地球の静止する日 [DVD]

監督 : ロバート・ワイズ 
出演 : マイケル・レニー  パトリシア・ニール  ビリー・グレイ  サム・ジャッフェ  ヒュー・マーロウ 
  • 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2.75
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本棚登録 : 54
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988142709028

感想・レビュー・書評

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  • 本作が公開された1951年、第2次世界大戦が終結し、日本に原爆が落ちて核戦争の危険性が高まってきた時代。
    突然宇宙船に乗って現れた宇宙人とロボット。全世界中の人々に向けてメッセージを伝えたいと言う彼は、そんな思いに反してアメリカの軍隊から銃撃されてしまう。
    今も昔も戦争が各地で発生している中で、本作は現代にも大きなメッセージを与える。最後は大きな警察組織に身をゆだねるか、それとも人類が滅ぶまで争いを続けるのか、観客に問いかけて映画は終わる。

  •  クラトゥ・バラダ・ニクト
     NASAの選んだ現実的なSF映画ベスト4に選ばれた作品。突如、宇宙から飛来した謎の飛行物体に乗った宇宙人、クラトゥ。クラトゥの目的は、地球に訪れる危険に関する警告をすることだった――。
     面白い映画だった。SFのギミックと特殊撮影の光る作品だった。NASAが現実的なSF映画の一作として選んだ作品だが、高度な文明を持つ地球人よりも知的な地球外生命体と未だ至らぬ途上にある地球人との齟齬が面白い。だがテーマ性に関して言えば、反戦や冷戦による宇宙開発の激化など現代的な視点から見ればややありきたりだったのが残念だった。だが上記の要素の嚆矢としての映画の存在意義は計り知れない。

     あらすじ
     ある日、上空からワシントンに謎の飛行物体が着陸した。円盤上の飛行物体から現れた男、宇宙人クラトゥはロボットであるゴートを伴い、地球に訪れた。目的は地球の滅亡を救うこと。だが全地球人への伝達を望むクラトゥと冷戦の枷から逃れられないアメリカ政府との意見は噛み合わない。
     政府との話し合いを諦めたクラトゥは、病室から脱出し一般人としてとある家の空き部屋を借りる。大家や他の住人と親しくなるクラトゥ。住人の一人、ヘレン・ベンソンの息子、ボビーの子守を任されたことから、地球の事情を知り始める。戦争の慰霊碑や使われている貨幣の違い、アメリカの憲法やバーンハート博士との接触など……。バーンハートとの接触に成功したクラトゥは、世界の権威やリーダーを集め地球人全員への警告を伝える算段をつける。その過程で地球への脅威を知らしめる手段として、全地球上の電力を停止させる。だが電力の停止を攻撃と受け取ったアメリカ政府は、クラトゥの殺害を決断する。ヘレンにことの真実を告げたクラトゥ。一方、クラトゥの恋人トム・スティーブンスはクラトゥがボビーと交換したダイアを手掛かりに、クラトゥの正体を見破り軍に連絡する。軍に狙われ、狙撃されるクラトゥ。ヘレンはクラトゥの依頼通りに、ゴートと接触しキーワード「クラトゥ・バラダ・ニクト」を告げる。ゴートに円盤内に運ばれたヘレン。ゴートは円盤内にクラトゥを運び込み、治療器具で復活させる。
     円盤周囲に集まった軍や野次馬、研究者の数々を前に、クラトゥは伝えるべき情報を公開する。宇宙では他星への攻撃が禁止されている。今後、地球がこのままの発展を続ければ、地球外に兵器を射出することとなるだろう。その場合、宇宙を警邏しているゴートのような警備ロボットが地球を攻撃し破壊するという。クラトゥは平和か滅亡か、二つの選択肢を地球に残し、自らの故郷へ帰還する。

     冷戦や宇宙開発競争を背景にした映画としては、『ライトスタッフ』や『アイアン・ジャイアント』などがあるが、この映画もまた独特の切り口で冷戦や宇宙開発競争を描いている。地球外生命体を前に一致団結できない分裂した地球人や、地球外生命体への挑発行為になり兼ねない宇宙開発競争とその真の目的。これらの物事を批判するために異邦者のクラトゥが巧みに用いられている。知的に地球人の先を行くクラトゥによる次善策に次善策を重ねた対応や、地球の科学力の理解を超えた円盤、ゴート、医療技術の数々が光り輝く映画だ。ダイアが他星の通貨として用いられている設定は、『ToHeart2』のるー子の「ちー(マッチ)」を思い出す。
     キャラクターはクラトゥやゴートの存在感が素晴らしい。他の地球人との交流に新鮮な反応をしつつも、時折突拍子もない行動をするのが良い。
     世界観はSFとしての完成度が凄まじい。特に円盤内の電子機器が手を翳すことで作動したり、光の明滅によってロボットに命令を下すことがしたりできる点が非常にリアルだ。現代の視点で見れば電波が用いられていないのが不思議だが、二つの技術はどちらも現代の技術で実現可能な部類だ。的確に未来の技術を予測した設定だと言える。
     映像は特撮技術を用いつつ、小道具の数々が光る。洗練されていて考察の深さもあって古さを感じない映像だった。
     総合的に見て面白い映画ではあるが、クラトゥの警告の内容が現代的にはある種ありきたりなのが残念だった。冷戦下の状況を鑑みれば様々な意味を持つ警告なのだろうが、あくまで一映画として評価すると、新鮮味がないのは否めなかった。

    キャラクター:☆☆☆☆☆
    ストーリー :☆☆☆
    世界観   :☆☆☆☆☆
    テーマ   :☆☆☆
    映像    :☆☆☆☆☆
    台詞    :☆☆☆

  • 地球上の機械を全てを同時に止める技術がありながら、銃にはなす術もなく斃れる宇宙人のおはなし。
    少年との友情とか、科学者との会話とか、すごくいい。その辺りがもっとストーリーに絡んでくれば良かったのに。

  • 古典的なSF映画だからあまり期待してなかったのですが、UFOやロボットの造形は言うまでもなく、脚本・演出がとてもしっかりしている作品で、今見ても十分面白い。ヒロインの恋人がとっても下衆な感じなのもいいですね。地球が静止する瞬間、どこの国でも昼間なのには苦笑したけれども、ちゃんと飛行機や病院は例外にしているところもよかったです。

  • 物語がストレスなくいい感じに進むと感じるのは、それぞれのパートに費やす時間のバランスがよく、しかも中間で大停電という最大の修羅場をそれまでと違うワールドワイドぽさを出して観てる者の意識をUFO襲来以来再び高めてくれるという、ロバート・ワイズがやるとB級SFも上品な映像作品に(^o^) 話では、「外に攻撃を向けてはいけない」という最後の警告がまさに現在進行形で行われたことに最大のアイロニーがあるのでは。あの無能彼氏も相当やばいな。そしてこのロボといえばリンゴ・スターのジャケット。

  • よくわからんところがいいと言われればそうなのかもしれない。
    最後の方が尻つぼみなのは、
    たぶん人類(当時)の想像力の限界かと思われる。

    久しぶりにマザーがやりたくなった。

  • ▼キャスト&スタッフ
    出演: マイケル・レニー, パトリシア・ニール, ビリー・グレイ, サム・ジャッフェ, ヒュー・マーロウ
    監督: ロバート・ワイズ

    ▼ストーリー
    宇宙からの来訪者クラトゥは、全銀河系の要請として地球上の暴力的闘争の即時的中止を勧告するために銀色のロボット、ゴートをひきつれてワシントンに飛来、合衆国大統領との会見を申し込むがあえなく拒絶される。彼は暴力には否定的だが、強力な力を持っている事を示すため、30分間だけ地球の機能を静止させた。地球の静止する日である。しかし、クラトゥを危険視した地球人は軍隊を派遣して射殺してしまう。物言わぬ巨大ロボット、ゴートが怒って暴れ出し、クラトゥの死体を持ち去るが……。(amazonより抜粋)

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