アルバート氏の人生 [DVD]

監督 : ロドリゴ・ガルシア 
出演 : グレン・クローズ  ジャネット・マクティア  ミア・ワシコウスカ  アーロン・ジョンソン  ジョナサン・リス・マイヤーズ 
  • トランスフォーマー
3.35
  • (14)
  • (40)
  • (47)
  • (17)
  • (4)
本棚登録 : 254
感想 : 49
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4522178009945

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 男にしか見えなかったアルバート。
    しかし海辺を駆けるシーン、解き放たれた彼は「少女」のようだった。
    アルバートはレズビアンなのか、トランスジェンダーなのか、はたまたクエスチョニングなのかは、作中で明らかになっていない。
    ただ「男」にならなければ生きていけなかった時代(現代日本以上に)。
    性別という概念だけでは説明のつかない、世間と運命に翻弄されたひとりの人間の哀しい物語だった。

    個人的感想。
    ペイジが物凄くかっこいい。
    上背があるぶん、アルバートよりも男らしく見えていたのだが…
    ペイジの自宅でアルバートが出自を語るシーン、アルバートがぽつりぽつりと吐き出す言葉に静かに耳を傾けるペイジの、あの表情。
    母のような、慈愛に満ちた存在に見えた。
    あと、結局ヘレンも掻っ攫っていく(と思わせる描写が)あたり、ペイジやるなぁと(笑)
    勿論、ペイジはアルバートの意志を継いでヘレンを匿おうとしてるんでしょうけれども。
    彼にはキャスリーンが全てだったようですしね。
    やることがイケメンなんだよなぁ。

    というわけで、報われなさや物悲しさのある話でしたが、私はとても好きでした。
    性別ってなんだろうなと、天井を眺めながら考えこんでしまうくらい、余韻の残る映画。
    あとはやっぱり、グレン&ジャネットの演技が◎。

  • 余韻が残るというか、あとに引く映画...というより後に引きずる、の方が近いかもしれない。

    いろんなことが整理できず、また新たな意味を思ったり、分からなかったり。。
    最後の終わり方も、あまりにあっけない。すっ、と風がカーテンを揺らす、ただそれだけかのように去ってしまった。

    グレン・クローズはこの脚本を30年あたため、人を集め、そして自ら演じたらしい。
    それだけの歳月をかけ、演じた主役がこの幕引なのかと思うと、グレン・クローズは一体どんな人なのだろう。

    アルバートが男装の身繕いしているときの違和感(回りは騙せても自分は女性であることを知っているから?)、
    ドレスで海辺を歩くときの違和感(端から見れば普通かもしれないがもう女としては生きていけないことを自分は知っているから?)

    色々なシーンがなかなか頭を通りすぎてくれない感じ。

    でもドレスで思わず走り出してしまうアルバート氏の笑顔と、馬車の上で、お店を開く自分を想像したときの笑顔のなんと幸せそうなことか!

    明るさや希望のほとんどない物語のなかで、あのアルバート氏の笑顔とヒューバートの幸せな家庭だけが偽りなく、輝きを放っていたように思う。

  • 重々しい雰囲気と昔のイギリスの暮らしを堪能できてよかった。女性性を捨て、男性として生きることを決めた主人公という設定はとても良かったが、ところどころ疑問はある。

  • ヒューバートすてきすてき!!

  • 19世紀のアイルランドで性別を偽って生きる女性の姿を描いた人間ドラマ。

  • 最初はグレン・クローズの男装にとっても違和感があったのですが、見ていくうちにその印象が変わっていき、アルバート・ノッブス氏が女性の服を着るシーンでは逆に、どう見ても男性が女装しているようにしか見えなくなってしまう。それだけグレン・クローズの身体の動かし方が男性そのものになっているということで、それには驚嘆させられる。ただ、アルバート・ノッブスがどうしてそこまでヘレン・ドーズとの「結婚」にこだわったのかが正直、よく共感はできなかった。もちろん彼には彼女との結婚こそが唯一の解決策に見えたのであろうが、こちらとしては「何もそこまでしなくとも」とは思うのであった。

  • せつない映画だった。
    でも観客にすり寄るようなハッピーエンドじゃなくてよかった。
    アルバートがドレスを着て海岸を駆けるシーンには胸が熱くなった。

  • 女性が男装して人生を過ごす。今の時代なら認められているけど当時は隠し通さなければならないから難しかっただろうな。
    ただわからないのは、生きて行くために男装してたはずなんだけど、アルバート氏はいつかお店を持ちたいと思っていた。そのお店にはワシコウスカさん演じるヘレンのようなかわいい子に店番をさせたい。そして夫婦として一緒に暮らしたいという気持ちを持っていた。つまり心もそっち系ってことかな?
    話の筋は面白いことはおもしろいのだけど、女性が男性のふりをしている姿は正直言ってみたくない。
    今まで見る気になれなかったのはそれが理由だと、見終わってわかった。
    男装していたのはアルバート氏ともう一人、大男のミスターペイジ。ジャネット・マクティアさんが演じている。1992年のwuthering Heights嵐が丘で女中のエレンをやった人だ。エレンは嵐が丘で起こった出来事を一部始終見てきた。その話を語って行く重要な役だ。すごくきれいで魅力的な人だったけど、このアルバートで見事に男性になりきっていた。うまかった。でも男装役をみて心地よいとは思えなかった。
    この映画で出る幕が少なかったけどピリリッとしてたのがジョナサンリースマイヤーズ。相変わらず素敵だった。このホテルで働いているメアリーがThe TudorsでJRマイヤーズ演じるヘンリー8世の妃キャサリンを演じたマリア・ドイル・ケネディ 。久しぶりに二人一緒のお姿を見れてうれしかった。
    ヘレンとジョーは愛し合うが最後妊娠を知りジョーはヘレンを捨てて一人新天地に行ってしまう。ひどい男ジョーを演じたのはアーロンジョンソン。私の今一番のお気に入りのイケメン。


    アルバート・ノッブス - グレン・クローズ
    ヘレン・ドーズ - ミア・ワシコウスカ
    ジョー・マッキンス - アーロン・ジョンソン
    ヒューバート・ペイジ - ジャネット・マクティア
    ヤレル子爵 - ジョナサン・リース=マイヤーズ
    メアリー - マリア・ドイル・ケネディ

  • ALBERT NOBBS
    2011年 アイルランド
    監督:ロドリゴ・ガルシア
    出演:グレン・クローズ/ジャネット・マクティア/ミア・ワシコウスカ/アーロン・ジョンソン

    舞台は19世紀のアイルランド。ホテルでウエイターとして働く初老の男性アルバート氏ですが、実は彼・・・もとい彼女は女性。ぱっと見、小柄で華奢だなあとは思いますが、初老ということもあり男性にしか見えない。なぜ彼女がそのような生き方を選んだかは、おいおい明かされていきますが、ひとつには時代背景として、女性が一人で生きていく(自立して働く)というのが今よりずっと難しかったというのもあるのでしょう。

    経緯は違えど同じような生き方をしてきたヒューバートとの出会いがアルバートの意識も変えてゆくのだけれど、(この二人の、女の友情とも男の友情ともつかない関係は、なんともいえない深さ!)アルバートが恋した女の子ヘレン(ミア・ワシコウスカ)にはろくでもない恋人(※もちろん男。最低だけど目の保養にだけはなるアーロン・ジョンソン)がいるし、アルバート自身も苦労人のわりに純粋というか天然なところがあり(なんだか可愛いんだよねえ・笑)、どうにもこの恋は成就しそうにない・・・

    最終的に、けしてハッピーエンドとは言えない終わりを迎えるのだけれど、それでも人生の最後に「恋」を知ることができたアルバートは、もしかしてそれを知らない人生より幸福だったのかもしれない、と思わせられるのがせめてもの救い。
    (2013.05.24)

  • 演技、衣装が良い。画面の色が綺麗。

全49件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1959年8月24日、コロンビアに生まれ、メキシコで育つ。映画監督、脚本家。父はノーベル賞作家のガブリエル・ガルシア=マルケス(1928-2014)。ハーヴァード大学で中世史を学んだ後、アメリカン・フィルム・インスティチュートへ。これまでに、10本を越える長編映画を監督している。脚本家、撮影監督、演出家としても活躍中。

「2021年 『父ガルシア=マルケスの思い出』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×