寝ながら学べる構造主義 (文春新書) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • p.2016/4/21

  • 難解で知られる構造主義の思想について例を用いながら、分かりやすく説明してくれる好著。
    特にフーコーの章で例示した日本の伝統的な歩行法「ナンバ」や体育座りによってフーコーの「身体もまた意味によって編まれた社会制度であるという思想」を補強している点は頭にかかっていたもやが晴れたように感じた。

  • 読む前は「構造主義」とは物事を構造的にとらえる考え方だと思っていたが、実際は違うようだ。(と思う。)やはり構造主義は難しいというイメージは払拭できないが、それでも素人の自分でも本書を最後まで読み切れたのは本書は平易な解説だからだろう。
    驚いたのは、時代や環境によって考え方が異なるのは当然だと思ってはいるが、ベトナム戦争の例だ。そこには敵国の市民がどうなるかなんて考えはなく、それがそのときの常識というから驚きだ。そこで構造主義の果たす役割が大きかったのだろう、と思う。
    哲学と大げさに言わずとも、他人の考え抜いた考えを学ぶと今自分の考え方が絶対的でないことが改めて実感される。

  • 構造主義について何かが分かるのかと言われると正直、あまりわからなかった。構造主義がなんぞやという話ではなく、それらを代表する人々の主張をわかりやすく書いたものである。
    私の読んだ構造主義に対する理解では、世界の原理や私とは何なのかと言うことについての考え方であろうか。といった所である。(これが正解かどうかはわからないが)
    様々なことに対する考え方や価値観を知ることができたので、改めて自分の中での「今」や「私」、「歴史」等についてこの本を踏まえて考えられる機会を得られたのではと思う。

  • 前々から気になっていたので

  • ソシュール、フーコー、バルト、レヴィストロース、ラカン。う〜む、構造主義は寝転んで読んで分かるようではないな。書いてある事は、そうかと思うけど。(汗)

  • 面白かった!

  • なぜ、最初は見落としたこの「意味」を私は発見できるようになったのでしょう。それは、その本を一度最後まで読んだせいで、私のものの見方に微妙な変化が生じたからです。つまり、その本から新しい「意味」を読み出すことのできる「読める主体」へと私を形成したのは、テクストを読む経験そのものだったのです

    こういう視点で2周目以降を回したことがありませんでした。今までは、良いと思った本をできるだけ頭に残すため、自らの血肉にするために、2回、3回と繰り返し読んでいました。こういう視点ができるなら、もう少し2回目に挑む本を増やしてもいいかな、と思いました。箸にも棒にもかからないモノは除く。

    ただ、これを続けると時間が全然足りない、というのがネックです。読む本絞るために、新しい本買うのを控えています。今は、残った10冊を読み切ってしまおうと。そういった新しいモノの見方ができる自分との出会いは、その10冊が読み終わってからです。

  • 構造主義についてわかるかと思いきや、構造主義に至るまでのキーパーソンとなる哲学者4人の紹介に終始していて、結局わからずじまいでした。うーん。

  • 現代はポスト構造主義期であるらしい。『「ポスト構造主義期」というのは、構造主義の思考方法があまりに深く私たちのものの考え方や感じ方の中に浸透してしまったために、あらためて構造主義者の書物を読んだり、その思想を勉強したりしなくても、その発想方法そのものが私たちにとって「自明なもの」になってしまった時代なのだそうだ。

    ということで、今の世の中、思想と言えば構造主義であるらしい。そうだろうという証明に、本書に書かれていることは違和感を感じない。まあそうやよねと腑に落ちる。ポスト構造主義期に生きているのであろう。

    久々に哲学思想系の本を読みたくなる本である。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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