マインド・ゲーム [DVD]

監督 : 湯浅政明 
出演 : 今田耕司  山本精一  藤井隆  島木譲二  山口智充  坂田利夫  渡辺信一郎  中條健一  前田沙耶香 
  • レントラックジャパン
3.83
  • (110)
  • (71)
  • (126)
  • (14)
  • (4)
本棚登録 : 512
感想 : 111
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4947864901660

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「犬王」を見て、やっぱり湯浅作品とは相性が悪いなーという印象を持った。
    で、半ばそれを強化するために、マゾヒスティックな気持ちで、見てみた。
    敬愛するライムスター宇多丸氏が激推ししていることもあって。

    確かに前半(特に居酒屋あたり)の実写融合ギミックで、押井守のオシメーション? とか、あー人生やりなおし系ね、とか、デフォルメいつも通りっすね、とか舐めた鑑賞をしていた。
    そのままなら予断通りの感想になりそうだったが。
    申し訳ない。
    ひれ伏したい。
    きっちりラストでぐっときてしまった。
    中盤の、西、みょん、ヤン、じーさんの4人のくだりが、話としてはどうということのないものなのに、大変面白かった。ピノキオ~。
    あそこでの停滞と順化があってこその、脱出の勢い。
    (グダグダの中でキャラクターを好きになり、好きになった人物が一心不乱になるのは、見ていて心地よい)
    緩急がすごいし、そのあとに持ってこられた、走馬燈、および、未来の可能性のシーンで、うるうる。
    じーさん(ゲイ)や、前半でなんかいたヤクザや、にも、また人生があって、それぞれの諦めや、開かれた可能性やで世は満ちているという……この感動、ひょっとしたら高校生や大学生のころに見ても感じられなかったかもしれない。
    中年の今でも萌えキャラを求めてしまうが、本作のみょんやヤンは、確かに萌え文脈からはみ出すがゆえに萌えられる(顔は萌えではないが胸は萌え文脈)という位置にいそうだが、きっとそんな消費者の引きずり下ろしに構わず、逸脱していくエネルギーに満ちている。
    人生経験浅い若輩者(=私)は、ただのけばけばしい紙芝居やんけと一蹴していたかもしれない。
    中高生でこの映像を浴びれば何かあったかもしれないが、ともかく中年になってこの映像に感じ入ることできて、よかったと思う。
    もちろんプレミアつきまくってるがために手を伸ばしづらい原作のロビン西の力かもしれないが、湯浅フィルターで体験させてもらったので、まずは湯浅に感謝を。

    多元宇宙や、ループや、人生を拓く、とか、他の作品を見るときにも時々思い出しそうな、ハブになりそうな予感がする。
    というか、冒頭やラストは、夢に出したい。

  • 「生きるか死ぬか」の部分では嫌な汗をすごくかきました。
    強烈だった。
    アニメーションの表現もぶっ飛んでいて、
    あまり好きではないけれどよかったです。

    声優に吉本芸人起用は個人的には微妙。
    と、いうか今田が嫌いなのと、
    声を聴いたら今田だとわかってしまうところがダメだった。

  • 解説:

    ロビン西の同名コミックをSTUDIO4℃の製作で完全映画化したハイテンション・アニメ。

    20歳の若さであまりにも無様な死に方をしながらも驚異的な生への執着で生き返った男のエネルギッシュな生き様をスピード感いっぱいにパワフルに描く。

    劇場版「クレヨンしんちゃん」や「ねこぢる草」などで注目された期待のアニメーター、湯浅政明の長編初監督作。

    声の出演には今田耕司、藤井隆をはじめ吉本芸人が多数登場、全編にわたってコテコテの大阪弁を披露。

    電車に乗っていた西の目の前で、閉まるドアぎりぎりに飛び込んで来た一人の女性。

    彼女は西の初恋のひと、みょんだった。

    思わぬ再会を喜び合う2人。

    彼女は姉ヤンと2人で営む焼き鳥屋に西を招待する。

    しかしそこでみょんのフィアンセ、りょうを紹介され落ち込む西。

    そんな時、みょんの父の借金を取り立てにヤクザがやって来た。

    そして運の悪いことに、西は怒り狂うヤクザによって、ケツに銃を突っ込まれあっけなく死んでしまう。

    こんな死に方に納得できない西は、黄泉の世界で神様に逆らい、驚くべき執念で現世に蘇るのだった。

    瀬戸際の危機を脱した西はヤクザの車を盗み、みょんとヤンを乗せ、迫り来るヤクザから必死に逃げる。

    しかし激しいデッドヒートの末、ついに橋の真ん中で退路を断たれた西たちは、あえなく車ごと海へと転落してしまうのだったが…。

    実写や3D、CGをはじめあらゆる手法・タッチを縦横無尽に詰め込み、およそ統一感とは対極に位置しているはずながら、有無を言わさぬ圧倒的な疾走力と躍動力が観る者に違和感を抱かせるひまさえ与えず、めくるめくイマジネーションの世界へ引きずり込んでしまう驚異の一作。


  • ・冒頭のなんの説明もなく雑多としたいろんな人間が入り交じって生きている雰囲気の映像がすごくいい
    ・鯨に飲み込まれるってまぁピノキオだけどすごいおもしろいなと思った。
    ・「外にはいろんな世界があっていっぱい色んな人らが自分らの思い思いの時間をいきてて、信じられへんぐらいいい奴とか悪い奴とか、自分と全く違う人間がごちゃまんとして世界をつくっとるんねや。成功するとか野垂れ死ぬとかどっちが上とか下とかそんなんは問題じゃなくて、俺そん中にいたいんや!」
    ・勢いがあってむちゃくちゃなのがいい。いやなことを忘れられそう。

    ・鯨にのみこまれるのは面白いからいいけど少しいきなりすぎてちょっと微妙。伏線がほしかった。
    ・神様がなんかおかしなやつって設定が当時は斬新だったかもしれないが今は漫画とかアニメでわりと多いからちょっとあーまたかーみたいな印象うける。
    ・人生たのしめって押し付けられてる気がしてうざい。元気の無い時には見たくないな。ささいなことでちょっと落ち込んだ時に見たい映画。まぁまぁ好き。

  • おもしろかったー。最後のひとつ前、タイトルが出た瞬間ガッツポーズしました。
    今を生きること、命題がもつ矛盾、考えることを肯定する。そんななんてことのない大切な話をおもしろく、チカラを奮い立たせるいい作品に仕上げている。おっぱい。

  • 序盤のドタバタが面白かっただけに、鯨に飲み込まれてからが辛かった。
    なんとなく赤=死というのが刷り込まれてしまったせいか。
    しかし、湯浅監督作品の根底にある無茶苦茶なイメージがたっぷり堪能できる。
    ラストの脱出シーンなんかもう最高ですよ。

  • 自由なアニメーション
    振り返りシーンにサッカーワールドカップ?が定期的に差し込まれるのが、サッカー好きな人が作ってるって感じ 年表として分かりやすいんだろうな

  • とにかく「生きてやる!!」というポジティブなエネルギーが画面に漲る、攻撃力とマジックポイント高めのパワフルな作品でした。
    映像表現は大変独特でアバンギャルドな感がありますが、かといって過剰に難解にはなっていなくて、表現力と創造力を縦横無尽に駆使したアーティスティックな爆発力があります。とはいえ細かい裏設定のようなものを読み取るのは困難でしょう。映像表現を楽しむという意味で、とても多様なコミュニケーションが可能な楽しい作品だと思います。

  • 奇天烈だがおもしろい
     ロビン西の漫画が原作。
     ストーリーは一見複雑なやうで単純。テーマとかそんなものは考へずに展開をたのしめばいい。

     登場人物の正体は、冒頭や最後の走馬灯で明かされてゐる。老人は同性愛者で、老人の息子はあのヤクザである、といふことがわかる。

     演出の湯浅政明の監督デビュー作である。これ以降湯浅はこの作品を超えられてゐない気がする。

  • 「生きねば」力

    湯浅監督みがすごい。
    躍動感ありすぎるアニメーション、尋常じゃないスピード感、暴力的なまでの色彩、実写やら絵柄やら視点やらのコロコロ変化するすごい発想。マジですごい。見せ方、描き方、すごい。
    吉本芸人の声も、実写のまじりも、楽しい。


    最後の全力疾走は、見てるだけで筋肉痛になりました。

    http://blog.livedoor.jp/eiga_no_mikata/archives/4472213.html

    解説ブログ見たから、ちょっと見直してこよう。


全111件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

アニメ監督。映画『マインド・ゲーム』で2004年に長編監督デビュー。代表作に「四畳半神話大系」「ピンポン THE ANIMATION」『夜は短し歩けよ乙女』「映像研には手を出すな!」などがある。

「2022年 『劇場アニメーション「犬王」誕生の巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×