封印再度 WHO INSIDE S&Mシリーズ (講談社文庫) [Kindle]

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  • 無我の匣(はこ)と
    天地の瓢(こひょう)。
    昭和24年の事件再び。

    犀川創平と西之園萌絵の
    密室殺人を巡る
    ミステリ第5弾。

    今回はスロースタート。
    かつての自殺事件にからんだ
    無我の匣と天地の瓢という
    はこ、つぼのパズルに
    萌絵が魅せられる。
    その2つが存在する屋敷を訪れ、
    謎を解こうとする。

    そして、12月24日。
    萌絵は犀川の部屋を訪れており、
    萌が訪れていた屋敷周辺で
    事件が起こっていた。

    同時に起こる2つの出来事。
    萌絵と犀川はどう進展するのか。
    屋敷周辺で起こった交通事故と
    家主の死の謎は?

    前半ゆっくりだった分、
    中盤から加速度を増す。

    萌絵が入院し、
    屋敷は主人の不思議な死、
    密室の蔵の謎、
    無我の匣と天地の瓢の謎、
    娘の交通事故が錯綜する。

    ラストもまたいつもと違う
    余韻のある展開。

    次々に新たな展開を見せる
    S&Mシリーズ。

    さすがの飽きさせない
    シリーズだ。

  • 今までで一番俗っぽいトリックだった気がする。が、気圧の関係でドアが開かなくなる、という建築上の話はつい最近になってよく知られるようになったものだし、当時は新鮮だったのかも。男の子が死体を見て「いない」と言うのはちょっと無理があるけどわからんでもない。
    なにより萌絵のエイプリルフールネタに対して、犀川先生のガチの心情描写がありありと描かれすぎていて読者である私もほぼ信じてしまってたことの方が今作は大きかった。やっと登場人物が自由に喋り出したような印象。まだ半分残っていることがこんなに嬉しいとは。そしてあと半分もあるのに結婚しかけている二人が可愛い。式場が来い。はよ結婚しろ。

  • 【2022年4冊目】
    久々に森博嗣ワールドに浸かりたくなって読みました。犀川先生が珍しく感情を露わにするのがとても良かったです。しかし、森博嗣さんの表現の幅の広さには感服させられます。犀川先生の考えが、そのまま森博嗣さんの思考回路なのかなと思ったり。壺と匣のトリックも見事でした。

  • 本シリーズではお馴染みの密室ものだが、今回は一ひねり加えて、さらに壺から取り出せない鍵の謎をとくパズルものの要素も加わっている。相変わらず精緻かつ巧妙なトリックで、手掛かりは与えられているはずなのに、謎解きまでは全くわからなかった。
    犀川先生と萌絵ちゃんの関係は3歩進んで2歩下がるって感じですな。ただ切り札は萌絵の伯母さんに握られたままなので、次回以降どうなるのか。

  • その壺と匣、森先生なら作れるではないか?エープリルフールのネダは完全に騙された!(犀川先生の反応はいつもと違うからドキドキした

  • 残る意思。

  • 「あの……、結局、模写の目的は何なのですか?」
    「何かを生み出したい。自分だけのものを創作したい。つまり、そんな意欲を、すべて滅するためだわ」
    禅宗的な考えに憧れた時期もあったが、なんだか自閉的逃避的で、結局は利己的。で、空海のものを読み出したわけだが、まだよくわからない。わかるまでが面白いってこのシリーズでも言ってたなあ。まさに。
    このシリーズ、ふたりの中高生的恋愛感情は蛇足として(失礼)前半終わった。もちろん後半へ続く。

  • S&M5作目。
    タイトルの『封印再度』とサブタイトルの《WHO INSIDE》はダジャレ?と思わせておいてどちらもかなり内容と絡んでいます。

    5作中いちばんトリックが複雑に感じました。。
    凶器がすごいトコから出てきます。

    タイトルにしてもそうですが、いつもより犀川先生のダジャレが多いです。

    「そういうのをパーマンの妹って言うんだ」

    犀川先生がパーマンを知ってたことにビックリでした(笑)

  • 50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。

  • ここまでシリーズを読んで一番ダメ。
    トリックが唐突。納得感がない。
    犀川の巻き込まれ方も唐突で強引。なんじゃこりゃって…なる。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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