子どもの心のコーチング 一人で考え、一人でできる子の育て方 (PHP文庫) [Kindle]

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  • PHP研究所
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  • 子育てとはなにか?
    親のできることはなにか?
    そう考えていてまず心に刺さったのは、
    親の満足のために子供がいるのではないということ。
    本当に気をつけようと思った。
    子供を赤ちゃんの時のようにいつまでも保護していると、それは子供に対して「あなたは一人でできない子」伝えてしまっているようなもの。
    親も子供の成長とともに「保護者」から「親」へと成長しなければいけない。
    親がすることはヘルプではなくサポート。
    子供を「できる」存在ととらえて、そばで見守り、必要な時は手を貸すことが親の仕事。
     
    子どもに対してやりがちなヘルプ。
    指示や命令
    欲求を察知し無条件で与える
    感情の押し付け
    過度な期待、要求
    経験を奪う

    自分でするべき様々な体験からの学びが少なく、
    自分で問題を解決できなくなってしまう。
    「魚を釣ってあげるより、魚の釣り方を教えてあげる」ことを念頭に置いておきたいと思った。
     
    親は親で自分の人生を楽しむこと。
    子育ての裏テーマは自分育てなんだと改めて思った。
     
    親は子どものコーチ。
    その条件は、
    ①子供はできることを知っている。
    ②子ども自身がもっとよくなりたいと思っていることを知っている。
    ③子供が望んでいることが起きるまで待ち、必要なサポートは何でもしようとする柔軟性がある。

    この姿勢を保って子供から信頼されることで、親としてコーチとして関わることができ、それが子供は愛されていると感じることにもつながる。
     
    そもそも子育てにおいて変える必要があるのかどうか、そこの視点は大切だと思った。
    なぜなら、自分が問題としてあげていることが問題じゃないかもしれないということが大いにあるから。
    子供が元気で生き生きしていて、
    好奇心があって、たくさん話をして、我慢しすぎることはなく、自己主張ができて…
    本書に載っていた項目を見ていると、そもそも自分が感じていた「問題」は私の価値観の中での問題に過ぎなかったと反省した。
    問題を問題と捉えるのは親自身なんだと改めて痛感した。

    そして、子どもの気質をどれくらい理解しているのか?も大切だと思った。
    テキパキした親とマイペースな子の組み合わせは、元々が合わないからイライラの元になる。
    でもそこに気づけば、無理な要求をしなくてすむ。観察と理解、とても大切だと思った。
     
    親がよく言ってしまいがちな「あなたのため」。
    それは本当なのか?
    その奥には「自分のため」が隠れていないのか?
    子どものためにと思ってやっていることは、子どもの幸せにつながるのか?
    子供が親の望む人生を生きてしまっていないか?子どもが自分の人生を楽しく生きれているのか?
    そこを忘れずに関わっていきたいと思った。
     
    子どもの頭の中のキャンバスは最初は真っ白。
    そこに何を書き込んでいくのか?
    一番近くにいる親がそのキャンバスに与える影響は大きい。使う言葉を命令語や禁止語、否定語で埋め尽くさないようにしたいと思った。

    「甘えを受け入れる」と「甘やかす」の違いは、子どもの自立につながっているのか?という視点で考えるといいと思った。
    話してくれたり、ハグを求めてくることは甘えを受け入れること。
    甘えを受け入れることは、最終的に子どもの精神的な自立につながる(自分で安心感を作り出したり、自分で自分を癒すこと)
    甘やかすというのは、子どもができる機会を奪うこと。
    気をつけよう思った。

    そして、関わり方で気をつけること。
    ほめることも叱ることも、物やお金を与えることも、すべて外からの働きかけで、外から子どもをその気にしようとする行為になる。
    外的動機づけは本質的なやる気にはつながらない。大切なのは子どもの内側から湧いてくる動機。
    褒めることが親の都合によって(子どもを思うように動かすための)行われてはいけない。
    褒める子育てをすると、褒められないと愛を感じられなくなってしまった恐れもある。
    褒めることが大切なのではなく、そのままの子ども、無条件の存在肯定がとても大切。
    そして、「人の役に立つ喜び」をしれるように、ほめる、しかる、物やお金でつることはやりたくないなと思った。

    子育てをしながら、ついついしてほしいことやすべきことに意識が言ってしまい、
    子供を動かそうとしてしまっている。
    でも大切なのは自分自身がどう思うのか、どう感じるかを伝えること。
     
    「私はこう感じている」と伝えることと、
    子供の望ましい言動があった時に、見逃さずにその瞬間、プラスのメッセージで視線を合わせて伝えることで子どもの心に喜びの種がまかれる。
    そうすることで望ましい言動が強化される。幸せな気持ちで子育て、しつけができる。
    「私メッセージ」は本当に大切だと思った。
     
    そして、自分を責めると言うことは、
    実は楽をしていると言う事実に驚いた。
    でも言われてみたらそうだなと思った。
    罪悪感に浸ったり、自分責めをしている時は行動しなくていいから。
    行動しないと何も変わらない。
    でも行動するには勇気がいる。
    勇気がいるし、労力もいる。行動することですぐにうまく行くとは限らない。
    だからこそ行動できない。
    自分責めは、責めているだけで行動しなくていいから、結局は楽していると言うこと。
    人間の深層心理は深いなと思った。
    そして、行動していきたいと思った。 
     
    自分の否定的な部分を親のせいにしてしまっているケース。
    これも一言では言えないけど、
    結局は大切なのは今と未来。過去は変えることができない。
    過去にとらわれていると、今を未来を生きることはできない。
     
    子育てをしながら、
    実は自分が育てられている。
    自分の見たくなかった、しまい込んでいた感情とも向き合い、
    とことん自分と向き合ってく。
    子供と共に自分自身も育てていって、
    親子共に幸せな花を咲かせたいと思った。 

  • 子どもを自立・自律へ導くために、コーチングという手法を使って親ができること。何もかもこの本の通りにはいかないが、理想的な関わり方わ知ることで現実の子どもと向き合う力になる。
    対象を母親に限定しない文面がよい。最後のほうには親自身の自己肯定感、親との関係を改善する手法も載っている。

  • 小学生になり、学校でうまくいかない息子がどの方向に進んでいく方がいいのか悩んでいるときに読みました。
    とても参考になり、定期的に何度も読み返したくなりました。
    「こどもの気持ちを聴く」ことはしても、小言などを言わずに「私メッセージ」を送ることは…なかなか難しいですが、これからは聴くことに徹し、私の思ったことを伝えていきたいなと思いました。
    どの年齢のお子さんをもつ親にもお勧めしたいです。

  • こういう育児本は100%そのまま当てはまる訳でも、活用できるわけでもないけれども、心の持ちようとしてはとても参考になる。
    さらに、「子育て」の枠を超えて、人間関係にも応用できるものだなぁとも。

    ・親は子どものコーチ。ヘルプするのではなくサポートする。
    ・親が子どものコーチになる3つの条件
     ①子どもはできることを知っている
     ②子ども自信がもっとよくなりたいと思っていることを知っている。
     ③子どもが望んでいることが起きるまで待ち、必要なサポートはなんでもしようとする柔軟性がある。

    ・被害者は、自分がどうするかではなく、誰かほかの人のせいにするのに忙しくて、未来や次に自分に何ができるか考えることはありません。自分には人生を変える力がないと感じているので、行動を起こすことに対して臆病で、自分に自信が持てないのです。
    …幼いうちはお父さんのせい、お母さんのせい、で住むけれど、子どもは自信のないストレスをどう処理するのでしょう…
    大人も同じ。うまくいかないことを人のせいにして被害者になることはありませんか。そんなとき、あなたは自分の責任のチカラを使っていないのです。誰にでもある力なのですが、繰り返し使ってこなかった人は、自分にそんな力があることすら知りません。そして誰かのせいにするという安易な方を選ぶのです。
    幼いうちから自分の仕事を任されてきた子は、問題処理能力を身に着けています。親が過剰な保護をしない分、悩んだり考えたりすることが上手。繰り返すうちに、ほどほどに悩み、深刻になりすぎないやり方も学ぶ。

    ・怒りの自動スイッチをリセットする。

    ・言葉の反射で子どもの心を開く
     「ピアノやめる」と子どもが言ったとき、親はまず黙る。黙っている間に、内心で「理解したい」と念じる。 そして、子どもの言葉を繰り返す。
    ・・・(二、三秒の沈黙の)「ピアノ辞めたいの?もういかない?」とやさしくくりかえす。

  • 行動指針
    ・子供とスキンシップをとる
    ・子供の持ち物で洗ってほしいものは、洗い場までもってきてもらう。
    ・「私」はどう思うかのアイメッセージを送る。

    印象に残ったところ
    ・子供への声かけ。「君は可能性でいっぱいだ。君がもっとよくなりたいと願っているのを知っている。お父さんとお母さんは、そんな君にどんなサポートも惜しまない。君が望むものを手に入れるまで、我慢強く応援するよ」こうした応援をされたら、大人だって嬉しいと思う。落ち込んでいるときも、可能性がいっぱいあり、ずっとサポートし、応援していることを伝えたい。

    ・よく抱いて肌をふれあう。笑顔でやさしく目を見て話しかける。よく一緒に遊ぶ。子どもに愛を教える方法は、とにかく無条件にかわいがること。豊富なスキンシップ。「かわいい」「好きだ」と言葉にすること。

    ・大人は、親の都合で怒っている。確かにそうだと思った。気分がよければ、おおらかに受け止められるし、気分が落ち込んでいると、些細なことで怒ってしまいがち。自分の都合なのだと意識したい。

    ・体をつくるのは食べ物。体にいいものを親の手で調理し、家族で食卓を囲むという、当たり前の食の姿を子どもに見せていきたいもの。

    ・洗ってほしい物は、自分で決まった場所におくようにさせる。それをしなければ、子どもは汚れたものを着ていくことになる。

    ・子どもに彼らの人生を教えるというのは大変な間違い。子どもが自分の生き方を見つけられるようサポートすること、それが親の仕事。

    ・「子どもが望んでいることが起きるまで待ち、必要なサポートは何でもしようとする柔軟性がある」ことが親に求められている。

    ・「お父さん困る」「私、とっても心配していたの」「お母さん、問題を感じているの」と「私メッセージ」にすることで、あくまでも「私」のこととして話します。そうすることで、子どもは相手のこととして冷静に聴くことができます。

    ・親は子どもにやってほしいことがある。あるいはやめてほしいことがある。つまり子どもの言動を変えたいのです。そのためには、具体的に何をしてほしいのかを伝えます。そのときに命令したり、するべきだと指示をしたりするのではなく、丁寧に依頼してください。ご機嫌をとったり、へつらうことはしません。やさしい態度で「こうしてください」と依頼するのです。親の気持ちや状態、そしてなぜそうなのかがわかれば、子どもは言動を変えてくれます。それは、親が「私メッセージ」により、自分の気持ちを伝えてくれているからです。

    ・確かに、親の影響は大きいとハートフルコミュニケーションでもお伝えしてきました。でも、過去は変えられないのです。過去に戻って何をしてくれなかったかを言ったところで何も起こりません。それでも、どうしても伝えたいと言う人がいます。そんな人には質問をします。「あなたはどうしてほしかったの?」  最後に出てくる言葉は、「かわいいって言ってほしかった。好かれていることを知りたかった。愛されたかった」。私はそれを伝えることをおすすめしています。親は彼らの知っている方法で子どもを育てたのです。それは子どもを幸せにはしませんでした。でも、彼らは、それ以外の方法は知らなかったのです。

  • これまで読んでいた子育て本や、見聞きした講座と近しい内容で、すっと頭に入ってきた。
    まず、

  • 子どもに教えるべきことは①愛すること②責任③人の役に立つ喜び。
    親がすべきことは、ヘルプではなくサポート。子どもは自分の人生を生きており、子どもの問題を親が解決すべきではない。子どもの話をよく聞き(子どもの話に共感したり、感情を代弁したりする)、子ども自身の問題解決をサポートする。
    子どもの失敗を先回りしてヘルプしない。失敗したら失敗からの帰結を子ども自身に体験させることが重要。ヘルプばかり受けて育った子は、問題解決能力が育たないだけでなく、失敗を人のせい(助けてくれなかったせい)にし、無力感が育って自己肯定感が育たない(自分の人生を自分で改善できることを知れない)。

  • 子供の話をどのように聴いて反応することが、子供の自立に向けたサポートとして良いか、学びました。早い段階で出会えてよかった一冊です。

  • 子育てについて非常に勉強になりました。親の役割はあくまで子供の自立のサポートだなと学びました。

  • 子供を持つのは不確定要素多すぎで楽観視すれば楽しみだけど不安要素も無数にある。

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著者プロフィール

NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事

「2015年 『子どもの心のコーチング【しつけ編】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

菅原裕子の作品

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