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- / ISBN・EAN: 4988104042910
感想・レビュー・書評
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日本の戦争映画の傑作だというので見てみたけど、全くの期待はずれだった。つまんない。
傑作だと思って見るから良くないのであって、50年前の日本映画だと思ってみてみれば、まあこんなものだと思う。特に良くもないし特に悪くもない。日本映画だしこんなものだろうと思う。ただこれが傑作だとなってくると違う。
戦闘シーンがチープなのは仕方がない。
演技が不自然でもっさりしているのも、そういう芸能なのだから仕方がないのだろう。当時ヤクザ映画しか作っていなかったのは当然だと思う。
問題は脚本だな。
詰め込みすぎて意味がない。知ってないとわからないものばかり。なんだよその対馬丸。戦艦大和ノ最期もきけわだつみのこえもカット・アンド・ペーストじゃん。仕事が安っぽすぎないか?
雑な脚本、ぐぎゃーぐぉーぐえーって擬音の聞こえてきそうな昭和の名優たちの演技。最後のカットにも出てくる「無垢な少女」。
いや、もう、ほんと、昨日今日だめになったってものじゃないだろ、これ。 -
これは見ていて大変しんどい映画でした。以前沖縄に行って戦争遺跡なども見ましたが、自分に想像力が全く凡庸であったことを思い知りました。沖縄県民の3人に1人が死ぬというのはこういう状況なのか、そりゃ死体だらけじゃないかと。やはり勇敢に戦って死んだ兵士よりも、死に追いやられた庶民の死に心を痛めます。
沖縄県民を守るどころか、戦場に駆り出して死に追いやってしまう日本軍の姿には憤りを覚えますが、彼らも日本帝国の捨て石にされたのもまた事実。「まだ死なせてくれんのか」と嘆く丹波哲郎など、苦悩する士官たちの姿も印象に残ります。キャストも豪華でしたね。 -
やられるときの大仰な演技とか、昔の稚拙な特撮感も随所にあるが、凄惨な沖縄戦をこれでもかと描き切った、日本の戦争映画のなかでも傑作の部類。
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『ハクソーリッジ』の勝者目線にいらついたので、こちらを見てみた。
カット割りがやたら細かく、説明的なセリフやテロップで覆い尽くされてて、『シン・ゴジラ』『エヴァンゲリオン』によく似てると思った。気になって調べてみると、庵野さん、岡本監督と対談している。寡聞にて知らなかったのだけど庵野さん、相当、影響を受けてるんだな。
『ハクソーリッジ』と違って人物にクローズアップはしない。断片的なエピソードと親切すぎるぐらいの説明をひたすら細かく積み重ねて作られている。冒頭のあたりは、『古くさくて安っぽい、怪獣特撮の出来損ないみたいな映画という感じで、大したことないな』とか、『説明ばかりでわかりにくいな』とかそんなことを思って、最後まで見切れるかと思ったが、話が後半に行けば行くほど、その説明的な手法が光っていると思った。
『ハクソーリッジ』と違って、民間人の犠牲がしっかり描かれていることがなにより素晴らしい。軍や警察のゴタゴタによって民間人の避難をさせられなかったこともしっかり描かれている。そうした視点が何よりいい。
凄まじい戦いをたったの2時間半で過不足なく入れ込んだ監督の手法は素晴らしい。惜しむらくは、映像技術のレベルの低さ。この映画を100回見たという庵野監督に現在のSFX技術を駆使してぜひリメイクして欲しい。 -
WOWOW。
硫黄島と併せて観たい映画。
次は「ひめゆりの塔」鑑賞予定。 -
沖縄戦の内外を描いた作品。
これほど緻密に丁寧に描かれた群像劇は観たことがない。また、ひとつひとつのエピソードが強烈で観ている間中体の震えが止まらなかった。
今なお存在するアメリカ兵に対する沖縄と本土の人間の感情の温度差について考えさせられる -
非常に面白い、大変見応えのある映画である。
戦争映画にありがちなイデオロギーや妙なストーリー仕立て、極端な美化・惨化をほとんど感じさせない。
監督・岡本喜八によると、沖縄戦を3つの流れで捉えて描いたとのことであるが、軍人の心理状況の推移が見ている側にも非常に伝わってくる。
1.来るか来ないか
2.勝つか負けるか
3.生きるか死ぬか
また、各俳優の表情や雰囲気、迫力から伝わる臨場感・緊迫感も素晴らしく、全く時間を感じさせない仕上がりになっている。
豪雨の中の摩文仁への移動のシーンの迫力は必見。
ぜひ、多くの人に楽しんでもらいたい作品である。 -
これを見て、『死』を意識できなきゃあ、想像力のねえバカだよ。見目麗しい感動なんてもんなくて、黒ずんで泥臭くてぬるぬるした生命が破綻する25万の瞬間だ!
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昭和46年度作品。「日本のいちばん長い日」と同じ岡本喜八監督。
沖縄戦のアウトラインを知ることができる唯一の作品です。
第32軍司令官牛島満中将を小林桂樹、参謀長長勇少将を丹波哲郎、実質的な作戦立案者である高級参謀八原博通大佐を仲代達也が好演。
戦後も生き残った八原博通氏の著書「沖縄決戦」をもとに描かれており、沖縄戦全般を知るうえで格好の映画だと思います。
第32軍創設から着々と増強される守備兵力、それに基づいて起案される迎撃体制。しかし、第9師団の台湾への抽出により、戦略持久戦へと方針変換されていく様子が良く理解できます。
戦闘が始まるや、大本営との確執から計画される総攻撃。死中に活を求めようとする長参謀長と、あくまで既定方針を貫こうとする八原高級参謀とのせめぎ合いの見ものです。
合わせて、戦艦大和以下の海上特攻の様子を、「戦艦大和ノ最期」の著者吉田満氏(当時学徒出身の海軍少尉)の視点で描いたり、菊水特攻作戦を実写と特攻隊員の遺書とで描いたりもしています。
「プライベートライアン」には及びませんが、戦争の冷酷さも一定描かれています。
この映画を見て改めて思うのは、軍上層部があまりにも沖縄県民をかえりみなかったことです。厳しい見方かもしれませんが、32軍はあくまで首里戦線で最期まで戦うべきだったと思います。であれば、摩文仁に司令部を移して戦われた、軍民混在して戦われた地獄絵のような戦闘はなかったでしょう。沖縄県民が受けた惨害を考えれば、半月ほど玉砕を延ばしたことなど、比較にならないと思います。
ただ、小禄地区を守備した海軍部隊も描かれており、その司令官であった太田実少将が訣別電報で送った有名な「沖縄県民かく戦えり・・・」には、ほんの少し心慰められるものがありました。
もちろん、ひめゆり部隊や鉄血勤皇隊のことも描かれています。
映画の随所に、米軍上陸前の艦砲射撃で母親を失い、戦場をさまよう少女が登場します。その少女が累々たる死体の中から水筒を見つけて、その水を飲むというシーンで映画は終わります。
思わず胸にぐっとくる場面なのですが、皆さんはどう感じられるでしょうか。
(奈良県在住 50代 男性)