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- / ISBN・EAN: 4522178008672
感想・レビュー・書評
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こどもの時に阪神大震災を経験し、今は東京で暮らすミカとユウジ。「追悼のつどい」が行われる前日、神戸で偶然知り合い、震災15年を迎える朝まで共に過ごす様が描かれている。ドキュメンタリーかと思うようなリアルな演出で淡々と進むロードムービー、観ている私も、彼らと共に夜を歩いているかのようだった。それぞれが、それぞれの傷を抱えている。深さも、辛さも、境遇も、今も当然違う。そんな当たり前のことに気付かされるのは、私が被災者ではないからだろう。歩を進めるにつれ、明らかになってゆく互いの癒えない傷、これまで背負ってきたもの、神戸への想い。ぽつぽつと話す行為が祈っているようにも見えて、終盤の公園のシーンでは涙ぐんでしまった。そして、それぞれが選んだラストシーンが秀逸だった。きっと、東日本大震災を題材にしたこのようなドラマ(映画)がそう遠くない未来に作られるだろう。過去を見つめることは、未来に繋がる。知らないことを知ることは、人生の糧となる。だからこそ、多くの人に観てもらいたい。観終わった後に誰かと語りたくなる、そういう映画を久々に観ることができた。明日は東日本大震災から丸2年、このタイミングで観れてよかった。
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サトエリの関西弁がどんどん自然になっていく。
不幸に法則ってないやん、逃げられへんやん。考えていく、ってことやと思うねん。
その言葉が印象に残った。
犠牲者何人、ていう風に災害の爪痕を測ることは出来ない。この映画の主人公たちのように、人生を揺さぶられた人はもっともっと沢山いるんだから‥。その人たちの記憶と一緒に、震災は今も未来に運ばれていく気がするのだ。
誰だって嫌なことは忘れて生きてきたい。でも、忘れられない、忘れちゃいけないことだってあるんだなぁと、改めて思った。 -
静かに泣いた。森山未來と佐藤江梨子の、演技に見えない演技がとても良かった。
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観るたびにとても動揺する。震源になりうる力を持ったドラマだ。
揺れに合わせて自身も揺れるのが免震であるように、この作品を見ると感情が揺れ動かざるをえない。大地は否が応にも揺れる。だから、ぼくも揺れる。揺れるから足も動く。だから歩く。歩くことは祈りであり、話すことは鎮魂だ。 -
シンプルなドキュメンタリー風の映像でたんたんと二人が歩いていくだけだが、進めば進むほど、歩けば歩くほど、震災によって溜まっていた気持ちが浄化していく様が素晴らしかった。
二人の語りは、もがきながらも前を向く同世代そのもので、一種のカタルシスを視聴者にもたらしてくれた。
東北大震災を経験した今こそ多くの人にみてもらいたい。素晴らしい作品だと思った。 -
スタートこそ「大丈夫かなぁ、これ……」と思わなくも無かったけれど、話が進むにつれて、どんどん物語の中に引き込まれてゆく。ぼくらは3人目の同行者となって、ただ目の前のふたりを見つめている。
15年。この作品が作られるまで、15年もの年月が必要だったんだね。街の現在と呼応して、星もろくに見えない夜空とふたりの息遣いが呼応してゆく、素晴らしい映画だった。
ただ、やっぱり最初がテレビスペシャルとして企画されたためか、画的にもっともっと良く撮ってほしかったところ、あったかも……。
そして、サトエリがよかった! -
阪神・淡路大震災から15年目の2010年にNHKで放送されたドラマの劇場版。
森山未来と佐藤江梨子(役名忘れたー)が、自宅のあった地区を目指して夜道を歩くドキュメンタリのような映画。
森山未来の考えていることが最初はよくつかめなかったんだけど、歩いていくうちに少しずつ伝わってきた。
あと、「神戸嫌い」と言ってしまう姿が痛々しかった。
でもほんわかするシーンもあって、暖かい気持ちになれる作品。
「タクシー乗る」と言い出す佐藤江梨子に森山未来が「歩くんでしょう」と前向き発言をしつつ、
それなのにやっぱりしんどいから放置自転車を借りようとして今度は逆に佐藤江梨子が
「ぜんぜん歩ける」みたいなくだりがかわいかったり、笑
泣けなかったり、辛いと言えないことのほうが重症。
良い映画でした。-
はじめまして(^O^)
フォローとハートマーク
ありがとうございます!
自分も阪神淡路大震災を経験してるし、
このレビ...
はじめまして(^O^)
フォローとハートマーク
ありがとうございます!
自分も阪神淡路大震災を経験してるし、
このレビューを読んで
共感したので
フォローさせてもら いました(^_^)
ブクログは
本が好きな
普段は出会えない人たちと
繋がることのできる場所だし、
いろんな情報交換していけたらと思っているので、
これからも
よろしくお願いします☆
また気軽に
絡んでいってくださいね(*^o^*)
2012/05/08 -
円軌道の外さん。
コメントありがとうございます。
共感していただけて嬉しいです。
誰かと繋がることを意識していなかったので、
...円軌道の外さん。
コメントありがとうございます。
共感していただけて嬉しいです。
誰かと繋がることを意識していなかったので、
今後はもう少し意識しておきます!
2012/05/12
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なんとなく、3月11日に観てみた。死んだ人は戻らないの。他になんも言えない、今は
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阪神淡路大震災を経験した子どものその後を描いた作品。元々はNHKで放送されたドラマで、神戸で震災を経験した森山未來と佐藤江梨子が主演している。
毎年1/17に神戸の東遊園地というところで追悼の集いが行われているらしく、震災から15年後の1/16の夜、偶然出会った二人が神戸の街を歩きながら、それぞれの震災の記憶を語り合う。語り合うだけで何もドラマチックなことは起きないが、佐藤江梨子演じる美夏が亡くなった親友のお父さんを訪ねるシーンは一つのピークとなっている。親友のお父さんが住むマンションから出てきた美夏が振り返ると、そのお父さんは寂しそうに、嬉しそうにベランダから手を振っていた。
夜が明けて美夏は東遊園地の追悼の集いに向かうが、森山未來演じる勇治はまだ心の整理がつかず、追悼の集いには向かえなかった。だけどきっと何年後かに東遊園地でまた美夏と再会するだろう。美夏が向かった追悼の集いの映像は、実際の映像が使われている。震災を経験した二人を起用するなど、フィクションでありながら実話を見ているような気にもさせられる。
NHKらしく抑制の効いた静かな演出がよい。演出・監督の井上剛さん(高校の先輩のよう)と音楽の大友良英さんは、後にNHKの朝ドラ「あまちゃん」―この作品でも一部震災を描いている―でも一緒に仕事をすることとなる。テイストはかなり違うが、後の仕事の萌芽と言える作品かもしれない。