暗黒街のふたり ニューマスター版 [DVD]

監督 : ジョゼ・ジョヴァンニ 
出演 : アラン・ドロン  ジャン・ギャバン  ミムジー・ファーマー  ミシェル・ブーケ 
  • video maker(VC/DAS)(D)
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4523215037365

感想・レビュー・書評

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  • テレビ放送されていたので何となく見てみた。
    ジャン・ギャバンとアラン・ドロンの共演で、「暗黒街のふたり」という題名から、
    またしても二人でギャングやってまたしても最後に破滅するパターンだな、と思って観たら全く予測と違ってちょっとびっくりした。

    ≪以下、ラストまで完全ネタバレしております≫

    まずはジャン・ギャバンが登場。彼は保護監察司のカズヌーブ。
    静かにしっかりと歩くカズヌーブのモノローグから映画は始まる。「フランスでは死刑執行用のギロチンが2台ある。1台は○○(地名)、もう1台はフランス国内を移動している。」「法は寛容であるべきだと思っていたが、今回の出来事はあまりにも無残で私は法に失望を感じている」
    つまり映画としては、すべてが終わってからのカズヌーブの語り。

    さて。
    カズヌーブは刑務所を周り囚人と面会して社会復帰の可能性のある囚人を早期出所させるよう刑務所に働きかけている。今回出所させたのは銀行強盗で10年間服役していたジノ(アラン・ドロン)。
    ジノは彼の帰りを待っていた妻のソフィーの元に帰り静かに暮らし始める。ジノの銀行強盗仲間たちが彼の出所を聞いて仕事の誘いを持ってきたが、それも拒み社会復帰を目指すジノだったが、不幸な事故により妻ソフィーが死んでしまう。
    カズヌーブとその家族の友情によりなんとか立ち直ったジノは、田舎の町で仕事も見つけ経営者とは友人付き合いができ、新しい恋人のリュシーとの生活を始める。
    しかしこの街にはかつてジノを逮捕したゴワトロー警部がいた。
    ゴワトロー警部は、ジノを「決して更生などしない根っからの犯罪者」といい、執拗に追い掛け回す。そのあまりの執拗さに、ジノはついにゴワトロー警部を殺してしまう。

    裁判は最初から結果が決まっていたようなものだった。
    裁判官はやる気が無く、陪審員は居眠り、傍聴人は喪服で座るゴワトロー警部の遺族に同情的。
    保護監察司カズヌーブ、恋人リュシー、ジノの勤め先の主人たちの証言はほぼ無視され、弁護士の熱弁「犯罪の多くは不幸なすれ違い。任務に熱心過ぎる警察官からくる不幸もある。ギロチンという名の殺人に手を貸さないでほしい」…も空しく響くだけ。

    そして死刑執行。
    映画ラストはギロチン光景がかなり簡素にしかししっかりと描かれている。
    カズヌーブたちが見守る前で、ジノは白いワイシャツに着替えると、質素な部屋に連れられ後ろ手に縛られ簡素な椅子に足を縛り付けられる。
    白いワイシャツの襟周りを鋏で切られ、肩が露わになったジノを立ち上がらせて振り向かせると、聳えるようにギロチン台。
    孔のところに引っ立てられ、首を固定され、刃物を釣りあげていた紐が斬られると刃物が落ちてきて、終了。


    ***
    映画公開は1973年、フランスの死刑制度廃止は1981年らしい。
    フランス革命以来フランスでの死刑方法はギロチンのみ。
    フランス文学者が「以前フランスに行ったとき、『公開ギロチンがあるから見に行こう』と誘われたがさすがに断った」(今調べたら1939年まで公開していたようだ)を読んだことを思い出しました。

    フランス映画、ジャン・ギャバンとアラン・ドロンの組み合わせ、冒頭のジャン・ギャバンの独白で始まってすぐから破滅しか想像はできませんでしたが、
    良いか悪いかは別として映画としてはなんというか…「びっくりした」。

  • マフィア映画ような邦題ですが、内容は「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のような鬱映画だっったのでびっくり。

    保護司が主人公という映画は珍しい。ジャン・ギャバン演ずる保護司は、アラン・ドロン演じる元強盗犯の更生を信じて懸命に支えるが、愛する妻を失ったことがケチのつきはじめで、執拗に追い回す憎らしい刑事と昔の仲間のせいで、再び転落してしまう。そして行き着く先がギロチンというのもショック。フランスでは1970年代までギロチンを使用していたとはね…。ふー、落ち込むわ。

    それにしても、BSプレミアムのアラン・ドロン特集で放映された3作(あとの2作は「太陽がいっぱい」と「冒険者たち」)はすべてバッド・エンディングだったなぁ。これはドロンのまとう「哀愁」のなせる業なのかな。

  • 銀行強盗を首謀して10年の刑に服したジーノ(アラン・ドロン)。社会復帰に前向きな保護司(ジャン・ギャバン)のもと新たな生活を始めるが、昔の強盗仲間と、犯罪者の更生を否定するコワトロー刑事によって追い詰められてゆく。

    前半は保護司や保護司の家族、勤める印刷所の社長など更生を応援する人々がいるが、更生を信じないコワトロー警部が登場する後半からは見ているのがつらくなる。

    警部も更生できない犯罪者ばかりをみていると、更生は全否定となるのか・・
    最後もギロチンがくっきり映され、陰鬱になる。

    アラン。ドロンを追い詰めるゴワトロー警部がまあ憎たらしい顔だ。首を絞められていい気味と思ってしまったのは私だけ?

    妻が死んだあとに借りた部屋が広くてしゃれていた。2LDKってとこだろうがなにせ一部屋の面積が広い。

    同じジャン・ギャバンと共演の「地下室のメロディー」とは大違いの重い映画だった。

    1973フランス
    2018.9.29BSプレミアム

  • うん…私、知ってるんだ…。
    アラン・ドロンは最近のディカプリオより更に高い確率でバッドエンドの役だって…。
    知っていたし冒頭からああこれ絶対助からないパターンだ…とは思ったものの、やっぱり哀れ。
    刑務所を出た前科者が、更生して生活しているにも関わらず、彼の更生を信じない刑事や昔の仲間に陥れられて行く話。
    誰も信じてくれないよりも、ほんの数人ではあるけれど信じてくれる人がいて、それでも救えないという状況の方が、もしかしたらキツいのかも知れないと思った。
    父のように見守るジャン・ギャバンの演技が真に迫っているのでよりシビア。

  • 「贖罪の街」の原作

  • 思いのほか、重い映画でした。
    考えさせるなー。

  • 1973年 フランス
    原題:Deux hommes dans la ville
    監督:ジョゼ・ジョヴァンニ
    出演:アラン・ドロン、ジャン・ギャバン

  • 銀行強盗犯として十年服役して仮出獄した男の社会復帰を許さない、都市の偏見と闇を重厚なタッチで描いた、ジョゼ・ジョヴァンニ監督の傑作。
    出演はアラン・ドロン、ジャン・ギャバンなど。

  • 1973年 フランス
    「法は正義と寛容であるべき」

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