サンダカン八番娼館 (文春文庫 147-1) [Kindle]

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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167147082

作品紹介・あらすじ

"からゆきさん"-戦前の日本で十歳に満たない少女たちが海外に身を売られ、南方の娼館で働かされていた。そうした女性たちの過酷な生活と無惨な境涯を、天草で出会ったおサキさんから詳細に聞き取り綴った、底辺女性史の名著新装版。東南アジアに散った女性たちの足跡をたどるルポルタージュ『サンダカンの墓』も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 何年かぶりの再読。
    痛く心にしみる。

    取材方法に疑問点は残るが山崎朋子さん自身のあとがきにすっかり慰められ、すっきりした思い。

    お咲さんの人生を思うにつけ女性みんなの幸せを祈らずにはいられない。今はいい時代になったものだが・・・

    新装版の表紙があの写真だとは。痛いにもほどはある。

  • 本書を読みながら「何となく知っていることと,本当のことを知ることとはこんなにも違うものか…」という体験をしていました。
    当時「からゆきさん」とよばれていた,海外での売春婦の女性たち。その当事者に,それこそ,寝食を共にして,語りたくない過去を語ってもらい,できあがった本がこの本です。
    本書の最後には,過去を語ってくれた「おサキさん」の人間性についての記述がありますが,ここで私はさらにノーミソを打たれました。
    これだけの目にあいながら,いや,これだけの目にあったからこその,人間の姿,優しさ,きびしさが,そこにはあります。
    久しぶりに,心のそこから揺さぶられる本に出会いました。本書の語り口はやわらかいですが,著者の主張は,はっきりしています。
    弱いものいじめしか考えない,昨今の政治家たちは早く交替してほしいものです。

  • からゆきさん、底辺女性と位置付けるのはどうだろう。

    彼女たちの貧困わもって、現代の日本が成り立っている、そう考えさせられる本でした。

    慰安婦問題まで幅を広げなくても 十分に内容の濃い話でした!

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著者プロフィール

山崎 朋子(やまざき ともこ)
1932年1月7日 - 2018年10月31日
長崎県佐世保生まれの女性史研究家、ノンフィクション作家。広島県で育つが、1945年広島市への原子爆弾投下前に母親の郷里福井県に移り終戦。福井で小学校教員を勤め、1954年女優を目指し上京するが、結婚・離婚、そして怪我が元で断念。1959年、児童文化研究者・上笙一郎と結婚。
女性史の研究を始め、社会の底辺に生きる女性達の姿を記録し、日本での第一人者となる。夫との共著『日本の幼稚園』は1966年毎日出版文化賞受賞。九州地方の「からゆきさん」の聞き書き『サンダカン八番娼館』で1973年大宅壮一ノンフィクション賞受賞、熊井啓監督により映画化されベストセラーとなる。
2018年10月31日、糖尿病で逝去。

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