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- / ISBN・EAN: 4988126205171
感想・レビュー・書評
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こんなもん見せられたら泣かずにはいられない。
世界中に張り巡らされた売春経路。
需要があるから存在するわけであって。
男ってなんやねん
2007. 11. 14
トラフィッキング、所謂人身売買を取り扱った作品。舞台は東欧だが、世界中で行われている人身売買はほぼ同じ手口かつ巧妙。
ネパールからインドにトラフィッキングされる少女もベトナムからカンボジアに売られてゆく子どもたちも、うまい話に騙される。
でも考えてみてほしい。一か月休まず働いても3000円しか稼げないという現状に打ちのめされているアナタの前に「十倍稼げる仕事を紹介してやろうか」という甘い話が舞い込んできたらどうだろう。
更に悪いことに、あなたは父親を亡くしていて、母親も病気がちならどうだろう。藁にも縋る想いで食いつきやしないだろうか。
そうやって少年少女、若い女性が売春窟に売り飛ばされてゆく。
厳然とある経済格差。それを解決しないと、糞ったれブローカーの甘い言葉は効果的に働き続けてしまうのであーる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東欧のちいさな共和国モルドバに暮らすエレナとヴィラの姉妹。ヨーロッパ最貧ともいわれる祖国での生活はふたりにとってもきびしかった。カフェで声をかけられた姉妹は一月で年収を稼げるという男の甘言にのせられ、ロンドンでダンサーとして働くことを決め、希望を胸に抱いて家を出ていく。しかしそれは罠だった。プラハを経由しセルビア、ボスニア、アルバニア、そしてイタリア、イギリスへふたりは次々と売り飛ばされてしまう。人身売買のマーケットは東欧から英国、北米におよび、マフィアだけでなくさまざまな組織や団体、企業が関わっている。NGOや支援グループが彼女たちの救出を試みても、ジャーナリストが実態を暴こうとしても、敵は巨大で強大で、あらゆる手を使ってそれを阻もうとする。監督は「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」のデビッド・イェーツ。映画ではなく、これはイギリスで製作された長編テレビドラマだ。その年の英国アカデミー賞TV部門の連続ドラマ作品賞も受賞している。フィクションだが、ほとんどのエピソードは実際にあったことだという。テーマがテーマなだけに、重く暗い作品だけれど、テンポがよく飽きないし、単純にサスペンスとしてもおもしろかった。やがて騙す側になっていく妹の存在もリアルだ。他にもいくつかヒューマン・トラフィッキングを描く作品をみたが、どれも手口はおなじで、東欧や中欧の貧しい国の女性を言葉巧みに男が騙し、イギリスやアメリカへ売り飛ばす。英国は奴隷の輸入国だ。チャンネル4(英のテレビ局)は自国の恥部をこのドラマで告発した。一方、エレナやヴィラのような女性は、いまもむかしもこの国にたくさんいるというのに、日本はみてみぬふりをし続けている。人身売買は他人事ではない。
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怖い世界だ。これが現実。
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これはほんとほんとに良かった。
涙が止まらなかった。
辛かった。
実話を元に作られたと思うと、悲しい。
海外にいくのが怖くなったけれど
日本にもあるんだろう。
わたしがいかに
安全な環境にいるかがよく感じられる。
これは、ほんとうにわたしの中に残る
一作品だ。 -
女性の人身売買と性的搾取がテーマのイギリス発のドラマ。巧妙な売買の過程と人身売買組織が描かれる。自由市場のお手本のような売春市場に、自らの意志とは無関係に供給され、権力に犯される東ヨーロッパ出身の女性が主人公。性しか売るものがないという状況、売春を非合法化し厳罰化することで闇に隠れる売春ルート、権力のもう一つの顔。久々に映画を見て衝撃を受けた。あっという間に時間が過ぎて行った。