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- / ISBN・EAN: 4988707567988
感想・レビュー・書評
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『誰がため』[Flammen & Citronen] (2008)デンマーク
“1944年、ナチス・ドイツ占領下のデンマーク・コペンハーゲン。23歳のフラメンこと、ベント・ファウアスコウ=ヴィーズと、33歳のシトロンことヨーン・ホーウン・スミズの任務は、東部戦線で訓練を受けたドイツ軍の軍服を着た売国奴のシャルブルグ隊、新聞でプロパガンダを謳うナチのブン屋などのナチスに協力する売国奴の暗殺だった。
ある日、警察法務官で警察内の極秘連絡網に通じイギリスから指示を受けていると言われてる上官アクセル・ヴィンターから、ドイツ軍情報機関の将校2人と秘書で作家のエリザベス・ロレンセンの暗殺を命じられ、その場で“ギルバートとは、話をするな”と念を押すヴィンターに、フラメンは懸念を抱く。
ドイツ軍大佐ホルスト・E・ギルバートの自宅を訪ね、本人と会話をしたフラメンは任務遂行を躊躇いそのまま逃走、その足でもう一人防諜部のヘルマン・サイボルト中佐の暗殺に向かうが、いつもの冷静さに欠けたフラメンは標的に命中させるも致命傷にはならず自らも被弾し重傷を負ってしまう。
そのため、今まで運転手に専念し直接人を殺したことがなかったシトロンが、ギルバート暗殺を決意し実行する。
ようやく傷の癒えたフラメンはヴィンターの運び屋ケティ・セルマーと知り合い、彼女の口からヴィンターはナチや裏切り者の暗殺に紛れ込ませて、自分に都合の悪い人間の殺しを二人にさせていたのだという…”
原題の“Flammen & Citronen”は“炎とレモン”の意味で、主人公二人のコードネーム。ベントの髪は元々ブロンドだったのを、色を変えて変装しようとしたが失敗して派手な赤毛になったことから、コードネームが“フラメン:炎”。
ヨーンは、フランスの自動車会社シトロエンの修理工場で働き、そこで破壊活動を行なったことから“シトロン”になったとか。
とにかく渋い映画、ナチス・ドイツ占領下のデンマーク・コペンハーゲンの様子がよく伝わってくる。占領下といえども、アドルフ・ヒトラーがデンマークを同じゲルマン民族の国家と見ていたため、ポーランドなんかと比べればはるかにゆるいように見える。
ベントが暗殺に使っていた銃は、ハンマーレスのオートマチックということと、形状から、ベレッタM1915と断定。間違ってたら御免なさい。
ベレッタM1915は、ベレッタ初のセミオートマチックピストルで、ピストル不足に苦しんでいたイタリア軍はさっそくこのベレッタM1915(Beretta M1915)を採用。
口径は9mm、弱装弾の9mmグリセンティ弾を用いる。共通性の高いパラベラム弾を使えないのは、強度的に問題があるのでしようがないとしても、初挑戦としては仕方のないことなのかもしれない。
スライド上面は前1/3が大きく開かれ、バレルが露出している。これは後に作られたベレッタ・オートマチックピストルの殆どに共通する特徴となっている。
とはいえ、エジェクション・ポートは単独で開かれ(後のモデルでは一体化)、スライド上面の切り欠きとは別になっている。フロントサイトはバレルに直接取り付けられている。
ヨーンの銃、ルガーP08にしてはバレルが長いことからP1904と断定。海軍採用の6インチバレルモデルで、一般的なのは4インチバレル。
ルガーP08は、ヒューゴ・ボーチャードが開発した大型拳銃ボーチャードピストルを原型にゲオルク・ルガーが改良・開発したドイツ製自動拳銃。“P08”はドイツ軍での制式採用名である。口径は9mmで、9mm×19パラベラム弾を使用。装弾数はシングルカラム・マガジンによる8+1発である。支点で二つに曲がって伸縮する独特なトグルジョイント機構の動きから尺取虫という通称で、32発の多弾装マガジンがスネイルマガジン、つまりカタツムリと虫づくし。
ベントとヨーンの顛末は想像できたものの、結末には少々唖然。それにしてもこの邦題、『誰がため』って、“だれがため”って読むの? それともゲイリー・クーパーの名作『誰がために鐘は鳴る』(たがためにかねはなる)みたいに“たがため”? どっちなんだろう?? -
デンマーク出身のトゥーレ・リントハートが主演するデンマーク映画。童顔なのですが、よく見ると彫りの深さを感じ年なのかなと思って調べてみるとやっぱり40を超えたいい年なのだが、劇中で見る問い鶏の青年にしか見えない。
この作品で違和感というか驚いたキャストが一人いた。監督も監督かもしれないが、受ける方も受ける方なのか、それとも純粋な役者馬鹿なのかなと思いつつ、迫真の演技を見やった。ゲシュタポのボスのホフマンを演じたクリスチャン・ベルケル!彼は軍服の似合う男というかベルリン生まれの為か「ワルキューレー」や「ヒトラー最後の12日間」などでも親衛隊などのナチ役を演じきっているのだが、彼の母親はユダヤ人で戦時中は迫害から逃れるためにフランス、アルゼンチンと亡命をしてきてその後ドイツに帰ってきた経歴を持つ。クォーターになるのかな?その辺から考えて生粋のユダヤ人のような気持ちはないのかなと考えられる。
まぁ~、でも心境は複雑なんですかね?
「誰がため」
https://www.youtube.com/watch?v=6lw0xznc3ok
北欧を舞台にして大戦映画の記憶は薄い。侵攻は知っているが、実際の話や映像は今まで触れたことがなかった。デンマーク、ドイツ、チェコの三国合作の子の大作を支えたのは間違いなくデンマークを代表するトリスタン…いや、マッツ・ミケルセンだろう。
切れ味鋭い表情でハリウッドデビュー後はどうしても悪役に起用されがちなのだが、今作では丸メガネをかけたどう見ても一般人にしか見えないレジスタンスを演じている。相棒に比べて腹の座りが悪いのかと思いきや、最後まで自分を貫いたミケルセン!やっぱりこの人好きだわ~! -
彼らは突然現れた。
ゲシュタポ、空軍、親衛隊、ドイツのナチ、そしてドイツに寝返った売国奴。
憶えているだろう?
俺たちが何のために戦ったのか。
俺たちが、確かに存在したこと――。
ただ、“生きる”ためなら降伏を、
だが、“存在する”ためなら戦いを――。
1944年、ナチス・ドイツ占領下のデンマーク・コペンハーゲン。打倒ナチスを掲げる地下組織ホルガ・ダンスケに属する23歳のフラメンと33歳のシトロンの任務は、ナチスに協力する売国奴の暗殺。
そのはずだった。
愛する家族、祖国のために任務を遂行する彼らを待っていた運命。それは組織の、家族の、恋人の無情な裏切り――。
そして真実を知った彼らの本当の敵は誰なのか?
――彼らの戦いは、誰のためのものだったのか。
正しく、意味はあったのか。
65年の歳月を経てよみがえる、かつての実在のレジスタンス組織と、ふたりの男たちのドラマ。 -
戦争映画かテロなのかドイツ軍関係を暗殺しまくるので新しく
テロのカテゴリーを作った、本当に誰のために、何のために
暗殺を続けるのか当人たちも解らなくなってしまった、悲劇 -
邦題の誰がため。まさに誰がためといった内容。よかった。
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孤立無援のレジスタンス。信じられるのはお互いだけ。
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第二次世界大戦時、ナチス占領下のデンマークが舞台の作品。
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当時、映画館で観た。
ふいに切なく思い出して登録。
シトロンとフラメンが原題。
誰がためってこの邦題は秀逸だと改めて思った。
あたし、むかしみた映画をこういうふうに突然、思い出したりするんだけど、題が思い出せなくて唸るのもしばしばなので。 -
第二次世界大戦中のデンマークでレジスタンスに身を投じたフラメンとシトロンの話。トゥーレ・リントハートの冷静な演技にひきつけられた。