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- / ISBN・EAN: 4988013636644
感想・レビュー・書評
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ある問題について観る者に考えさせたければ、まず必要なのはそこに関心を向けさせることだ。すごく当たり前のことではあるけど、考える以前に、知るのが大前提。そのための興味を喚起すること。その点において、この作品は見事に成功していると思う。
本作はイランの実情を知るうえでも非常に参考になるのだけど、何より一人の少女の個人史として文句なしに面白い。何気なく見始めると、どんどん物語に引きずり込まれていく自分に気付く。主人公の聡明さ、作り手のユーモア、センスに溢れたアニメーション表現に楽しませられる。と同時に、語られる悲惨な現実に驚き、ショックを受ける。思考を促される。
才能ってこういうことか、と思う。
文化や言語の違いなんか簡単に飛び越えてくる。こういう作品に出会うととても嬉しい気分になる。世の中にはこんな作品を世界に向けて発信する人がいるのだな、と。もちろん、それとはまた別に、映画で提起される重い問題にきちっと向き合わなければならないのだけど。
そのきっかけになる作品として、この映画はとてもとても価値のある作品。作り手に敬意を表したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イランとの関係がかわりそうなこの頃
イランて親日らしいですし
アニメなんだけどアニメコーナーには置かないでほしい -
「ロックとユーモアとちょっぴりの反抗心を胸に」
1978年、テヘラン。
9歳のマルジ(声:キアラ・マストロヤンニ)は、パパ(サイモン・アブカリアン)とママ(カトリーヌ・ドヌーヴ)、おばあちゃん(ダニエル・ダリュー)に愛され、何不自由なく暮らしていた。
そんなある日、国で革命がはじまる。国王が倒れ、新イスラム共和国樹立に国民は浮かれる。しかしその後の粛清で弱まったイランをイラクが攻撃し始め、戦争が勃発。人々は“風紀取締り警察”や空襲に怯えて暮らすようになった。
1982年のそんな最中にあっても、マルジやクラスメイトはビージーズやアバに熱中。特にマルジは、派手なジャケットを着てアイアン・メイデンのテープを買いに行くなど、大胆な行動を続ける。
現政権を讃える先生に反論したことがきっかけとなり、マルジも反政府的だとして逮捕されてしまう。両親はマルジのため、彼女をウィーンに留学させることにする。
ウィーンでは修道院の寄宿舎に入れられてしまうが、マルジの国籍や戦争体験に興味を持つ変わった仲間たちができ、次第に西欧文化に慣れ始める。
時は過ぎ、1986年、マルジがウィーンに来て3年経った。
体もすっかり大人へと成長し、ある男性と恋に落ちる。
しかし後に彼がゲイであることが判明し、破局。
次に恋に落ちた相手とは、彼の浮気が発覚し、またも破局。
マルジは西欧文化とイスラム文化のはざまで迷い、失意のどん底に落ち、街を彷徨う。しかし、放蕩する日々は長くは続かなかった。
病院で目覚めたマルジは音信不通だったイランの家族に2ヶ月ぶりに電話をする。娘を心配していた家族は、何も訊かずに「帰っておいで」と彼女を優しく受け入れる。
故郷に戻って安堵したマルジだったが、それは無気力な日々の幕開けでもあった。やがてうつ病と診断されたマルジは自殺を試みるが、失敗に終わる。
生死の境で、マルジは神様からの啓示を受ける。
「死ぬのはまだ早い」と一念発起、体を鍛え、猛勉強をし、大学の美術学部に入学。新しい恋人もできるが、それは社会の矛盾や制約の中での新たな苦悩のはじまりでもあった……。 -
絵もストーリーも素晴らしく、とても悲しかった。ただ普通の生活が送りたいのに、自由を得るには家族と離ればなれになるしかなく。なんだかんだと平和な日本とはあまりにも違い過ぎる政情。
夫はおばあちゃんのひねりの効いたがつんとした話し方/性格に自分の母親を思い出し嬉しそうだった。
フランスアニメやっぱり好き。 -
「モノクロ映画」だが、抜群の表現力に驚かされる。
イランという、中近東でもっとも「近代化」が進んでいた社会の持つ苦悩と危うさがよく表現されている。
イラン革命以後の社会を見る「子供」のまなざしがストーリーになっているのだが、実はこの視点はイランで最もリベラルな層からの視点。
リベラルなイラン人監督の自画像が、現イランの体制と全く重ならない。
非常にヨーロッパ的な感覚を持つ制作者のバイアスそれ自体興味ぶかい。 -
0259
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イランイスラム革命からイランイラク戦争、そして現在に至るまでをひとりの女の子を通してイランと国外からの視点で描いたおはなし。ふつうの市民がいかにして時代のうねりに飲み込まれていったか、政治的な映画としての魅力も十分ありながら、恋しているときの自分がいかに馬鹿で無知だったか、振り返って悲しくなったりする様は身に覚えがありすぎて泣ける。イスラムやイランに対して、危ない、理解できない、など思ってる人に観てほしー。
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女ならば一度はみておくと良い
でもほんとうは男にみてほしい -
友人に連れられて観賞。
個性的な作画。落ち着いたテンポ。濃い内容。文句の付けようがない名作!これは観て良かった!