この道は母へとつづく [DVD]

監督 : アンドレイ・クラフチューク 
出演 : コーリャ・スピリドノフ  デニス・モイセーエンコ  サーシャ・シロートキン  ユーリイ・イツコーフ  ニコライ・レウトフ 
  • 角川エンタテインメント
3.77
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988126205768

感想・レビュー・書評

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  • ロシア映画。ロシアの生活水準がよく分かる。

  • 2005年度のロシア映画。

    <あらすじ(ネタバレ)>
    孤児院で暮らすワーニャは裕福なイタリア人の養子になることになった(原題'Italianetz”は「イタリア人」の意。縁組話で彼についたあだ名である)が、先に養子に入った親友ムーヒンの母が孤児院を訪ねてきたことで、養子になるのをやめて実母探しの逃避行を始める話。
    <補足>
    ・孤児院は慈善組織ではなく、養子縁組の手数料から臓器目当ての人身売買まで手掛ける貧困ビジネスの場になっており、ワーニャが逃げられたことで仲介役のマダムは金ヅルのワーニャを執拗に追いかける。
    ・孤児院の少年社会も階層化され、稼いだ小遣いは上納され、裏切りへの制裁措置に裏付けられたマフィアさながらの再分配制度をとる。
    ・ロシア社会には、いたるところに年少のチンピラがたむろしており、誰が相手でも容赦なく暴力による収奪を行う。

    <コメント>
    ・ワーニャは非常に機転がきき、しかも敵味方の峻別を的確にできる子。金庫にある幼児院の住所の書類を盗む、字を読めるようにならないと母を探せない、少年たちのヒエラルキーに反感をもっている少女イルカを味方につける、自分に関心がなさそうな乗客の懐に入り込むなど、みていて爽快だった。ただ、終点駅の線路内で道を尋ねるのに、チンピラ小僧風情を選んだのは一貫しなかった。
    ・さきのような社会構造を基本にしているだけに、ポツポツと出てくる人々の善意にホッとする。イルカの振る舞い、乗客の親切、バス停でのやり取り、幼児院長のホスピタリティなど。
    ・ラストは物足りないとのレビューもあるが、その後の顛末をすべて映像化する必要はなかろう。マーニャはほぼ直観的に母を追い求めたわけだけど、その結果が幸せだったことはあれで端的にわかるし、子を捨てた経緯などの「不純物」をラスト間近で見せられてもモヤモヤ感が残るように思う。

  • ITALIANETZ
    2005年 ロシア
    監督:アンドレイ・クラフチューク
    出演:コーリャ・スピリドノフ/マリヤ・クズネツォーワ/ユーリイ・イツコーフ

    なんかの評に「ロシア版・母をたずねて三千里」と書いてあって、ああなるほどそういう話ね、と思っていたんですが、いざ見てみると、まあ全くお門違いとはいえないものの、やっぱりそれはちょっと違うんじゃない?と思いました。マルコは、お母さんを追いかけて各地を転々とさまよいますが、本編の主人公ワーニャくんは、マルコと違って「追われて」るんです。しかも、肝心のお母さんは、会ったこともない、生きてるのかどうかもわからない。「追っ手」は彼が育てられた孤児院の大人達ですが、捕まって養子に出されたら、一生お母さんには会えないかもしれない、という危機感の中で、彼は母を捜しつつも追っ手から命がけで逃走します。

    子供社会のルールは過酷で、大人は当てにならず、ワーニャをとりまく環境はけして楽観的なものではないんですが、それでも救われるのは、彼の逃避行の途中で、いくつかの小さな、ゆきずりの人の、父性や母性に触れる機会があること。孤児院育ちで、おそらく今は娼婦のようなことをしてるにも関わらず、ワーニャのために文字を教え、逃走に手を貸した少女の無償の協力は、おそらくは母性愛の発露だろうし、バスに乗せてくれた親切なおじさん、追っ手から逃げるワーニャをかばってくれた娼婦たち、極めつけは、ワーニャを追ってきたにも関わらず、自分の妻を裏切ってワーニャを見逃す男。どれも、偽善じゃなくほっとさせれらるエピソードでした。

    先入観で、ロシア映画だからきっと結末は悲劇的なものに違いないと勝手に覚悟して見てたんですが、実はハッピーエンド。何らかの事情があったにせよ、一度は自分の産んだ子を孤児院に預けた母親が、その子が大きくなって自分を訪ねてきたからといって、じゃあ一緒に暮らしましょうと安易にいえるほど状況は甘くないだろ、と思ったりはするんですが、それでもやっぱり、このラストには救われます。そして何より、この子役のワーニャくんがすっごい可愛い!それだけで癒されました。
    (2008.03.10)

  • 子供を巡る悲しい現実が至る所にあるんだなと思いました。このお話はその中でも良心が垣間見えてまだ救われる。

  • 子役可愛いすぎ。最後の笑顔に希望が持てた。

  • 現実はそんなに美しくない。
    ロシアの児童養護施設・里親の話。

    海外では里親という名の人身売買が普通に行なわれているのだろうか?その辺りの事情はよくわからないけれども,こんなに小さい子どもが見たことも記憶にもない自分の母を探し求めて一人旅に出るなんていうのは,とても映画的。

    クライマックスだって美しすぎる。
    親を思う子どもの気持ちや子どもを思う親の気持ちがたとえ美しくても,現実は,やっぱり,そんなに美しくないと思う。

  • 主人公の最後の表情が良かった。
    お母さんの優しい声にホッとして、友達の男の子の希望も叶って良かった。

  • 8月24日

    ********

    8月28日の日記

    島から本島へ出てきていたって?、それも、ごく近所に2ヶ月もいたというらしいじゃない。
    その間、孫、の、8時間にも及ぶ手術があったこと
    知っていたはずなんだけど、
    電話の一本もよこさず、島に戻ったらしい・・・・・。
    う〜〜〜〜ん。

    なんか、もう、いいかな・・・・

    って、

    ふっきれモードに突入。

    母へと続く道(携帯)も、途絶えてしまったし。

    これで、何回、捨てられたことになるんだろ。

    しゃーない、ね。

  •  イタリア人夫妻に受け入れられる事の決まった孤児が、同様に海外の夫妻の養子になった友人の母が孤児院に当然やってくるという事態を前に、自分の母への想いを募らせ、母を捜す旅へと出るという話。原題は、イタリヤーニェツゥ(Италиянец)。ロシア社会の実情として、離婚率が高い、未婚の母も多い、アル中も多い、経済的社会的に子供を扶養出来ない人が多い等々の理由で孤児院がソ連崩壊後溢れかえり、またかわいいスラヴ人の子供を養子にしたい海外の子供の出来ない夫妻や単に人身売買目的のバイヤー、あるいはゲイやロリコン等の性向を持つ人々が多額の外貨で彼らを買っている事実、そして孤児院もロシア人バイヤーと共に子供たちを彼らに提供している事実を明らかにしている点は、映画としてのメッセージ性はあると思う。ただ、子供の受け入れ先の人々について、人身売買のバイヤーやゲイやロリコン等の性向を持つ人もいるという事があまり明らかにさせていない点は、どうかなと思う。確かに、子供が単純にいないという事でロシア人の少年少女を貰い受けている人が多い事も事実だろうけど、ユニセフ等では、前者が問題にされている訳で・・・。
     映画としては、イタリア人の夫妻は凄い良い人に見えたので、主人公を捨てた母親の元に主人公が最後に辿り着き、彼女がなぜ彼を捨てたのかという理由の説明もなく、再度母親と暮らす事、そしてイタリア人夫妻の元に行かない事が、本当に良い事なのか言いようのない疑問を覚えた。確かに、本当の母親の元で生活出来るに越した事はないわけだが、彼女がアル中であったり、精神的に不安定だったり、望まぬ子供だったり、経済的に非常に困窮していたり、彼の受け入れに消極的だったり等等すれば、例え本当の母親と一緒に生活出来たとしてもそれがイコールすべて正解で、すべて良い事だとは思えない。そこをぼかし、最後はやっぱり自分の母親の元に戻れたのだから、それでいいだろうという終わりには「短絡的すぎないか?」という疑問を覚える。

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