武士道シックスティーン (文春文庫) [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 同名の映画があったことだけ知っていた(観てはいない)。譽田哲也氏の作品はいくつか読んだことがあるが,特に気に入ったものはなかった。今回は本当にたまたま,気紛れで読み始めたのだが,これが思いの外面白い。私は剣道のことは何も知らないが,相対した時の描写が克明で,県道とはこういうものなのかと,少し分かってくるような気がする。主人公の2人の女子高校生の心理描写と心の動きもリアルに,魅力たっぷりに描かれている。つい感情移入してしまって,2人がこの後どう成長していくのかが気になり,早速続編を読み始めた。

  • 本書に救われたと思う。このところ、個人的に仕事に対して志を持つことができず、つらい日々が続いていたのだが、勝利に拘るがゆえに目標を見失った主人公が、兄の言葉で自分を取り戻す姿に己を重ねたのだ。ハイティーンが主人公の青春小説ではあるが、幅広い年代層に人気のシリーズであある理由がよくわかった。

  • 剣道部に通う女子高生のお話。
    武士の言葉遣いで武士道を極めようとする磯山と、日舞から一転剣道を始めた西荻の二人の視点で話はすすむ。

    剣道のことは一切わからないけど楽しく読めた。けど、磯山の西荻に対する心境の変化とか、剣道に対する心境の変化とかなんかぼやっとしてて、もう少し心の揺れを激しく描いてほしい気はした。すぐ読んじゃったので、自分の読み込みが甘かったのかな?それとも、よくわかんないけどモヤモヤと心が変化していくのが青春っていうのを描きたかったのかな。

    続きが読みたいです。というかあるみたいね続き。

  • 武士道シリーズ1作目。映画化(主演・成海璃子、北乃きい)された作品。映画はシーンを削ぎとっていて、剣道もアマチュア感があって物足りなかったが、原作は非常に面白かった。
    勝ち負けに徹底的にこだわる「剛」の磯山香織と、”お気楽不動心”の「柔」の西荻(甲本)早苗。剣道に真摯に取り組む2人の正反対の性格の少女を描いた作品。磯山が中学時代に市民大会で甲本に負けたことから物語は始まる。自分が持っていないモノを持っている相手から色々と吸収し、切磋琢磨しながら成長していく姿は見ていて清清しい。
    2人の少女の微妙なライバル関係・親友関係だけでなく、それぞれの父と娘の関係性も丁寧に描かれている。
    スポーツでは常に「勝ち負けと楽しむことのジレンマにとらわれがち。自分自身の部活経験も思い出し、懐かしさを感じる本だった。剣道未経験でも楽しめる。
    「この時代を共に生きる、二人といない、好敵手」が存在するということ。同じ時代に一緒に同じ目標に向かって戦った部活のあの瞬間は二度と戻ってこないけれど、改めて大切な時間だったと思う。中学生・高校生に読んでほしい本。

  • 勝つための剣道を見失った香織が九州で玉竜旗をひとりひっそりと観戦する時の描写で、泣いてしまう。

  • 誉田哲也作品・最後の読み残しは、名作と誉れ高い
    武士道シリーズ。女子高生二人が主人公、二人とも剣士。
    もちろんるろうにとかそういうのでは無くて、かなり真剣に剣道
    をやっている人たち。

    スポーツとしての剣道は、正直冷遇されている感が強い。
    例えばマッスル坂井のようにインターハイや国体で上位入賞して
    いる選手でもプロレス界では特別扱いされない。柔道やアマレス
    出身者で同じような成績を修めていれば、すぐにでもスター候補。
    これはプロレスに限った話では無く、どこの世界でも
    剣道はちょっと・・・という雰囲気があるような気がする。

    そんな誰もが知っているのにややマイナーな競技、剣道を素材に
    持ってくる大胆さが誉田哲也の誉田哲也たる由縁。調理の難しい
    剣道を、見事な青春小説に仕上げてしまうセンス、やっぱり凄い
    と思う。

    特に主人公の一人である磯山香織の無駄なストイックさがステキ。
    やたらと熱い剣道小説、このまま続編突入確定!

  • 女子高生だが武士道。

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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