくる。

  • エッセイ。数学。言語。家族。京都。
    数学以上に言語。
    頁数は少ないけど難解。考えながら読んで時間のかかる本。

  •  
    ── 森田 真生《数学の贈り物 20190320 ミシマ社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4909394192
     
     Morita, Masao 独立研究者 1985‥‥ 東京 /2016 小林 秀雄賞 第15回
     
    …… 文章の一行一行にハイパーリンクが付いていて、その先にさらに
    様々な意味と背景が存在するんだ、というようなことを以前に恵文社で
    のイベントで話していた。彼の思索の森の広大さを思う。
    (20190929)近藤 玲子。
    https://twitter.com/reikon/status/1178197864171749376
     
    ── 森田 真生《数学する身体 20180427 新潮社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4101213666
     
    …… 著者が岡 潔の『日本のこころ』に出会ったときに、「私は、岡
    潔のことをもっと知りたいと思った。彼が見つめる先に、自分が本当に
    知りたい何かがあるのではないかとも思った。簡単に言えば、「この人
    の言葉は信用できる」と直観したのだ(コナン.O.さんのレビュー)。
     
    (20190929)
     

  • 令和元年9月発行のYAだよりで紹介された本です。

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著者プロフィール

森田 真生(もりた・まさお):1985年生まれ。独立研究者。京都を拠点に研究・執筆の傍ら、ライブ活動を行っている。著書に『数学する身体』で小林秀雄賞受賞、『計算する生命』で第10回 河合隼雄学芸賞 受賞、ほかに『偶然の散歩』『僕たちはどう生きるのか』『数学の贈り物』『アリになった数学者』『数学する人生』などがある。

「2024年 『センス・オブ・ワンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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