夢売るふたり [DVD]

監督 : 西川美和 
出演 : 松たか子  阿部サダヲ  田中麗奈 
  • バンダイビジュアル
3.39
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本棚登録 : 918
感想 : 185
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569644763

感想・レビュー・書評

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  • 何も予備知識なしで観た。

    良かったな~~笑えたし
    引き込まれたし考えさせられた。
    夢を売るふたりってそういう事か。
    女は怖い(笑)

    阿部サダヲがモテる役に違和感ないし
    やっぱ演出と演技力は大きいね~

    松たか子
    何演じても松たか子なんだけど
    それでも演技が凄いと思わせる
    これはある意味本当に演技力があるって
    そういう事なんだと思うな。

    いや~良い映画に出会った(^^)/

    前日にバードマン観たんだけど
    夢得るふたり方が奥深いで(笑)

  • 2012年 日本
    監督:西川美和
    出演:松たか子/阿部サダヲ/田中麗奈/鈴木砂羽/木村多江/笑福亭鶴瓶

    仲良く居酒屋をいとなむ夫婦が、うっかり火事を出してしまったことでゼロから出直し。序盤、できすぎた妻の姿に、むしろ劣等感に苛まれる夫の姿は、同じ松たか子の「ヴィヨンの妻」を彷彿とさせられましたが、夫の浮気をきっかけに、結婚詐欺という犯罪に二人してつっぱしっていくあたり、太宰どころの騒ぎじゃありません(笑)。この夫婦のすごいところは、普通なら「坂道を転がり落ちていくように」転落していくのが犯罪人生なのに、むしろ「坂道を駆け上がっていくように」上昇志向で犯罪を重ねてゆくところ。とはいえ、それが犯罪である以上、しっぺがえしは必ずある。上った分だけ、最後に転がり落ちるスピードも半端なかったりして、当然ハッピーエンドで終わるわけはないのですが。

    イケメンでもなく、どちらかというと不器用で要領の悪い貫ちゃん(阿部サダヲ)が結婚詐欺師、というのは、しかし逆に説得力がありました。いかにもホストみたいな男に、実は女性はひっかからないですよねえ(笑)。こういう、いかにも嘘のつけなさそうな、私がいなくちゃ駄目なんだわとか思わせちゃうキャラのほうが、母性本能をくすぐるのでしょう。

    そして松たか子はとっても怖い。夫を愛しすぎているがゆえに、その愛情が複雑骨折して、ものすごく歪んだ形での復讐にまで追い詰められてしまう。彼女自身は少しも幸せではない。ちょっとした細部(話題になってた自慰シーンとか、生理になって下着ををはきかえる場面とか)の積み重ねで彼女の心情を表現するのは、さすがに女性監督の巧さ。終盤になって、ラーメン屋の店長が里子を誘うシーンとか、それだけで、そっか、彼女のほうも他の男と寝ちゃえば、もっと簡単に旦那を許せたのかもしれないのに、ってふと思わされたり、貫ちゃんの最初の過ちの相手・玲子さん(鈴木砂羽)との偶然の邂逅も、そもそもが不要の嫉妬に過ぎなかったのだと思わせる節があって、そのへんのエピソードの入れ方もさすがだなあと感心しきり。

    あと、被害者側の女性陣がなんかみんな魅力的なんですよね~。重量挙げでオリンピック目指してるひとみちゃんとかさ、風俗嬢で男運なくて借金まみれだけど筋の通ってる紀代ちゃんとかさ、もうこんな良い子騙せないよ!普通に応援してあげたいよ!って気持ちに、騙すほうだって揺らいじゃう。そしてラスボスよろしく最後に登場するのが薄幸役の女王(笑)木村多江。これがシングルマザーで可愛い子供とのコンボできちゃったら、さすがの松たか子も太刀打ちできない・・・

    男性陣も、うさんくさい弁護士役のつるべ師匠やら、紀代ちゃんのヒモ旦那役の伊勢谷友介とか、出番少ないながら良い味出してていい感じでした。総じて、面白かったです。男女の恋愛の心の機微は、定型におさまりきらないし、簡単には測れないよなあとしみじみします。
    (2013.05.28)

  • VIVA! 松たか子!
    演技はうまいし、綺麗だし、最近の女優さん達が小粒な中では、昭和な大物感があって、稀有な女優さんである。
    阿部サダヲはいつもながら上手い。
    演技陣がいいのはさることながら、この映画の一番のよさは、なんといっても脚本だろう。
    伏線はきっちりと張り込まれ、ちゃんと解かれているし、ストーリー展開が奇抜で、なのに、登場人物の心情がくっきりと描かれている。
    無駄がなく、退屈しない。
    一瞬も目を離せない映画だ。
    西川美和監督、あなどれない。

  • 感想‥これを見て何を感じたか聞かれると困る。
    人間って強いな。
    弱いから強い。なにかに頼っちゃう弱さと強さ。憎むこと、行動すること、力に変えること。
    この映画は全てお金が絡んでいて、愛が絡んでいて、とても切ない。
    そんな話とは裏腹な音楽。これが女を強く見せるポイントかなと思った。

    世の中にゎいろんな人がいるな。
    【追加】
    松たか子のひとりのシーンがやたら頭に残る。強がり•寂しさ‥だんだん自分の指示でなく動く夫に対する感情。
    すごく切ない。
    始めてしまったことに対する終止符の打ち方。恨み•悔しさ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「何を感じたか聞かれると困る。」
      実は観逃してるのですが、この監督も5本の指の一人。
      色々な思いを掬い上げる作風(と勝手に思っている)。...
      「何を感じたか聞かれると困る。」
      実は観逃してるのですが、この監督も5本の指の一人。
      色々な思いを掬い上げる作風(と勝手に思っている)。だから、掴み難いのかも、、、
      2014/05/15
  • 劇場にて。

    女はしたたかで強い。

    えぐい一歩手前の演出はさすが西川美和さん。

  • 亭主が他所の女と関係を持ったと知った途端、別人のようになる妻。
    やっていることは愚かだし虚しい。執念だし復讐だ。その姿は単純に恐ろしく見えた。が、義父と話しながら涙を見せたりするのもその同じ人と知ると愛おしい。どちらも本当だ。猜疑心や罪悪感や嫉妬にまみれて生きるのって、それが人間だと美化してしまえば文字通り美しく見えるかもしれないけれど、美化の域を出ない。性質そのものを美しくする努力が要る。そういう雰囲気は出てなかったように感じる。最後に何かを感じて寄り添おうとしたのに、できなかったからあのエンドになったのだろう。すれ違いが生む切ない終わり方。結局逃れられなくて受け止めるしかない。愛とか語るような器もないけれど、愛ってこういうのよりもっと大きいものだと思う。

    (20130903)

  • 西川美和監督の作品は毎回衝撃を受ける。

    松たか子の演技力のすごさ。
    なんでもない風を装いながらも、ものすごくしたたかで、ものすごく執念深い女の人の心を演じているあの感じ。誰でも少なからず持ち合わせている感情だと思う。

    愛って偉大だしすごいパワーのあるものだけど、その分、壊れやすいものなんだな、って。こわしちゃってるのは誰でもない自分たちなんだな、って。

    お友達の役者さんも出ていて、普段の彼とはあまりにかけ離れていたチンピラっぷりがツボって思わず観終わった後にメールしたw
    肩で風切る感じが最高だったよw

  • あの火災さえなければ…

    一見幸せそうな日常の中でも、時折見せる松さんの表情にゾッとする。

  • 夢は、見るものじゃない
    叶えるものでも与えるものでもない。
    夢は、売るもの。

    うっかりできた、万にひとつの心の隙間に夢見心地を売りつける。

    相手が弱っているときがチャンス!
    刺激に飢えているときがチャンス!
    虚しくて惨めな心の隙間に、優男の九州なまりがジャストフィットで染み渡る。

    電車内、スポーツ新聞で顔を隠しながら偵察する松たか子が良かった笑
    隠れファンとしては、
    オナニーシーンやナプキン付けたり半ケツ出したりする演技が見れて満足です。

    『他人の亭主の上澄みをぺろっと…』みたいな、松たか子の嫉妬心をズバリ言い当てた阿部サダヲの台詞もなかなか。

    やっぱり、『映画化』された原作や脚本よりも、最初から映画を撮る為に作られたものが好き。

    西川美和監督グッジョブで―す✨

    2012年11月10日 

  • 相手を想う愛から相手の夢に乗る愛への進化は、より自分を消す作業がいるのだと思いました。
    しかし二人以上で何かを目指すには、そこに愛があっても、どうしても行き違いが生じてしまうのだと思いました。
    松たか子の素晴らしさを改めて感じました。七光りを超えて多才であり、魅力的な人だと思いました。
    阿部サダヲと松たか子の組み合わせは、観る前の印象とは異なり、二人とも情熱的な演技で、たしかにこのキャスティングは間違いないなと思いました。

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著者プロフィール

1974年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。在学中から映画製作の現場に入り、是枝裕和監督などの作品にスタッフとして参加。2002年脚本・監督デビュー作『蛇イチゴ』で数々の賞を受賞し、2006年『ゆれる』で毎日映画コンクール日本映画大賞など様々の国内映画賞を受賞。2009年公開の長編第三作『ディア・ドクター』が日本アカデミー賞最優秀脚本賞、芸術選奨新人賞に選ばれ、国内外で絶賛される。2015年には小説『永い言い訳』で第28回山本周五郎賞候補、第153回直木賞候補。2016年に自身により映画化。

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