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- / ISBN・EAN: 4907953043459
感想・レビュー・書評
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ホドロフスキーが商業的に作った…はずが全くもっていつものホドロフスキーでした。ただストーリーがエル・トポやホーリーマウンテンに比べしっかりしているため見やすい。サーカス団やピエロ、小人症に巨人症、ダウン症などのゴヤ感も健在。ラストに支配されていた母親を殺した後のカタルシスは素晴らしかった。
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官能猟奇の絵巻物
悪魔の中の天使
悲劇と喜劇が入り混じる多面性
親に愛されたいのは子供の本能(血)
足枷を受け入れ、乗り越える為の愛
気付いた時にはもう遅かった
気付けただけまだマシだった
悪魔になりきれなかった無垢な天使
人々の生活は道化の中にあるのかもしれない。 -
原題:Santa Sangre
レンタルで鑑賞。
クラウディオ・アルジェントが関わっているとは知らなかった。
内容は、実際にあった事件を元にしているらしい。
両親の影響力、悪く言えば両親からの呪縛と言う点で、アレハンドロ・ホドロフスキー監督とダブる。
思い込み、刷り込みでしかないのだが、それが与える影響は多大で、一人の人間の人生を容易に狂わせる。
人は良くも悪くも、他者と交わることで影響を受けずには生きられない。
最後に自らの意思で両腕を挙げたのは、彼にとって呪縛から解放された証なのだろう。 -
『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』の二作を観てこの監督とは合わないなあと思ってたのに…これストーリーが分かるっ!!(笑)しかも好み。
監督の描く象徴的なモチーフの羅列が今回は分かりやすく、また主人公フェニックスの腕の動きが美しくて悲しい。宗教的なものや障害者が描かれているのは監督の他の映画と同じだけれど、サーカスが舞台となっているためそれらの毒々しさが納得できる。街の貧困や荒廃具合と幻想的な映像とが合わさり、主人公を救う口のきけない少女がまるで荒れた地に舞い降りた天使のようだ。児童虐待により歪んだ少年と、それでも真っ直ぐさを持ち続ける少女の悲しいラブストーリー。