0の暁 (1950年)

  • 創元社
2.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 1
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ▼アメリカが〝マンハッタン計画〟を始めた際に、唯一、一部始終の取材を許された記者、W.L.ローレンスによる著作。現代で言えば従軍記者という肩書が適当だろうか。私は、とある授業の参考文献として一読した。
    ▼物語は、核(放射性物質/放射線)という物質それ自体の発見【主に第1章】から始まり、開戦の機運が高まり、軍事転用が試みられた時期【主に第2章】、そして、実際に使用されるまで【主に第3章】と時系列に沿って進められていく。
    ▼もっとも、ラジウムの発見ならば、高校の物理Ⅰで扱われている程度の内容であったし、ウランやプルトニウムに関しては、今となっては他に良書がたくさん刊行されている【→第1章】。(原子爆弾を)「どうして使ったのか」あるいは「使うべきだったのか」についての検証・論考は、これもまた歴史的な研究が積み重ねられている(そもそもこの本では、その点についての考察には全くと言ってよいほど注力されていない)【→第3章】。
    ▼それであるならば、一番近くで計画を見届けた記者が描いたエッセイとしての読みごたえ!を期待したいところなのだが、旧字体での標記も手伝って全体的に読みづらい。戦後間もなく出版された本であるので、〝古典〟的価値があることは認める。だが、相当な時間的余力(と精神的な余力)がない限り、無理をして(初学者が)読む必要のない本だろう。

全1件中 1 - 1件を表示

W.L.ローレンスの作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×