感じる科学 [Kindle]

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  • サンクチュアリ出版
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感想・レビュー・書評

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  • Amazonの評価が二分されていたので、興味を持って購入。

    うーん、評価が難しい。

    まず言えることは、例えとして持ち出しているダックスフントの話とか、女の子がどうとか、そういう話が軒並みつまらん、ということ。著者は面白いと思って書いてるんだろうけど、僕にとってはクソつまらなかった。ダダスベリってやつです。スベったことによる苦笑いみたいなのも一切なくて、ただ単につまらないだけ。あの内容を全部取っ払ってほしかったわ。

    大半が相対性理論と量子論の話。タイムマシンもそこにつながると言えばつながるかな。まあ確かに現代の物理学のベースはそこになるのだけど、物理学以外のところの領域があまりにも少なくて。だったら最初から「科学」ではなく「物理学」にして、そっちに特化したほうが良かったんじゃないの?と思う。

    「発明」と「進化論」のチャプターがあまりにも浮いちゃうんだよね。だったらないほうがいいよね、という風に感じる。

    あと、分かりやすさを重視して、という話だけど、ここは少々気になるかな。必ずしも分かりやすいわけじゃないし。例え話がウケ狙いでスベってるので、知らない人からすると完全に頭に入ってこないよね。それに全体的には「科学、とりわけ物理学を一度は勉強したことがある人」が対象だな、とは思った。純文系の人には結局良く分からん、という話になりそうな気がする。

    それでも、知らない人がとっつきやすいように、という取り組み自体は素晴らしいと思うし、合う人にとっては非常に分かりやすい本になるかも知れない。

    ただ、一番注意しなくては行けないのは、本書を読んでも科学は「分からない」ってことは、ちゃんと伝えないといけない。あくまでも本書は「分かった気になる」ものであって、ちゃんと理解するには別の本を当たったほうがいい。

    そういった記載はないので、その点は少々残念かな。

    とは言え、物理学や量子論に何となく触れてみたい、という人には、とっつきやすい本ではあるかな。

  • 「本書はバカバカしい本です」と著者がいう通り、難しい数式などは一切なく科学的な疑問をわかりやすく伝えるという趣旨の本。

    本書扱う科学は、宇宙の話がメインで他には進化論の話なども少し。

    たとえ話(というか妄想?)が多いのですが、そのたとえ話の着眼点が面白い。

    例えば、色の項目では「色がなくなったら私たちはどうやってスライムとスライムベスを判別すればいいのか?」というコメント

    確かに困る。スライムかと思ったら、めっちゃダメージ受けてやられてしまう。一応、スライムベスの方が一回り大きかったんだっけか?

    ちゃんとした科学の話も色々と知ることができるのも魅力だ。

    本書によると、光速に近づくと、モノの長さが縮むという。
    光速の90%で長さが44%に、光速の99%の速度ならなら長さは4.4%まで縮小される。
    著者はこれにより、ダックスフンドが犬らしいボディになれることを指摘している。

    こんな感じで、壮大な科学の話からの、急に身近な例になる構成がクセになる。

    次はどう来るんだ?と待ち構えてはかわされる(笑)。

    以下で本書を読んで面白いと思った点を紹介します。

    ◆宇宙での時間変化

    宇宙では、時間の流れが地球上とは異なる。

    人工衛星では、スピードによる時間変化と重力による時間変化があり、前者の影響で1日に100万分の45秒進み、後者の影響で1日に100万分の7秒遅れる。

    ちなみに光速に近いスピードで3年間旅をすると、地球上であなたは会社を60年間休職していた人になるので、無事復帰できるかはわからないという。

    ◆高速に近づくと重くなる
    高速移動中の物体は質量が重くなる。
    光速に近づくと、イチローも地球より重くなる。

    ◆特殊相対性理論の応用法
    新幹線が通過する瞬間にパンチを出すと、両方とも「お前のパンチ、止まって見えるわ!!」状態になる。

    ◆場所によって重さが違う話
    北極点と赤道では重さが0.5%違う。60kgの体重なら300gか。ボクサーなら0.5%でも結構影響でそう。最近は補正してくれる体重計もあるそう。

    ◆ゴーストについて
    壁をすり抜けるなら、床もすり抜けないとおかしいし、
    落ち続けて地球の中心はゴーストだらけになる。

    重力を受けていない設定では?
    →重力を受けていないなら質量は0。質量0なら光速で移動することしかできない。
    ・・・なるほど

    ◆光を曲げるためには
    地球の6倍の質量のブラックホールを置けば、光を曲げ、前を歩く女性のスカートの中を見ることも可能。ただし、全てが吸い込まれることになるだろう。

    ◆量子ゼノン効果
    「あるものの状態を変化させたくなければ、頻繁に観測すればよい。」という理論らしい。
    ・・・そういうものなんだろうか?

    ◆テレポーテーションについて
    テレポーテーションとは、自分と同じ存在を別の場所に出現させること。
    時間が来れば消えるような設定をして置けば、テレポーテーションの実用化もできる?

    ◆透明マント
    景観を損ねるからと高層ビルを透けさせたら、鳥はガンガンぶつかるのが課題

    ◆コールドスリープ
    コールドスリープの歴史は古く、ピラミッドやミイラも一種のコールドスリープだという。
    著者の、「亡くなってからコールドスリープしても、復活したとき高齢者」だから意味ないという理論はなるほどと思った。

    ◆宇宙で背が伸びる話
    宇宙では身長5cm伸びます。ただし、もともとある程度の身長がないと宇宙飛行士の試験を合格できない。

    ◆人類滅亡の危機
    1996に1996JAという小惑星が月と同じくらいまで接近。ぶつかっていたら広島原発10万発以上の威力だったというが、発見されたのはなんと通過の5日前だった。

    なにそれこわい。

    ・・・衝突は確率の問題だから、宇宙開発は進めないといずれ人類滅ぶのでは?と思った

    ◆ダークマターとダークエネルギーについて
    星の重力だけでは説明できないほど、光が曲がっている→見えないし正体不明だけどなにか重力を発生させる物質がある→それが暗黒物質(ダークマター)

    宇宙にあるエネルギーは、5%が星やガス、25%が暗黒物質、75%がダークエネルギーだという。

    このダークエネルギーは物理法則が他の物質とまるで逆で、ダークエネルギーは斥力を持ち、空間が広がっても密度が変わらないという。

    ・・・初めて知ったけどさすがに理論が自由すぎる感じする。今後何かわかったら理論が変わったりするのかなと思った。

    ◆動物園説
    宇宙人はずっと前から地球という未開の星を発見しているけど、未開な地球人の生態系を壊さないように地球近隣を立ち入り禁止区域にして今も姿を隠して密かにその成長を見守っている、という動物園仮説。

    著者のこの理論で考えると、「UFO見かけたら撃墜したくなる、現地民なめんな」みたいなコメントが面白かった。

    ただ実際、マチュピチュの遺跡などは当時の建築技術を超えているそうで、宇宙人の関与が考えられているらしい。

    ◆進化論
    キリンの首が長くなった理由。
    上の葉を取るために頑張って長くなったわけでなくて、少し首の長いやつが生き残った。それを繰り返して今の長さになったということ。

    ◆偽物で優位性を失ったオオカバマダラ
    オオカバマダラが不味さで天敵から身を守っていたのに、不味くもなく毒もないけど姿を似せた種が登場。これにより、鳥は勘違いしてオオカバマダラも食べるようになる、という、オオカバマダラには迷惑しかない偽物。知的財産権の侵害?

    ◆サメハダイモリの強すぎる毒性
    サメハダイモリは一匹で100人殺せるほどの過剰な毒力を持つという。

    なぜかというと毒に耐性がある天敵のガーターヘビとのいたちごっこの結果だという。

    「ドラゴンボールで言えば、切磋琢磨した悟空とベジータに対し、人間は完全に取り残されたヤムチャです。」とは著者の弁。

    ◆ウエストとヒップの黄金比
    ウエストとヒップの比率が7:10がモテるらしい。

    ◆人類の大先輩たち
    生物の先輩といえば、ワニ先輩とゴキブリ大先輩。海外のゴキブリは噛む。ゴキブリは元々森に住む虫で今も9割は森にいるという。

    ・・そいつらが街に出てきたら詰む、と思った。

    「後輩に手加減されるというのは屈辱なので、全力で叩き潰しましょう!」とゴキブリ嫌いな著者は言う。

    ゴキブリは下半身のセンサーで空気を察知して逃げるので、前からの方が叩きやすいらしい。

    ーーーーーー

    軽い気持ちで読み始めたら、かなり引き込まれてしまいました。
    ブラックホールでした(笑)。
    科学と哲学とネタの間どりしたような作品で、オススメです!

  • さくら剛の良書。
    小難しい内容をバカバカしいさくら剛の切り口で切り取ることで、とても分かりやすく仕上がっている。
    後書きにあったが、知識として事前に知らないと何かが発見された時に楽しめない。人生を楽しむためにも科学の知識をこの本のような噛み砕いて説明してくれる本などでアップデートしていけばいいと思う。

  • おもしろすぎたので、中学校の教室に置いていました。生徒から大人気でした。わかりやすく面白いので、この本をきっかけに物理に興味をもつ子が増えるといいなと思います。

  • 「ようするに、スイートピー自体に色がついているわけではないんです。」

    さくら剛さんの作品は、インド旅行記のものを以前に読んだことがあった。しかし、途中まで同じ作家とは気づかなかった。旅行記はとても卑近な書き方だったでの、まさか科学に造形が深いとは思わなかった。先入観は危険。

    難しい科学の内容について、やはり卑近な単語や例で説明されているので楽しみながら読むことができた。その中でも、
    ・足先より頭が早く歳をとる
    ・人体冷蔵保存 細胞は膨張して壊れる
    ・宇宙に外はない
    ・ミトコンドリアは必ず母親のものを引き継ぐ
    が特に私の興味を引きました。

  • 正確には「科学を感じる」だろうか。万有引力、光、相対性理論、量子論、宇宙、進化論、タイムマシンまで、定量的なのか定性的なのか良く分からないが、とてもイメージが沸きやすく分かりやすい。ただ非常に下品な記述なので、その点ご注意。筆者は「科学入門」の入門を意識して書いているので、科学の勉強をしようにも教科書がつまらなさすぎて手が付けられない人向け。あまりにバカバカしくて、さっさと理論を教えろ―って勉強のモチベーションがあがるらしい、筆者いわく。自分はそのようなターゲットではありませんが、科学をネタに楽しく読ませて頂きました。こんなアホな本を読んだの、6枚のとんかつ以来か。

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著者プロフィール

1976年静岡県浜松市生まれ。中程度の引きこもり。ニートの現状を憂い一念発起して旅に出かけ、帰国後Webサイトで各方面の旅行記を発表。常識に囚われない独特の書き方が話題を呼び、トータル50万ヒットを超える人気サイトとなる。著書に「中国初恋」(幻冬舎)、「三国志男」(サンクチュアリ・パブリッシング)がある。

「2009年 『インドなんて二度と行くか!ボケ!! …でもまた行きたいかも』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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