- Amazon.co.jp ・電子書籍 (150ページ)
感想・レビュー・書評
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私はいま海辺の地方都市に住んでいますが、時折自転車で港湾エリアに行きのんびりとした時間を過ごします。
この作品は、時間軸としては、たぶんかなり未来を設定としていますが、そんなことは気にしなくていいです。
日がなほとんど誰も訪れない辺鄙な場所にあるガソリンスタンドを過ぎた先に、主人公はカフェをひらいています。待ち人を思いながら。
ときどき、原付で街をまわったり少し遠出をしたりします。
ふしぎな飛行船がはるか上空で軌跡を刻んでいたり、侵食されゆく過去の建造物を海辺にみたり、子供のうちにしか出会えない存在に驚かされたりしますが、
昭和とも、未来ともとれる穏やかなノスタルジーの中過ぎる時間が愛おしい、そんな優しい作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
海が広がり、日本列島が小さくなった世界。
山の喫茶店を守るのはロボットのお姉さん、アルファ。
苦手なコーヒーを飲む練習をしたり、近所の男の子や女の子たちと海であそんだり。
郵便配達の仕事で独立して暮らすロボットとお友達になったりと穏やかな日々をすごしていく。
特に何か大きな事件が起きるわけではない。
身近な人は、アルファが親しい友人に囲まれて、独り立ちして暮らしていけるようにそっと見守っている。 -
まだ1巻目ですが、読んでとてもほっとして、清らかな空気や海風もふいてくるような気がしました。
まわりの人たちが、懐かしい感じ、あたたかい感じがします。
終末の世界、現代に生きていて、今は何だかとてもリアルに感じられます。天災、戦争、気候変動‥日々、何か不安な感じが空気をうすく覆っている感じがします。
そんな中でも、こんな風に、この主人公達みたいにゆっくり黄昏の世界を見つめていけるんだなと思うと、希望がある気がしました。 -
人類の文明社会が衰退していく近未来の日本を描いた本作。
ロボットであることが一つの個性として認められる世界で紡がれる物語には、時に美しささえ感じてしまう。
滅びゆく文明社会とレトロな雰囲気でゆっくりと流れゆく日常が絶妙な対比の1冊。 -
とりあえず1巻のみ。いわゆる「心地よい破滅」系のSF作品。緩やかに終末に向かう世界の中で、ゆったりゆつまくり日々が過ごされる。まだ、世界観が描き切れていないが、これから厚みを増していくのだろう。
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世界観がまだつかみきれてないけど、とても良い雰囲気だけはわかった。