レヴィ=ストロース入門 (ちくま新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • けっこう難解でわかりにくい構造主義を比較的(ここが重要)分かりやすく解説した本。ただ、既存の構造主義の誤りを正す意味があるので、入門書というよりもレヴィ=ストロースの表面的な哲学を勉強してからのほうが腹落ちするかもしれない。とりあえず思ったのは「歴史=変化の積み重ね」であるという点。俗にいう未開社会が歴史を持っていないのは、彼らが変化を意図的に取り入れなかった結果であり、単に社会そのものの構造が西欧のそれとは異なることを示してくれている。余暇があれば、もう少し別の本も読みたい。

  •  私達の歴史感は、現代が良いものという前提をもとに過去を相対的に位置づけていないだろうか? また、そんな歴史観が未開の民と自文化を分断していないだろうか?
     そんな固定観念を壊してくれる本書。
     そもそも現代科学文明も、その<構造>はそのままに<変換>されたものかもしれない。古代の呪物が現代科学の利器に置き換わったのだけなのではないだろうか。それゆえ、利器に守られた日常がそれを失った時に壊される恐怖があるのかもしれない。
     また自分探しやアイデンティといったものが、それが結局は自己を生きることから遠ざけているのかもしれない。レヴィ=ストロースもまた「無我」の中にあったのではないだろうか。

  • ブリコラージュについて学びたい。

  • レヴィ=ストロースの思考について著者なりの紹介をされています。特に構造主義という名前が先に走り、間違った理解のされ方をしていることについて。本来の思考をレヴィ=ストロースの著作を紐解いていくことで辿られています。それを1冊に纏められていますが、それには無理があるのではないかと思うくらいに深い世界であることを感じながら読ませていただきました。難解な考え方の理解の入口として、その世界を感じることができる、入門という意味での書かと思います。主として構造主義という考え方がどういったものであるのかということを学べる内容となっています。ここからレヴィ=ストロースの世界へと足を踏み入れていく契機となるものでした。

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著者プロフィール

1954年、新潟県生まれ。成城大学文芸学部教授。専攻は文化人類学。著書に『レヴィ=ストロース入門』(筑摩書房)、『構造人類学のフィールド』(世界思想社)など。

「2005年 『プロレスファンという装置』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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