道【淀川長治解説映像付き】 [DVD]

監督 : フェデリコ・フェリーニ 
出演 : ジュリエッタ・マシーナ  アンソニー・クイン  リチャード・ベースハート  アルド・シルヴァーナ 
  • IVC,Ltd.(VC)(D)
4.09
  • (50)
  • (33)
  • (28)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 219
感想 : 39
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4933672236452

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なんか、しみじみ沁みる映画やねぇ。
    主演女優が実に実にいいっ。
    大道芸をしながら旅をする、ロクデナシのザンパノと、純真なジェルソミーナ。
    届かぬようで、届いていた思い。切ないねぇ…。
    ハリウッド単純映画大好き人間なんで、フェリーニの映画なんぞ理解できんと思ってたわ。むかーし観た、「8 1/2」もわけわかんなかったし。

  • 『道』はねー、もう泣いたことしか覚えてないくらいに泣いた。友人としゃべって「え、泣く?」って言われて「え、泣かんの?」って言った思い出。もうこの写真の鼻に塗布(ピエロ的な)だけで泣けますよ。私は。


    何故5じゃないかというとラストで幸せになって欲しかったから。心から。

  • 役に立ってない人は
    この世にいない!!


    素晴らしき哉、人生という映画が大好きな僕。


    この映画からも、同じメッセージを感じた。


    ただ、哀愁漂うラストに
    アメリカ映画とイタリア映画の感性や表現の違いを感じた。

    僕ならこのメッセージを
    どう表現するのかな。

  • フェデリコ・フェリーニ。
    この巨匠の映画は観たことがなかった。
    初フェリーニがこの「道」

    白黒、古い、巨匠ということでの押し付けがましさみたいなハードル・・・
    色々となんとなく手に取るのに躊躇させていた作品。
    (ビリー・ワイルダーの時もそうでした)

    絶妙な加減で描かれる人間と展開。
    この手のテーマの映画を安易に人の一生と重ねあわせるのは
    余りにもステレオタイプな感想ですが
    タイトルが「道」ですし、ちょっとオーバーラップしちゃいます。

    道。
    意思とは関係なく後戻りできない一本道。
    良いパートナーと歩めないことだってある
    でも一緒にいるしかない。
    なんの役にも立たないパートナーと思っても
    「一緒にいる」ことがどれ程大切なことか、いなくなるとわかる。
    そして悲しくも遠ざけてしまう理由は自分で作ってしまう。

    ザンパノの声、ジェルソミーナの顔、トランペットの旋律・・・
    胸に残る名画でした。
    巨匠といわれるだけの所以は確かにありました。

    ラストのシークエンスのどうしようもない切なさが
    脳裏に焼きついています。

    良い作品ですから、時間のあるときに
    「やっつけ」で観ないことをオススメします。

  • "ローザが死んだ"

    この一言から物語は始まる。
    ジェルソミーナは一家の長女でありながら、知恵遅れのため、働いたためしがない。しかし、ローザ亡き今、家族を養うため、彼女は旅芸人のザンパノと共に旅に出る決心をする。

    道中の彼女は新しい世界の発見に喜びを感じているように見受けられた。
    それまでは故郷の家族の中という、狭く、ある意味画一的なコミュニティの枠組みでしか生きてこられなかった。その彼女が粗暴なザンパノの振る舞いや、厳しい芸の仕込みに辟易、苦心しながらも、外の世界や人との触れ合いの中で生きる喜びを見つけていく。


    『私は何の役にも立たない。
    生きてることがイヤになった。

    私はこの世で何をしたらいいの―――。



    ザンパノは惚れてるんだ。

    お前以外に誰が奴のそばにいられる?


    この世の中にあるものは何かの役に立つんだ。

    こんな小石でも何か役に立ってる。
    これが無益ならすべて無益だ。


    お前だって何かの役に立ってる』


    口八丁の軽い男だと思っていたが、イルマット、イイ奴じゃないか(笑)。
    ここで彼から小石を受け取った後のジェルソミーナの生き生きとした表情、セリフがとても印象的。
    しかし、そんなイルマットが喧嘩の末、ザンパノに殺されてしまい、ジェルソミーナは心を閉ざしてしまう。

    自分が初めて愛した人が、自分の最初の友人を殺してしまった―――。

    別れのシーン。
    ここでザンパノがラッパを残していったのは、彼なりのせめてもの慈悲か、それとも純粋なる愛情からか・・・。


    "ジェルソミーナが死んだ"

    それから数年後、ザンパノはとある海辺の町でその訃報を知る。
    失ったモノの大きさに気付き、波打ち寄せる砂浜で、独り嗚咽を漏らすザンパノ―――。



    ジェルソミーナの歩んだ道。
    ザンパノの選んだ道。
    彼は責められないだろう。
    旅芸人。その日暮らし。食うため。生きるため・・・。
    でも・・

    大切なモノの大きさは失った時に初めて気付く。
    そして、それは失ってからではもう遅い。

    そういうこと。
    最低限の材料でここまで良質な作品に仕立て上げるとは・・・。
    まったくムダがない。
    個人的には鑑賞後、冒頭の"ローザが死んだ"の部分にまた繋がってくる。


    「ローザはなんで死んでしまったのだろう?」

  • 前に一度テレビでやっているのを見た。その時は有名な作品だということも知らず劇的なことも何も起こらないのに、ついつい最後まで見てしまった記憶がある。そして今一度見てみても、やっぱりその印象は変わらない。

    旅芸者のザンパノに買われたジェルソミーナ。旅をしながら芸を教わる。
    ザンパノはふたりの関係を夫婦と称しながら、ジェルソミーナに手を出さない。
    彼女は自身に価値が見いだせず、逃げ出すがザンパノに連れ戻される。

    いいや、やっぱりよくわからないな。
    あとジェルソミーナ普通にかわいいと思うんだけど。

  • 人の役に立てない、力がないということは孤独だ。言い換えれば人を笑わせられない道化。言い換えれば人に懐かず吼えてかみつく犬。修道院でのシスターの習慣「二年ごとに土地を移る。その土地に愛着が湧いてしまうから」。これは象徴的な言葉だ。タイトルが『土地』ではなく『道』なのだ。

  • 不朽の名作、というだけあってすごく良かったです。ジェルソミーナとザンパノ二人の心模様が交錯する会話シーンは本当によかった。昔の映画って一番言いたいことを言葉にしないから観賞しがいがあるというか、見ごたえがありますね。

  • イタリア映画界の巨匠フェデリコ・フェリーニ初期の部類に属する名作。
    BRUTUSの「泣ける映画」でも第1位だったので、見てみたかった作品。
    頭の弱いジェルソミーナと、そんな彼女をお金で買った大道芸人ザンパノとの人生の物語。
    虐げられてもザンパノを慕うジェルソミーナ。しかし、ザンパノが青年を殺してしまったことから、事態は変わっていく…。
    美しい心をもつジェルソミーナは何度も夫を信じ、その度に裏切られる。
    ベネチア映画祭ではサンマルコ獅子賞に輝いた。アカデミー外国語映画賞受賞作。

    映画はモノクロで、日本で始めて公開されたイタリア映画だそう。
    演技も映像も音楽も、どれもシンプルなのに、シンプルだからこそ、映画の主題がグッと胸にせまってくる。
    人はどんな道を歩んでいくのかー。
    ジェルソミーナが純粋すぎて、汚れた自分の惨めさが際立つようで、見ていて痛かった。
    ザンパノもどうしようもないやつだったけれど、苛立ちのなかで、どうすればいいのかわからなかったんだろうな。
    きっとジェルソミーナに優しくしたかったのに。そうすることでザンパノ自身が救われる部分もあっただろうに。
    けっきょくそんな自分をもてあまして、そんな自分に耐え切れなくなって、ザンパノはジェルソミーナを捨てていってしまう。
    そして数年後、彼女が死んでしまったことを知る。泣き崩れるザンパノ。

    後悔とか反省とか、そんな単純な言葉じゃない溢れる感情に押しつぶされてしまうよ。
    どうしていいかわからない感情が全編を覆っていて、単純な感動ではない感情が溢れている作品。
    大道芸人と白痴という設定は、現代では無理だろうな。
    ジェルソミーナというイタリア語の響きは、まるで悲しい歌を歌っているみたい。

    はぁ。よい作品でした。

  • バンクーバーオリンピック銅メダリスト、
    高橋大輔選手のフリー演技で一躍有名に。

    イタ語の勉強にもなるかなと観始める。

    あ~、さすがイタリア映画。
    辛いわ~重いわ~苦しいわ~切ないわ~

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×