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感想・レビュー・書評
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地方書店発ベストセラー、遂に電子化!
「集落営農」は合理的に農作業や農業経営を進めていくための方法です。 共同利用型と作業受託型、協業経営型の3つがあり、それぞれ機械や施設を利用する仕組み、作業を共同で行うスタイルなどが異なります。 共同利用型は、参加する農家で機械や施設を共有するスタイルです。
「限界集落」、「市町村合併」、「食糧危機」、「ワーキングプア」、「格差社会」などなど日本に山積する様々な問題を一掃する、前代未聞! 逆転満塁ホームランの地域活性エンタテインメント!!
起業のためにIT企業を辞めた多岐川優が、人生の休息で訪れた故郷は、限界集落と言われる過疎・高齢化のため社会的な共同生活の維持が困難な土地だった。優は、村の人たちと交流するうちに、集落の農業経営を担うことになる。現代の農業や地方集落が抱える様々な課題、抵抗勢力と格闘し、限界集落を再生しようとするのだが……。
ルールは変わった!
老人、フリーター、ホステスに犯罪者? かつての負け組たちが立ち上がる!!ベストセラー『万寿子さんの庭』の黒野伸一が、真正面からエンタテインメントに挑んだ最高傑作! 地方書店発のベストセラー待望の文庫版を電子化!!新しい公共がここにある!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なかなかどうして、小説のようにうまくいかないもんよ。田舎暮らし悪くはないけど、仕事は必要。農業じゃなくても。
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人口の50%以上が65歳を超え、
共同体の機能維持が限界に近づく集落を
「限界集落」というらしい。
寂れた麓の町をさらに上った中山間地域の村。
若者は数えるほどしかいない。
産業はない。
畑を中心とした農業があるだけ。
そこにIT企業を辞め、
束の間の休息を過ごすため男がやって来る。
男と村人の交流がやがて大きな計画に育つ。
小さな集落の大逆転物語。
最近、自炊を始めた。
見栄えのいい立派なものは作れない。
土井善晴さんの「一汁一菜」に倣い、
ごはんと具沢山の味噌汁、
何か一品というラインアップだ。
八百屋さんに行くと、
たくさんの野菜が並んでいる。
肉類に比べると、その価格は安い。
意外に肉類なしでもお腹は膨れる。
その影響で少しだけ畑仕事も始めた。
自分で作ったものを収穫し食べる。
生活はこれで回るなと実感する。
何もたくさんのお金は必要はない。
健康な体があり、日々農作業ができれば、
自分一人であれば食っていける。
一方で家族を養い、集落が発展するには、
お金が必要にもなる。
どう生きるか、どこで生きるか、
誰と生きるかを考えさせられる。 -
いま、執筆活動のために限界集落について本を読んでいて、その中の1冊。
エンタメとして面白かった。特に、登場人物みんなに良い所悪い所があって人間らしい。
ただ、イマイチ入り込めなかった…おそらく、この集落のために立ち上がるエリート主人公の多岐川優に、特別失うものがないせいかなぁ。(後半、追い詰められていくけれど)
総務省の調べだと、2019年4月の段階で全国に限界集落は2万372か所。
サクセスストーリーを読みながら、どうしても日々消滅していく集落の方に想いを馳せてしまう。 -
自分の故郷が、過疎化して、限界集落になっている。銀行マンだった多岐川優が、仕事を辞めて充電のために、BMWで故郷の実家に戻る。農村のおばあやおじいの接し方が不思議と居心地が良く、その村を復興させようとする。限界集落に営農集団の株式会社を作ろうとするのだった。
多岐川は虫が嫌いで、野菜が嫌いだった。もっぱら、部屋に閉じこもって、パソコンの作業をして、計画を練るのだった。正登と美穂の父娘。あかね、三樹夫、千秋の3人の農業研修生。が、村の活性化に大きく関わって行く。正登は出戻りであるが、村のリーダーとして働く。美穂は農業が好きで、農業の現場責任者となる。あかねは営業のセンスがあり、色気もあり、押しが強い。千秋は漫画がかけることで、ベジ坊や「野菜のくず」キャラクターで人気をえる。三樹夫は、ホームページとネット販売を担当する。結構 村の再生の方法は役割分担ができている。
ピーチかぶ、もちとうもろこし、そして高原野菜と差別化できる農産物も持っている。エコ野菜として減農薬から始め、有機農業にも少し挑戦する。猿やイノシシの獣害にも会う。
そんなこんなで、利益を上げることができ、多岐川はファンドで東京に戻ることを考える。
アミューズメントを作って、ファンドからお金を集めることに。
社屋、レストラン、ミュージアムを作る。このミュージアムがポイントだ。創造農村の核心でもある。農業をしながら、アニメの仕事をとるという半農的スタイルが取り入れられる。
就農を希望する人も、厳しく厳選する。
ところが、あかねのDV夫が駆けつけ、あかねを拉致しようとすると正登が止めようとすることで傷害事件が起こって、その村の事件として炎上する。信用をなくし、ファンド投資者が引き上げをするが、なんとか切り抜ける。そして、多岐川と正登は。
ふーむ。ハッピイエンドがいいねぇ。 -
過疎化により近い将来なくなってしまうだろう小さな農村の再生物語。読んだ誰もが思うだろう「こんなにうまくいかないでしょ」はやっぱり思いますが笑、アイデアは詰まってるのかもしれない。過疎化は大変な問題だが、そこを乗り越え安心して楽しめるのが魅力かも。
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「限界集落株式会社」(黒野伸一 )[電子書籍版]を読んだ。面白いんだけど、『簡単にいろいろうまくいきすぎなのでは感』を拭えない。
あ、いや、だから最初にも書いたけど、面白いんですよ。 -
黒野さんの鍵屋の小説が面白かったので、続けて読んでみました。
数年前にNHKでドラマ化された物語ですよね。ドラマのストーリーも登場人物も、あんまり覚えていなかったけど、小説を読んでいるうちに「あ、ドラマのほうは、大まかな設定だけを利用した、別の物語だったのね」と気が付きました。
若者が流出し、農業としても衰退の一途をたどる村の再生物語を、軽快なテンポで描いていて、後味の良い小説でした。
小説では、多岐川優(都会からやってきたコンサル青年)、正登(農家…といっても数年前に村に戻ってきた)、美穂(正登の娘)の3人の視点で入れ代わり立ち代わり記述される形式。視点が3つあるので、いろいろな側面から物語を見つめることになるのだけれど、微妙に踏み込みが浅かったような気もする、かな? うん、でも、面白かった。
続編が出ているらしいので、読んでみよう。