とんび (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
4.34
  • (84)
  • (53)
  • (26)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 609
感想 : 63
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (390ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 不器用で頑固だけど家族への大きな愛を持つ親父と、とにかく優秀で万人に好かれる息子の物語。

    巻末にあった著者の意図によると、不器用さを高倉健のような渋さにするのではなく、「寡黙であるよりは間の抜けた饒舌」「耐え忍んで動かないことよりも、むしろ暴走して空回りしてしまうこと」「正しさではなく愚かしさで愛されるひと」「強さではなく熱さで我が子を愛し抜く人」を狙って書かれたとのこと。それを是とするか否かでこの作品に対する感想が変わってくる気がしました^^;。

    具体的に言うと、やたらめったら大事な場面で父親が照れ隠しの理不尽な汚い暴言を吐くのですが、それを全部不器用の一言で片付けるのはちょっとどうかなと思いました。昭和を生きた古くからの友人であればそれで許されるのかも知れませんが、ひとまず子供にあんな暴言を吐かれ続けたら絶対にあんな良い子には育たない気が…。

    あと、就職試験の論文はまずまず良かったんですが、大幅に端折った上で過剰な解説を付けた点も少し残念…。その場面も含め、やたらと父親の気持ちを代弁する解説が多かったのもマイナスポイントかな。ただ、あくまでこれは読書好きの発想であって、余り読書に慣れていない人(小中学生なども含む)にとっては親切で分かりやすいのかも知れません。

    ちなみに、息子が結婚相手を連れて来た時に友人の照雲さんがやってくれたあれこれはまずまず良かったですし、それ以降の話も良かったです☆ただ、全体を通して、つまらなくは無いですがひとまず僕は余り好みの作品では無かったかな。

  • 不器用な父がぶっきらぼうで見ていて気持ちよくない
    。そんな好きじゃない。
    けど、後半は泣けた。

  • 最近自分に息子が産まれたこともあり、父と子の関係として参考になる部分も多かった。
    感動する部分もいくつかあり、評価を星4つとしたいが、主人公のヤスさんの性格がひねくれ過ぎていて、読んでいて興醒めの箇所がいくつかあったため、星1つ分評価下げ。

  • 子供たちの海になりたい

著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

重松清の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
ウォルター・アイ...
ウォルター・アイ...
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×