007 ムーンレイカー アルティメット・エディション [DVD]
- 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988142421227
感想・レビュー・書評
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『ムーンレイカー』、駄作と思ってたので観るの嫌だったんですが、観てみたら実はすごく面白かった!バカ映画として!
これ嫌いって人もけっこういると思うけど、僕はそうじゃなくって。観たら「007とは何なのか」というのがけっこう理解できる。
というのは、007シリーズってリアルさやシリアスさvs荒唐無稽さや娯楽性や笑いの、常にせめぎ合いなんですよね。
ふたりのプロデューサーのうち、前者がサルツマンで後者がブロッコリ。このふたりのバランスで成り立ってたんだと思う。サルツマンが作った『国際諜報局』は『キングズマン』の元ネタにもなってるけど、路線の違いで反目して、彼は007シリーズを降りている。
最近の監督で言うと、クリストファーノーランなんかはリアリティ路線で、『女王陛下の007』や『ロシアより愛をこめて』が好き。
で、マシューヴォーンは荒唐無稽なのも含めて好きなんだろうなと。『キングズマン』はこの『ムーンレイカー』が元ネタになってるし、劇中のセリフでも言わせてますね。
だから好みの問題なんです。
この映画はつまらないわけじゃなくて、娯楽性に振り切って色々詰め込んでる。実はタランティーノとかの映画に近いんですよ。というよりもロバートロドリゲスの方が近いんだけど、そういえば『マチェーテキルズ』も元ネタは『ムーンレイカー』でした。
タラちゃんで言うと『キルビル』、ジョンカーペンターだと『エスケープフロムLA』とかね。あと『コンエアー』とか『アルマゲドン』とか、そういうバカ映画の系譜です。
途中で西部劇パロディがあって『荒野の七人』の音楽からマカロニのギミック付き武器披露になるとことか最高でした。
ロジャームーア時代の007は当初からコメディ路線で、コメディでやるとパロディの笑いになる。
ムーア1作目の『死ぬのは奴らだ』ってブラックスプロイテーションだったんだけど、それは当時流行ってたから。
で、『ムーンレイカー』はスターウォーズのパクりというよりも、当時SFブームだったからこうなってる。だから『未知との遭遇』のパロディがある。この頃の007の娯楽性ってのは、単純に客にウケるためなんです。
他の要素としては「企業の広告塔」ってのがあるんだけど、これって今の日本のアニメでも普通にやってますよね。
ストーリーはものすごく単純化してご都合主義にはなってる。いきなり敵のボスが出てきて、ずっと命を狙われ続けるという笑。
悪役の行動原理もぼやけてるんですが、これ単に優生思想で。原作だとナチの残党だからそこがわかりやすいんだけど、映画版だと描写されてないしストーリーもけっこう変更されてるからわかりづらくなってる。
でも、「こまけぇこたぁいいんだよ!」って映画なんで、最初からバカ映画だと思って観たら楽しめると思います。こういうのがあるのも007シリーズの魅力のひとつ。『カジノロワイヤル』なんかはもっと振り切ってるので、あれも大好きだけど。
あと、悪役ジョーズが再登場するので前作『私を愛したスパイ』から観ないと絶対ダメです。
『キングズマン』の兵士の元ネタは『ムーンレイカー』かと思ったんですが、普通にスターウォーズでしたね。あとラストシーンも『私が愛したスパイ』よりは『ムーンレイカー』の方でした。
マシューヴォーンは007の監督をしたかったんだけど選ばれずに『キングズマン』をやったそうだけど、このシリーズはちゃんと面白いから、もう007はしなくていいよって思う。『X-MEN ファーストクラス』もスパイ映画みたいなもんだったしね。
今やってヒットするもの作るなら、やっぱりノーランに監督をやって欲しいってずーっと思ってる。
ボンド役はダンスティーヴンスが良いんじゃないかな?と、構想だけは勝手に妄想して完成してます笑。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10月21日鑑賞。007ことジェームズ・ボンドが、地球の人類を根絶やしにしようと企む悪人を追い、宇宙へ飛ぶ!!シリーズ最大のバカ映画とは聞いていたが・・・。どこのスターウォーズかと呆れ返る、あまりといえばあまりな宇宙へ無知な描写がかえって笑えて面白い。ヴェネツィアやリオデジャネイロの風光明媚さと、相変わらずのボンドアクションも楽しめた。どことなく漂うほのぼのムードは、ロジャー・ムーアの持ち味なのか?
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ロジャームーア007の一番だな。ラストのジョーズと彼女のエピソードが、また良いんだな。宇宙戦争もガンダム並だし、CGが未発達の中で素晴らしい!