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- / ISBN・EAN: 4988135804846
感想・レビュー・書評
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南カロライナ州の合衆国海兵隊新兵訓練基地。ヴェトナム戦争のさなかの今日も、これから8週間の地獄の特訓を受ける新兵たちが入隊してきた。ジョーカー(マシュー・モディン)、パイル(ヴィンセント・ドノフリオ)、カウボーイ(アーリス・ハワード)といった面々だ。彼らは早速頭を丸刈りされ、整列させられて、鬼のような訓練教官ハートマン(リー・アーメイ)からウジ虫呼ばわりされ、厳しい訓示を受ける。実際訓練は苛酷で厳しいもので、しかもハートマンは容赦なく彼らをシゴく。
特に何をやらせてもノロマで不器用なデブのパイルはシゴきの対象とされ、あげくはパイルのミスのとばっちりが他の訓練兵に及び、仲間からもリンチにあう。
そんなパイルをジョーカーは精一杯かばうのだが、パイルは徐々に精神に異常をきたし、目つきも変わってくる。遂に卒業前夜にトイレで狂気が爆発、ハートマンを撃ち殺し、自らも銃をくわえて絶命する。時が過ぎた。
新兵たちも一人前の海兵隊員としてそれぞれの部隊に配属されており、ヴェトナム戦線も終盤に近づいた1968年1月、ジョーカーはダナン基地において報道隊員として比較的のんびりとした生活を送っていた。
だが北ヴェトナム軍の激烈なテト(旧正月)攻撃が始まり、ジョーカーは純真なカメラマンのラフターマン(ケヴィン・メジャー・ハワード)とともに最前線のフエ市へ向かう。そこではタッチダウン軍曹(エド・オーロス)の指揮のもと、自らを殺人機械として自負するアニマル・マザー(アダム・ボールドウィン)や黒人のエイトボール(ドリアン・ヘアウッド)、クレイジー・アール(キアソン・ジェキニス)といった兵隊たちが集まっていたが、そこでジョーカーはカウボーイと感動の再会をする。それもつかの間、彼らは銃火の真っ只中に。前線を偵察中、対面の廃ビルにひそむ凄腕の敵の狙撃兵にやられ、エイトボールやドク(ジョン・スタフォード)が撃たれ、カウボーイも撃ち殺される。
決死の復讐を誓ったアニマル・マザーやジョーカーは廃ビルに侵入、狙撃兵を撃って瀕死の重傷をおわせるがまだ年端もいかぬ少女兵であることを知って呆然とする。
「私を…撃って」と嘆願する少女兵を狙って、ジョーカーは震える指先で銃の引き金を引き、とどめを刺す。
夕焼けの戦場。兵士たちはミッキーマウス・クラブの歌を唱和しながら前進を続ける。
ジョーカーの独白が重なる。“俺はまだこのクソ地獄にいる。しかし、生きている。除隊も近いだろう……”と。
ベトナム戦争を舞台に、殺人兵器へと変貌していく新兵たちの狂気と、報道記者の視点から戦争の日常の中にある狂気を描いた、スタンリー・キューブリック監督が贈る異色の戦争ドラマ。
罵倒や虐待すれすれの厳しい訓練によって人間性を剥ぎ取られていく前半が、この映画の見所です。
ハートマン軍曹は新兵に「お前は兵器」ということを叩き込む。
感情も何もない冷酷な兵器と人間が変化する戦争の狂気を描いた戦争映画の傑作です。 -
「何度見ても分からない」
混沌としたとしか言いようのない戦争
何が正義なのか何のために多くの命が消えていったのか
まるで意味が分からなくなる
ベトナム戦争を知れば知るほど分からなくなる
でもきっと戦争なんて全部意味がないのかも
人は戦争という場があれば公に人殺しができる
きっとそれが好きなのだろう、一般人を学校へ放り込みあらゆる方法で慈しみ痛みや悲しみを消し去り人を殺すマシーンを作り出す、ホントにこんな事があったのだろうか
世界のどこでもこんな事があるのだろうか、信じられない
日本は武士道を利用して兵士を教育してたように思いますがアメリカの場合は何を使ってだのだろう
恐怖を植え付けて殺人はいい事だと錯覚させるマインドコントロールなのだろうか
人は賢いのか賢いアホなのか分からないですが地球上からいさかいは無くならないでしょうね
だって人なんだから
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採用されたばかりの18歳自衛官が訓練中に無差別発砲。2人が死亡。
このニュースを知って、真っ先に思い出したのが、1987年公開のスタンリー・キューブリック監督作品の「フルメタル・ジャケット」だ。当時、大量に作られたベトナム戦争映画の中では誰もが知る名作中の名作。久しぶりに鑑賞したが、シンプルなストーリーで、余計な政治的なイデオロギー表明もなく、戦争映画として純粋に面白い。もちろん、戦争が面白いという意味ではない。
前半はハラスメント丸出しの鬼教官と、そのターゲットとなった愚鈍な訓練生とのエピソード。後半はベトコン狙撃兵と青年兵軍団とのエピソード。どちらも、1発の弾丸「フルメタル・ジャケット」がその終止符を打つ。
戦術核だの、特攻ドローンだの戦争は進化しているが、結局、戦争というのは人間が人間に向けて銃を撃つこと。それに尽きる。 -
まず、カメラワークが最高。
さすがキューブリック!という感じ。
そして最後にスナイパーを見つけた時の、軍人たちの表情、辛さ、躊躇い、あんな最後の数分でそれを表現できるキューブリックは、やっぱり天才です! -
スタンリーキューブリックで一番好きだ。
激しく悲しく強く美しい、そしてユーモアすらもある。 -
兵士になる訓練を描いた前編とベトナム戦争現地での戦いの場を描いた後編。
どちらの終わりも印象深いものがあり、1本の映画にして2本分の内容が詰めこまれているといっても過言ではない。
非日常である訓練や戦場の場では、愚直に任務を遂行し殺戮するのが目的となっていく。
初めは人を殺すことのなかった人たちも、いざ自分が追い込まれたらどう変わっていくのか、まざまざと見せつけられた。
それぞれがどのように戦争に参加し、何を思いながら突き進むのか、これを見た人が何を思うのか。 -
最初から最後まで、
何をやっているんだという感覚でひんやりする。
それこそがキューブリック監督の狙いなのだろう。
ミッキーマウスの悪夢。 -
バリカンで丸刈りに ユング ベトナム戦争 北ベトナム軍の精鋭 ベトコン 地獄 ペロペロ頑張るベトナム娼婦 オーバー ようやく貴様の長所を見つけた 精神崩壊のデブ教官を射殺 銃を恋人のように愛撫する カメラを盗まれる
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前半では過酷な新兵訓練が、後半ではベトナムでの戦闘が描かれる。訓練所のトイレでのあのワンシーン(ネタバレになるので書かない)があまりに強烈で、後半の市街地戦を観ていても全く迫力というものが感じられない。ハイライトを早く持って来すぎだと思う。音楽が地味にかっちょ良い。