ハワイの歴史と文化 悲劇と誇りのモザイクの中で (中公新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • この本は、実際にコロナ禍にハワイに旅行に行こうと思い、実際にハワイに行く途中の飛行機の中で読み、読了しました。

    ハワイの歴史といっても、カメハメハ大王以降のアメリカに統合され、移民が押しよせ、観光業が発展して現在に至る歴史の話です。古(いにしえ)のポリネシアの伝承の話は出てこないので、そこはまずタイトルに対して注意が必要です。

    2022年、ハワイでは物価が高いというのがTVで報じられる一方、ハワイアンのレストラン、コンビニなどでもハワイ特集のフードが
    キャンペーンで打たれたり、日本では今でおハワイアンの文化は人気で商業的に利用されています。
    日本から見たハワイは常夏の楽園であり、憧れの観光地ですが、それは比較的最近のことです。太平洋戦争の前から移民としてわたり、低い階層から頑張って地位を築いてきて今に至るという歴史を、著者は一生懸命紹介しています。

    日本からみたハワイの話であり、移民の話がメインです。
    最初の世代とそれに続く世代の違い、太平洋戦争中の戒厳令の話、当時の人々の生活を想像しながら読みました。
    恥ずかしながら、ダニエル・イノウエはホノルルの飛行場の名前になっていることは知っていましたが、実際にどのような日系人だったのか知りませんでした。

    ハワイは独立した国家を保てなかった。是非はともかく、それは事実。今もフィリピンのように独立はしていない。
    移民が多く押しよせ、強国アメリカに統合され、今も軍事的要所である。
    観光開発が進み、資本が投下され、巨大なホテルがワイキキビーチに立ち並ぶ。
    独立を保てなかった民族と土地の一つの形態として、歴史の一例として学ぶべきなのか。
    日本からの視点に終始している本書の範疇ではないけれど、そんなことをつらつら思いました。

    軍事的に重要な場所であり、自然が豊かであり、ハワイには独自の文化があったということは、今の変わりません。
    2002年初版で、内容はやはり古い気がする。それでも、一読の価値はある。

  • 参考文献も充実

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著者プロフィール

東京大学大学院情報学環教授

「2020年 『東大塾 現代アメリカ講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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