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感想・レビュー・書評
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2011年から2013年にかけて、CERN の陽子-陽子衝突型加速器 LHC で Higgs boson が発見されたというニュースが世界中を騒がせたのは記憶に新しいが、原著はまさにその直前に出版されている。素粒子物理学者 Lisa Randall が LHC とその実験の背景を詳述した(ただし一般読者向きで、数学的な記述は一切含まない)一冊で、極めて冷静な筆致ながら、LHC が爆発事故を乗り越えて再稼働を開始した直後の興奮と期待を伝えていて興味深い。
邦題は「宇宙の扉」となっているが、宇宙に関する記述は全体の 2割程度で、大半は素粒子の標準モデルと LHC に関する記述に費やされている。政治的な基礎研究費削減に反対するためか、基礎研究の社会的な意義(CERN は加速器より WWW の発明の方が有名だろう)や、宗教との関わりについても記述されているが、やや冗長。物理の話だけに絞った方が良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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