痴人の愛 (1949年) (新潮文庫)

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感想・レビュー・書評

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  • もう何度目かの再読。定期的に私はナオミに会いたくなりこの本を開いて、読んでいる間中この美しく愚かで醜い女に、恋慕のような憎悪のような感情を抱き続ける。そして読み終わった頃には、二度と会うまい、もうその顔を、その身体を想像するまいと思うのに、時が経つと憎しみを忘れてしまったかのようにまたこの本を開く。それほどに、このナオミという女は恐ろしく魅力的だ。本を読むと、稀にナオミに似た女を見かける。その度に恐ろしくなり、またナオミを想う。いつまでも頭にこびりつくように残るナオミの残像は、消えることなくずっと続いていくのだろう。次はいつ読むことになるんだろう。

  • う〜ん、王道たる王道。史前から今に至るまで、男ってアホよね。

  • 面白かった。ナオミについて最初は可愛らしくコケティッシュだと思ったが終盤は単純にムカつく女だなと思ったし、自由奔放、1人の男を手玉に取り魅了するだけの力があることに羨ましく思う。ドラマを見ているような鮮明な表現と美しい言葉に読む手を止められなかった。

  • 谷崎文学を初めて読んでみて思いの外、読みやすい。痴人の愛は私(河合譲治)が15歳の少女(ナオミ)を引き取り教養を身につけさせ、贅沢をさせ理想の女性に育て上げるが次第に手に負えなくなる。奔放なナオミに翻弄される譲治、人間関係が逆転し次第に自堕落になっていく様子に引き込まれた。

  • 悔しいけれどお前に夢中って感じですね。
    時代は違えど現代でも通じますね。
    実写化はされているんですかね?

  • youtubeでタニザキ・デンジャラスという曲を聴いて気になったので読みました。歌詞から想像していた通りの内容で面白かったです。

  • 概要読んだ限りではおいおい女子を拾って調教なんて話をこんな時代に考え付くなんて流石谷崎氏、程度にしか思わなかった。しかしこの時代で西洋への露骨な憧れを軸にして行動する主人公たちも、今から見れば滑稽で面白い。それ以外は何も言えません。

  • ストーリーは王道だが、文章の書き方、ページの使い方、言葉の表現等、とても文学的で美しいと思った。
    ナオミという娼婦のような女にほだされる男の話。
    ナオミの美しさの表現が、とても豊かで、想像力を掻き立てられるような美しい文章だった。
    美しい文字列を感じたい方は是非。

  • 半日ノンストップで読んだ。
    読み終わって「谷崎潤一郎って…」とちょっと引いたのは秘密。
    途中で止められないくらい面白かったんだけどね…!

  • 育てて食う耽美小説…。源氏物語的な?
    ということでよんでみた。

    好きじゃないし、途中から辟易ししまった。
    どうしょうもない悪魔的美女と腰の引けたおっさんの話。
    おっさんどMやなぁ、と違う意味で感心した。
    好きな人には好きなんだと思う。
    なんとなく「ティファニーで朝食を」に似てる気がした。

  • もうそうなると情欲もなく恋愛もありません、………私の心に感じたものは、そう云うものとは凡そ最も縁の遠い縹渺とした陶酔でした。

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