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- / ISBN・EAN: 4935228093533
感想・レビュー・書評
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2008年公開のイギリス映画。スラム街で育った少年が億万長者の夢を乗せてクイズに挑む。しかし史上最高額を賭けたあと残り一問で不正の疑いをかけられ…。監督は『トレインスポッティング』『普通じゃない』のダニー・ボイル。アカデミー作品賞、監督賞を含む最多の8部門を受賞。いやぁ〜これは文句ナシの傑作ですね!観賞後の爽快感ったらないです。どんな困難にも打ち勝つエネルギーを貰った気分。脚本、構成、アイデアの勝利かな。インドのリアルな現実を描きつつ、ダニー・ボイル監督お得意の疾走感溢れる映像で、ラブストーリーや兄弟の絆をも絡めながら、飽きさせることなく一気に最後まで魅せてくれます。どうでもいい時間なんかこの世にはなくて、生きていく上で経験する様々なことに無駄なことなんて何ひとつないってことを、説教じみることなく気付かせてくれる。言葉や理念の上ではなく、物語のチカラで理解させてくれる。映画が好きで本当に良かったって心から思える素晴らしい作品です。音楽も秀逸でラストのダンスにはシビれました(笑)!
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舞台はインドだけれど、制作はイギリスとアメリカなのね。
いい映画だったなー…。見終わった後、どっと疲れたけど。ダンスシーンで心底ほっとした。インドには絶対に行かない。
ラティカが顔を傷つけられるシーンでは、鼻と耳を切り落とされた女性の写真を思い出した。彼女はインドの人ではないけれど。確かその写真が、何かの賞をとってなかったっけ。
ハッピーエンドを迎えられないジャマールとラティカは、この世界にどれくらいいるんだろう。 -
原作「ぼくと100ルピーの神様」を読んだのがだいぶ前なので内容を正確に思い出せないものの、映画版は大幅に内容が違うので驚いた。
生まれた国、生まれた時代、生まれた家庭、性別。
圧倒的な格差社会のなかで絶望するような現実に向き合って生きていく子供たち。
原作のほうが好みかなぁ。 -
5回位見てるけど最後はいつも号泣してしまう。貧困、純愛、兄弟愛。
最初はサリームがちょっと憎いけど、何度も見てるうちにサリームがいなかったらジャマールは弱過ぎて生きていけなかったんじゃないかな…と。結局全てサリームに助けられてたし。
最後の三銃士、カンかよwと突っ込みいれたくなったけどエンドロールのはじにD:It is written(運命だった)って書いてあったのを見てまた号泣。
最後はインド映画?らしくダンスだったw -
【ストーリー】 (Amazonより)
全ての答えの裏側にインドを疾走する彼の人生があった。
一問正解するごとに近づいていく、運命の恋。
必ず、君を見つけ出す――。
運じゃなく、運命だった。アジア最大のスラム街・ムンバイで育った少年ジャマールは、世界的人気番組「クイズ$ミリオネア」にて 一問を残して全問正解、一夜にして億万長者のチャンスを掴む。だが、無学な彼は不正の疑いをかけられ、番組の差し金で警察 に連行され、尋問を受けることになってしまう。
彼は一体どうやって全ての答えを知りえたのか?そして、彼がミリオネアに挑戦した本当の理由とは―?
奇跡のようなお話。
それより、私はインドのスラムに対しての驚きの方が大きかったです。
10年前の映画なので現在はまたどう変わっているのかよくわかりませんが...私が世界のことを知らな過ぎるのか...
日本の今の時代に生きていて ボケているのかなと思わされました。 -
アカデミー賞8部門受賞作。
脳裏にみのさんの顔がチラついて仕方がない作品。 -
不幸の詰まった映画だった。一つ一つの答えに、不幸が。
いや、不幸という言葉で果たして適当か・・・。
不幸では足りない、悲しみでも足りない、PTSDという言葉では冷たい感じがする・・・。一番近いのは絶望か・・・。いずれにしろ、一言では片付けられない、重みを持っていた。
クイズ・ミリオネアと言えば、聞こえはいい。クイズを軸にしたおかげで映画のテンポもいい。しかし、これはエンターテイメントをうまい隠れ蓑にした、社会告発のルポルタージュではないか?貧困がもつ絶望的状態を余すところ無く描いている。
ハッピィエンドなのだが、実は、ハッピィじゃないことが言いたい巧妙な作り手と見た。
最後に、ジャマールがラティカの顔の傷にキスをするシーンがある。これだけで十分に感動的なのだが、さらに奥深いところでは、インドのような格差社会で、不幸を受け入れて生きていく、しなるような強さを象徴していると思えた。
率直な感想としては★4つなのだが、最後のダンス・シーンが良かったので、+★1つして、満点。 -
こないだBSPでやってたの何となく見ていたら、おもしろくて最後までちゃんと見てしまった。
ミリオネアのあの音楽とか演出とか懐かしいね。
番組の進行と過去と現実とうまく合わさって、貧しい少年が億万長者になる以上のカタルシスがある。 -
インドのスラム街で育った兄弟を通して、インドの闇の部分に触れた気がした。孤児となった二人が必死に生きていくのだが、どんどん深みにはまっていく兄と、まっとうに生きようとする弟が対称的だった。
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立川シネマシティで『スラムドッグ$ミリオネア』を観た。
言わずと知れた、今年度アカデミー賞最多8部門(作品賞、監督賞含む)受賞作である。
じつによかった。ストーリーがまるで一本の太い動脈のよう。少しも脇道にそれず、ラストシーンに向かって一直線に熱い血潮を運んでいく感じなのだ。
観る者を気持ちよくだましてくれる、大人のためのおとぎ話――。
社会性と娯楽性がハイレベルでせめぎ合い、両者のちょうど真ん中でピタリと針が止まっている。
主人公たち――ムンバイのスラムの子供たちの人生は、この映画に描かれている程度には過酷なのだと思う。つい数日前にも、こんなニュースが飛び込んできた。
《[ムンバイ 20日 ロイター] インドの警察当局は、映画「スラムドッグ$ミリオネア」に出演した女児を、父親が20万ポンド(約2800万円)で売ろうとしたと疑いで捜査をしている。
同映画でヒロインの幼少時代を演じたルビーナ・アリちゃん(9)は、父親と義母とともにスラム街で生活しており、家族に高額の養子縁組を持ちかけた英タブロイド誌ニューズ・オブ・ザ・ワールドのおとり取材は、インドでも大々的に報じられた。この報道を知った母親が19日、警察に届け出たという。》
インドの超・下層社会の現実を直視しつつ、ダニー・ボイル監督は持ち前のポップなセンスで、物語を極上のおとぎ話として織り上げていく。映像自体が心地よい音楽のようで、うずたかく積み上がるスラム街のゴミの山すら、スクリーンの中ではいきいきと美しい。
ストーリーについては、すでにさんざん各メディアで紹介されているので、ここでは触れない。
誰もが知る人気テレビ番組(日本版は、みのもんたの司会で知られた『クイズ・ミリオネア』)を、こんなふうにストーリーに織り込むアイデアがすごい(原作はヴィカス・スワラップの小説『ぼくと1ルピーの神様』)。
「あんなに都合よく、主人公の人生に重なる問題ばかりが出るわけがない」と誰もが思うだろうが、思うだけにとどめよう。口に出すのは野暮というものだ。これはおとぎ話なのだから……。
何より素晴らしいのは、観る者に希望と勇気を与えるおとぎ話である、という点だ。こんなふうにシンプルで力強い映画こそが、数十年後に古典として残るのだろう。