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- / ISBN・EAN: 4988105015647
感想・レビュー・書評
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大島渚監督の遺作。原作は司馬遼太郎。音楽は坂本龍一。衣装はワダエミ。題字をなぜか、あの古武術で知られる甲野善紀氏が書いているのはなぜか。
風変わりな時代劇。
新撰組に入隊してきた、妖しい雰囲気の美青年・加納惣三郎(松田龍平)が隊内を引っ掻き回す話。新撰組のサークルクラッシャー。同名の人物は本当にいたらしいが本作の加納とは関係がない。
土方歳三はビートたけし、沖田総司を武田真治、近藤勇を崔洋一、井上源三郎を坂上二郎が演じている。
同期入隊の田代という男(浅野忠信。本作で圧倒的にかっこよかった)に衆道(男色)を教えられた加納は、周囲の男たちの嫉妬を買いながらも、その立場と美貌を利用するようになる。
全体的に棒読みな演技で、しかしそれがものすごく凶々しい雰囲気をかもしだす。わざとか。初映画出演の松田龍平は天然演技だろうけれど。あと、崔洋一の眼球がつねに左右に動いていたのだけれど、あれもまた妙なリアリティがあった。
全体的に夜闇に浸ったような映像。その中できらめく刀の白が美しかった。
沖田が作中で上田秋成『雨月物語』の「菊花の約」について男色とからめて土方に語るシーンがあった。再読したくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
公開時、劇場で見た。その雰囲気に酔った記憶。
今回再び見てみると、新撰組の組織が何か異常に見えた。
しかし! 松田龍平、なんと初々しく素晴らしい! 公開時16歳、セリフのしゃべりも一本調子ぎみだが、逆にそれが役柄に合っている。実際の惣三郎はどうなのか。
・・検索すると、島原遊郭通いにはまって土方に切られたとある。衆道にしたのは司馬遼太郎の創作のようだ。
1999公開
2021.10.11BSプレミアム -
ボキャブラ天国で下ネタが結構好きなおじいちゃん。そんな印象のある大島監督の作品を初めて見た。深い。普通なら謎が解けない物語はただもやもやするけれど、この作品の謎は様々に読み手の想像力を膨らませる。例えるなら、ビーナスの手のような。武田真治の演技も必見。爽やかで清々しい沖田。見るものを惹きつける。
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「妖しい」という言葉がぴったりな松田龍平。彼の色気に新撰組が翻弄されていく。初めて見たときに、松田龍平を見いだした人は天才だと思ったが、改めてそう思う。解説サイトを読むとまた面白い。この映画ではあまり目立っていないはずの沖田総司の見方が変わる。
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松田龍平の目つきの鋭さったら
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もっともっと、こういう耽美な作品をいっぱい撮って欲しかった大島渚監督です。「戦メリ」もキャスティングにおおっ、趣味が素晴らしい!と思ったけど、この作品も趣味に走ったマニアックな配役に拍手です。
惣三郎に当時新人の松田龍平、田代に浅野忠信、沖田に武田真治、そして土方がビートたけし。いいですね。でも、ちょっとオヤジ入った暴走族みたいな新撰組。ま、むさい男の集団に「掃き溜めに鶴」の美形惣三郎は引き立ちます。
原作が司馬遼太郎「新撰組血風録」収録の「前髪の惣三郎」と「三条磧乱刃」なんですが、そんな大作家さまでも好き嫌いは別として、衆道はハズせないネタだったのねと思わずにはいられません…
ストーリーはほぼ原作に沿っています。勝手な解釈などがなく意外にそのままの展開。しかも、短編の原作からどうしたらこんなに華麗に膨らませることができるのかと言う世界観。
松田龍平の初々しい演技が妙にぴったりで、小悪魔びっちなかんじがすごいです。今の彼からじゃ想像もつきませんが。かなり、際どい演出がまた生々しくて思わずガン見してしまった。
かわいくて美形の惣三郎が、しだいに妖気漂う魔性の男に変化していく怖さが見どころです。
映画全体に漂うぎこちなさ、不自然さも、この作品のいびつな主題に似合っています。 -
松田龍平のデビュー作で尚且つ新撰組と聞いて。初々しいけど目線に色気がありすぎた。
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漂ってる空気が好き。