- Amazon.co.jp ・電子書籍 (320ページ)
感想・レビュー・書評
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映画化された(観てない)ミステリー小説。
沼田まほかる作品は初読み。
表紙に映画の写真を使っているので、キャスティング通りにイメージしながら読んだ。
半分くらいまで、ずっと十和子が好きでもない貧相な中年男・陣治と暮らしていながら悪態をつき、昔付き合った男を未練たらたら思い返すという、地味すぎる内容にイライラしてた。
登場人物が少ない。
このクズな人達ばかりの物語にいったいどんなミステリーがあるのか....
しかし、半分過ぎて以降、急激に全体の雰囲気が怪しくなる。
十和子目線での展開だけなのだが、この女、絶対イカれてる!ってわかる。いや、しょっぱなからおかしな主人公だとは思っていたけど、ヤバいんですよ。
十和子の精神状態のヒリヒリした感じ、焦燥感が伝わってきて、それほど大きな展開じゃなくても十和子が壊れかけてる人だということが伝わってくる。
映画『ブラック・スワン』を観た時を思い出したりして。
ストーリーはちょっと予想できる範疇ではあったけど、微妙な心理状態をよくここまで表現できたな、と感心しました。
読後感が良いわけじゃないけど、面白く読めました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前半なんだかずっと不快な気分でなかなか乗れなかったのに後半はもうとにかくページを捲る手が止められなかった。
次へ次へと読み進んでいる間、面白いミステリに出会えたと思ってたけど、読み終わった今は強烈な愛のお話だったんだなと思う。
そんな方法で?でも、確実に…
哀しいけれど。 -
真実の愛とか恋愛とか、そういう表現をするとちょっと違うな、と感じてしまうけれど、読み終わって感じたのは、誰かを大事にしたくなる、何があっても側で守りたいと思う気持ちは、理屈じゃないんだな、という事。物語の核は陣治の愛。だけど視点となる十和子はそれを感じとれない。それでも陣治は十和子を大事に大事に守る。ラストシーンは、十和子がこれからも生きていく理由を作る為の選択だったと思う。一言で表すとしたら無償の愛、ですかね。
かなりヒリヒリするような表現も多くて、作者の多感さ表現技術を感じた。こんな文章を生める感性って、日々生きづらくないだろうか。。 -
その帯の惹句を目にした瞬間
足が止まり 吸い寄せられるように
手に取ってしまいました。
『綺麗は汚い 汚いは綺麗』
実際には ”綺麗”なものなんて
ひとつも出てこず
誰一人共感できない 登場人物
暗くて救いのないストーリー
なのに 何故か
ページを繰る手を止められず
夜通しかけて 読み続け
白々と夜が明ける中
本を閉じた瞬間
声を上げて 泣いてしまいました。
子どものように。
悲しいとも 切ないとも違う。
胸が締め付けられるほどの苦しさ。
強いて言えば 恋愛小説です。
同性として ちっとも共感できない
不満ばかり抱えて エキセントリックな女性と
粗野で不潔で下品な男性の。
でも、読み終えた時に初めて
『綺麗は汚い。汚いは綺麗』
この言葉の重みが 胸に染み渡ります。
ただ、かなり好みの分かれる
作品であることは 間違いありません。 -
映画見てみようと思います。
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知らない世界があると思った。
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▪️友達から借りて読みました。ずーっと暗いしなかなか入り込めなくてこれは映画も見る気なさそうだなぁって思ってて読み進め最後の最後のうゎ!ってなって、映画も見たくなりました。。
多分個人的に蒼井優の最低な感じの入り込めないこの女性の感じ、うわぁあぁ嫌い(演技が上手いの意)って、なりそうで怖いもの見たさ…。この感じの阿部サダヲは上手い気がするな。 -
表現力が圧倒的。
めげそうになったけど、最後まで読み切って良かった。 -
ラストに愛が現れてる気がする。