ビットコインはどのようにして動いているのか? ビザンチン将軍問題、ハッシュ関数、ブロックチェーン、PoWプロトコル [Kindle]

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  • tyk publishing
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感想・レビュー・書評

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  • 少し前にはやったビットコインについての数学的な背景を解説している書籍。
    仮想通貨と言われてわかったような、わからないような人向け。難しい数式は一切登場しないので簡単に読むことができる。
    ビットコインの本質は、中央管理者がいない場合で、複数人プライヤーがいるときにその中で、意思決定を共有できるか、ということである。これにはカッコいい名前がついていて情報分野ではビザンチン将軍問題と呼ばれる。
    肝は、複数人のプライヤーの中に悪意のある人間がいた場合でもプレイヤーがそれに惑われることなく意思決定を共有できるかというところ。

    この問題に対する解決策をコンピュータ上で実装したのがビットコインであるので。これを説明すればビットコインを説明した事と等しい。

    本書を読んでみると、やっていることはかなりシンプルであることがわかる。アイデアが素晴らしい。

    これは情報分野の一つの金字塔のように思える。
    ビットコインの成功はつまり、中央管理者がいない場合でも個々人が独立してネットワークを形成しても同じ結果が得られると示唆される。
    もっといろいろな分野での応用例が期待できそうである。

  • ブロックチェーンを分かりやすく学べた。

  • かなりわかりやすいと思うが、まだ今ひとつピンとこない部分もある。
    でも今までより確実にビットコインの見え方の解像度は上がった。

  • ビットコインの仕組みはビザンチン将軍問題(互いに信頼できない複数のエンティティ同士がどう合意を形成するのか)を解決するもの.
    ビットコイン(P2P電子マネー)の仕組みは信頼に値する権威,機関を必要とすることなく,合意形成ができる.

    合意形成ができる=通貨を使った売買,契約などへの応用.

    ビットコインとはどういう仕組みなのか,勘所を抑えられる.とてもわかりやすい.


    そして,おそらく一番感じたのはなぜ自分は2014年にこの本を読まなかったのか,ということ
    ->知らない,興味ない,有益さを感じないに手を出さない.小額をケチる.
    じゃあ今後どうしたらいいか
    ->知らなくても興味を持つ,何かあるかもしれない,小額をケチらない.
    2021年の今もそういう情報があるはず

  • 「ビットコインは、インターネットのユーザーが、固有のデジタル財産を他の人に転送することを、,初めて可能にした。そしてその取引は安心安全で、誰もがそれが行われたことを確認でき、その正当,性を誰も疑うことができない。このブレイクスルーの重要性は、どれだけ誇張しても言い過ぎること,ないだろう」 将来、このアルゴリズムを通して、契約をはじめとした、株券、債権、音楽やソフ,トウェアのライセンス、ドメイン名や土地の登記など、あらゆる所有権のやりとりが安全に低コスト,で行えるようになるかもしれません。,,ビットコインは、非常にシンプルな方法をとっています。すなわち、過去の取引の履歴をすべて記録,したデータベースを参照するのです。すべてです。全部のコンピュータが行った全部のコインの取引,について、すべてを記録して、一つのデータベースに収めておくのです。そのデータベースのことを,「ブロックチェーン(これは用語なので覚えてください)」と呼びます。それを参照するのです。,,1取引2マイニング3ブロックチェーン、この3つについて詳しく説明していくことに致します。,,ビットコインの取引は、 「すべて公開されており、ありえないほど透明だが、そのアドレスが誰のも,のかはわからない」という面白い性質をもつことになります。これをanonymous(匿名)に対して、,pseudonymous(仮名)といいます。,,ビットコインでは、秘密鍵=コインそのもの、ということがいえます。そのため秘密鍵のセキュリ,ティを守るということが、コインの保管上とても大切です。オンラインに秘密鍵をおいておくと、,ハックされて盗まれる可能性があり危険だといわれています,,ブロックチェーンというのは、すでに述べたように、過去の取引履歴の全データベースです。過去の,すべての取引(トランザクション)が含まれる巨大なデータベースです。これを参照することで、す,べてのことがわかります。,,ビットコインにおけるビザンチン将軍問題とは、全コインの取引履歴について、ネットワーク全体の,コンピュータが、たった一つの合意に達するということでした。全コンピュータが一定期間のコイン,の取引に関して、これが唯一正しいという同じ合意を形成し、それをそれぞれの保持するデータベー,スに新しい合意として追加していけば、このビザンチン将軍問題は解決します。 ビットコインで,は、10分ごとにブロックという単位で合意を形成し、データベースを維持しているというわけです。

  • 技術的な勉強のために
    うーん、あまり覚えていない。。。

  • 概要だけだけど分かりやすい。

    二重支払いを防ぐ事が出来ることについての認識ってこれで合ってるかな?
    あるマイナーが二重支払いの不正情報を流したブロックを作っても、他のマイナーによる事実と突き合わせた検証により、嘘の支払いに関してはマイナー間で検証結果が一致しないため、それが嘘だとバレる。
    よってそのブロックには後続ブロックが付かないモチベーションになっていく、ということかな。

  • 簡潔にまあまあまとまっている。ちゃんと勉強する前の予習くらいにちょうどいい。

  • 確かに初心者向けに平易に書いてあるのだが、そのせいで胃観戦内容が薄い。
    結局読んだ範囲は知っていることばかりで、その一歩先を知りたくて購入したのだが。
    買った私側のミスである。

    あと、本筋とは関係ないが誤字脱字が多すぎる。もうちょっと校正しようよ・・・

  • ビットコインが成し遂げた一番のことはビザンチン将軍問題を解決したところにある。ビザンチン将軍問題というのは、信頼出来ないノードがあるネットワーク上で合意形成は可能か、という問題。

    ビットコインの仕組みは
    1)取引の作成と通知
    コンピュータAがBに10BTC を送った、というようなトランザクションを他のコンピュータすべてに通知(ブロードキャスト)する
    ビットコインのアドレスからアドレスに送られる。アドレスの持ち主が誰かは分からないので匿名性が保たれる(ただし最近は口座作成や購入時に本人確認書類が必要になってきている)
    ビットコインアドレスのそれぞれに秘密鍵と公開鍵がある。コインの送金をするには秘密鍵を知る必要がある(秘密鍵が盗まれるとコインも盗まれる)

    2)マイニング
    ブロードキャストを受け取ったコンピュータは、数百から千の取引をブロックにまとめ、既存のブロックチェーンデータベースに新しいブロックを追加する。採掘者はここでブロックハッシュ値を見つける
    ビットコインではSHA-256 というハッシュ関数のアルゴリズムを使っており、この関数には何を入れても256桁の出力を返す。
    ハッシュ関数は一方向関数とよばれており、ハッシュ値からもとの数値を逆算することは出来ない(無数の入力をためしてたまたま同じ値になる以外には推測の方法がない)

    3)採掘が成功すると、新規ブロックのデータが全コンピュータに通知される。受け取ったコンピュータは過去のブロックチェーンを参照して二重払いがないか、電子署名があるか、を確認し、不正がないことを確認してから自分のブロックチェーンの末尾に加える
    2009にビットコインが始まって、2014.2までに28万のブロックが生成されている(blockchain.infoで参照できる)
    新しいブロックが出てきた時は、前のブロックのハッシュ値+新しいブロックの取引情報をハッシュ関数に入れて新しいハッシュ値を得る。
    この時、32ビットの適当な数(nonce)を加え、ハッシュ値の最初の17ケタが(16進数で)0になる値が見つかれば採掘成功。nonce とハッシュ値を含めたブロック情報を他のコンピュータに送る。この際、自分のアドレス宛てに新しいコインを送金するという取引を含めておく。
    17ケタというのは採掘の成功率を規定しており、現在は10分に一回ぐらい新しいハッシュ値が見つかるように設定されている。今後PCパワーが上がれば18,19と増えていく。いわゆる「採掘所」では一億台以上のPCパワーを消費している。

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著者プロフィール

ビットコイナー。2013年よりフルタイムでビットコイン及び暗号通貨の事業に関わる。ブロガーとして暗号通貨の技術を噛み砕いて紹介。Ethereumを日本で初めて一般むけに紹介し「イーサリアム」と翻訳した。暗号通貨の普及と、技術の育成を目的に活動している。(社)日本デジタルマネー協会理事、(社)日本ブロックチェーン協会アドバイザーほか、エンジェル投資家としてウォレットやクロスチェーン等の事業へ複数投資している。1975年生まれ。慶応義塾大学卒、外資系コンサルタント会社、起業等を経て現職。著書に『コンサルタント1年目が学ぶこと』(ディスカヴァー21)『3分でわかるロジカルシンキングの基本』など。

「2018年 『これからを稼ごう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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