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- / ISBN・EAN: 4571390739628
感想・レビュー・書評
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閉塞感がとてもありました。
社会の底の方から抜け出せないのですが、それでも懸命に生きる人たち。堕ちたくて堕ちたわけでもないし、そこに甘んじているわけでもないのに。普段自分が目の当たりにしていないだけで、たくさんこんな家庭があるんだろうな、と思いました。
わたしは甘ちゃんなのだな。
影のある綾野剛さん、良いです。達夫は自暴自棄ですが人を思う心はありました。
池脇千鶴さんの空気も好きでした。菅田将暉さんも。この姉弟は抜け出したい、がままならなくて悲しかったです。
あの…千夏をお金で買ってた人には嫌悪感しかなかったです。菅田さんの山フラグかと思わせておいてこちらか…勝手に想像してただけですが。
拓児は救えなかったけど、千夏は助けられた。それだけが救いでした。
朝日が照らす海辺で、泣き笑いのような表情を浮かべる達夫と千夏のラストシーンが印象的でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
"そこのみにて"の"そこ"は、社会の底辺で生きる人のことを表していて、底辺での唯一の光が綾野剛演じる佐藤というところでしょうか。。
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立川シネマシティにて、『そこのみにて光輝く』を観た。
佐藤泰志が遺した唯一の長編小説の映画化。
佐藤作品の映画化は、2010年の『海炭市叙景』につづいて2作目。ブレイクすることのないまま、1990年に自ら命を絶ったマイナー作家が、四半世紀を経たいまになって脚光を浴びているのは皮肉である。
昔のATG映画(の青春映画)を彷彿とさせる、重く、暗く、湿った映画。しかし、そこがよい。この暗さこそが日本映画だと思う。
主要キャストが全員熱演を見せる映画だが、なんといってもヒロインの池脇千鶴が素晴らしい。『罪と罰』のソーニャのような薄幸のヒロインを、圧倒的な生々しさで演じて見事だ。『ジョゼと虎と魚たち』と並んで、彼女の女優としての代表作になるだろう。
映画自体にも、“もう一つの『ジョゼと虎と魚たち』”という趣がある。どちらも、過酷な環境の中にあるヒロインの元に、“王子様”がやってきて違う世界に連れて行こうとする話なのだ。
もっとも、『ジョゼ~』にあった軽やかさは本作にはなく、描かれる恋愛も、互いの深い孤独が共鳴し合うようなものなのだけれど……。
『ジョゼ~』の王子様・妻夫木くんは最後にヒロインの元を去っていったが、本作の綾野剛はヒロインがボロボロになっても寄り添いつづける。その意味では、哀しい結末ながらもハッピーエンドなのかもしれない。 -
堕ちる道を堕ちきることによって、
自分自身を発見し、救わなければならない
安吾先生が言っていた堕落論を思い出した
千夏はそこまでいった、達夫も
光輝くシーンの美しさがそこにある -
僕自身も今、やり場のない感情をどこにやればいいのかわからなくなっている。
状況も大きさもカタチも全然違うけど、やっぱりこの映画に自分を重ねてしまう。
僕自身のほうは、とても小さいことだけど、日々に希望を見出せずにいる。
もちろん不幸なわけじゃないんだけど、なんとなく冴えない毎日を送っている。
無作為に過ぎる日々は、ボディブローのように少しずつ少しずつ効いてって、いつのまにか立ち直れなくなる。
でも、まだ少しだけ、希望の光が残ってる。
この映画がボディブローのように僕の人生の希望になっていってほしいと思っている。
こういう映画を部屋を暗くしてみると、なんか落ち着く。 -
最後まで観ても特に救いはなく、重く息のしづらい現状を引きずってそれでも生きて歩く人々の話。希望は見えなくても、僅かな光が当たる場所を求めて彷徨うのが良い。
菅田将暉の演技はやはりどこにいても遜色なく馴染む才能があると思う。
そこのみにて光り輝く、最後に出る映画のタイトルに余韻を感じる映画だった。 -
一度そこに落ちてしまったら、もう這い上がることは難しいのだろうか。それじゃああんまりだから、あのラストに光を差し、二人を結ばせたのかもしれない。二人だからと簡単に乗り越えられる世界ではないにしろ、少なくともあの兄弟は、彼の存在に少しは救われたのではないだろうか。転がり落ちる原因の一つに彼の存在があったとしても。
ただ、幸せになりたかった。普通の生活を送りたかった。ただそれだけなのに、どうしてそこから這い出ることもできないのか。見終わった後、自分の境遇がどれだけ幸せなことなのかと、偽善的なことを考えてしまった。
映画の登場人物たちが、この後真っ当に幸せに生きていける保証なんてないし、きっとその道は簡単なものではない。それでも、彼らはあの朝日を目指して、生きていくのではないんだろうか。 -
2018.5.3
夜中に仕事を片付けながらGyaOにて。
池脇千鶴いいなぁ。完璧な役。疲れたエロさ、体型もぱんぱんに張っているのにどこか弛んでいて、そこから生活感や虚無感が滲み出ててる。素人ものavでたまに感じる、うすら寒い寂しさみたいなものすら肉体から漂ってくるよね。
昔の青山真治の北九州ものみたいな、絶望がヌルヌルとまとわりつく感じ。嫌いじゃない。
不幸もまた映画となれば娯楽になるわ。 -
登場人物が抱える問題がそれぞれ重くてずっと暗かった。その中でも希望は必ずある事を教えてくれた。菅田将暉の演技が特に好きだった。