第三の時効 (集英社文庫) [Kindle]

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  • 集英社
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感想・レビュー・書評

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  • 警察小説好きなのに、横山秀夫好きなのに、なぜか読んでいなかったこの一冊。さすが名作といわれるだけの読み応えで、謎解きはもちろん人物描写や感情描写が秀逸すぎる。3人の班長のバラバラの個性が、かえって全体の統一感につながっているあたりもさすが。話題の新作も早く読まなきゃ。

  • F県警捜査第1課で、凶悪事件を担当する3つの班が追う事件の数々を描いた6つの短編。
    それぞれの班の班長は全くキャラクターが違い、捜査方法にも特徴がある。そして、互いに犯人を挙げる件数を競っている。

    1班の朽木の過去が、それぞれの短編の裏に見え隠れする。
    23年前に起こした犯人追跡中の事故で、父親の知れない、耳の聞こえない子供を車で轢いてしまったのだ。
    「二度と笑わないでください」そう言った母親の表情の裏に、「この子は生まれてこない方が良かった」そんな感情を探していた。表面に見えるツラの皮を剥がした人間の本性を。

    刑事たちは犯人を追いつめ、否認するその裏側の本性を抉り出していく。

    読み応えのある正統派刑事物だ。

  • 警察小説なんだけど、短編だから腐敗がどうのとかそう言うアレにはあまりならない所が良い感じ。
    とは言え、警察内部の重々しい雰囲気と、派閥争いみたいなアレは当然あるんだけど。
    これくらいの感じなら警察小説も良い感じに読めるんだけど、汚職とかばかりがピックアップされるのはどうにもなあ。

  • 2018/11/09

  • 殺人事件の時効成立目前。現場の刑事にも知らされず、巧妙に仕組まれていた「第三の時効」とはいったい何か!? 刑事たちの生々しい葛藤と、逮捕への執念を鋭くえぐる表題作ほか、全六篇の連作短編集。本格ミステリにして警察小説の最高峰との呼び声が高い本作を貫くのは、硬質なエレガンス。圧倒的な破壊力で、あぶり出されるのは、男たちの矜持だ――。大人気、F県警強行犯シリーズ第一弾!

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    横山/秀夫
    1957年東京生まれ。国際商科大学卒。上毛新聞社で12年間記者として勤めた後、フリーライターとなる。1991年『ルパンの消息』が第9回サントリーミステリー大賞佳作に。1998年『陰の季節』で第5回松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年『動機』で第53回日本推理作家協会賞・短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • F県警強行班係の3つの班の班長達の話。朽木、楠見、村瀬の全く違うキャラクターの3人だけれど、どの人の部下にもなりたい。短編集なのに中身が濃い本格警察ミステリは、まさに「硬質のエレガンス」!(帯の表現)

  • 横山さんの代表作、F県警シリーズ。

    その中でもこの短編集は、本当に傑作だと思います。



    前に文庫本で読んでいましたが

    今回Kindle版が出たので、購入。

    一度読んでいてもとっても新鮮な気分で読めました。



    事件とともにF県警の強行班係の3つの班の刑事たちの

    人間模様がまた見どころ。

    横山さんの得意とする心理描写が、自分にも同化して

    一気に話の中にのめり込ませます。

    朽木、楠見、村瀬の3人の班長たちの部下になった気分は

    ハラハラドキドキです。



    こんなに読み返したいサスペンスはなかった。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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