一般紙の新聞ブログ(毎日新聞)をやっているので、日経の時に比べ経済以外の知見が圧倒的に足りない、との感想だ。
そこで、本書を(荒川区民なのに)北区の図書館で(家から近いからだよ。ありがとう。北区の皆さん)借りてきた。題名が「忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス」明橋大二著である。
本書は父親の育児参加の意義をまとめた著書であり、保育論と実例を分かりやすくリンケージ(関連)させ、披露した名著である。私自身の体験も考慮して本書を読み進めましたが、目から鱗!でした。では早速中身の紹介をします。
お父さんが育児をすると
(1)お母さんが楽になる。そうすると、お母さんと子供の、よりよい関係が築かれる。お母さんの、お父さんへの愛情も深くなる。
(2)子供は、自分はお母さんだけでなく、お父さんから愛されているんだという気持ちを持つ。自己評価が高くなる。
(3)お父さんが、褒めてくれると、子供が、友達関係や、学校、社会に出ていくときの勇気になる。
(4)お父さんが、体を使って遊んでくれると、体も丈夫になる。
(5)お父さんに、ちゃんと叱ってもらうと、子供はルールを守れるようになる。
(6)お父さんが、ジョークを言うと、家の中に、ゆとりができる。
ではいくつかピックアップして詳述する。(2)について。
子供の心を育てるうえで、一番大切なのは何でしょうか?しつけも大事、勉強も大事、しかし、いちばん大切なものは、自己評価(自己肯定感、自尊感情)といわれるものを、育むことです。
自己評価とは「自分は生きている価値がある」「大切な存在だ」「必要な人間だ」という気持ちをいいます。
これが、子供の心が成長していくうえで、一番の土台になるのです。この気持ちがしっかり育まれていないと、しつけやルールがうまく身につかなかったり、勉強に集中できなかったり、あるいは、外見的にはちゃんとやっているようでも、本人にはとても強い不安や緊張の中で過ごしていて、それが大きくなるにつれて、心身症や非行という形で出てくることがあります。
この自己評価ですが、実は、お父さんの育児行動によって差が出るという調査結果があるといいます。
ちなみに、お父さんの育児行動の有無は、妻から夫への愛情にも強く影響しています。育児をする夫は、妻から「魅力的な男性」=「今でも恋人同士」と思われる率が高いのです。
ですから、結論は「父親が育児を担うかどうかが、子供の自己評価に影響し、夫婦関係も左右する」ということです。
また、お父さんから、ほめられ、認めてもらうと、子供は自信を持ち、そんな自分は、きっと友達から認めてもらえる。学校でも認めてもらえる。そして、社会でも認めてもらえる、と自信を持つことができます。
つまり、家から一歩外に出た時、子供はまだまだ不安だらけです。そういう時に一言「大丈夫おまえならできる」と後押ししてやって欲しいのです。
また、外で傷ついて、家に帰ってきたとき「よく頑張った。今度はきっとうまくいくよ」との励ましの言葉をかけて欲しいのとのことです。
また育児を頑張っている妻には「いつもありがとう」の言葉を忘れないで、とのことだそう。アメリカの調査では、専業主婦の労働を給料に換算すると、なんと年間1500万円の労働に値する、という報告も出ています。
したがって、夫から「いつもありがとう」「がんばっているね」というねぎらいの言葉があるだけで、ずいぶん違う、また頑張ろうという気持ちになれる、といわれているそうです。
逆に「家にいるんだからヒマだろ」とか「毎日家にいて楽でいいね」とかは絶対に言ってはならない言葉です。
次に「うちの妻は、いつもよくやってくれる」という言葉は大切だそうです。特に自分の親や友人の前でも、妻や子供のことで、ほめるべきところは堂々と褒めていいと思うとのことです。
例えば、姑の前で「うちの妻は、よくやってくれてるよ」と言ってもらうと、姑の見方も肯定的になり、妻としては、本当に安心できるものです。
あと、妻が育児の悩みを話してくると、夫としてはついつい解決策を求めているのだと考えて、「それならこうしたらいいんじゃないか」「そんなの、こうするしかないじゃないか」と言ってしまいがち、しかし、多くの妻が求めているのは解決策ではなく、まずは「そうだね」「そうなんだ、たいへんだったね」という受容、共感の言葉なのです。
そして困るのは、お母さんがヒステリーになるのは、母親の性格というより、父親が子供を叱らないために、叱る役まで、母親に回ってきてしまっていることが大きいのです。
逆に、父親が子供をきちんと叱ってくれると、母親はフォローに回ることもでき、母子関係がぎくしゃくすることもなくなります。
すなわち、父親が叱るべきときに、きちんと叱る、このことは子供がルールを学ぶために必要でなく、母親と子供の関係のためにも、とても大切なことなのです。
いろいろな人に、「どういうふう叱ってもらったときに、こたえたか」と聞くと、たいていは「自分の気持ちもじゅうぶん聞いてもらって、そのうえで、心配なことを真剣な眼差しで、懇々と諭された時に、本当に悪かったと思った」という意見が多いとのことです。
とここまで本書を紹介してきましたが、ここに書いていることは、ほんのさわりだけ。ぜひ世の中のお父さん。特に「仕事一途で妻に教育は任せっぱなし」とう方。本書で育児について是非考え直してください。私からのお願い。