白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫) [Kindle]

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  • 集英社
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感想・レビュー・書評

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  • あまりおぼえてない?なんだろう〜

  • 湊かなえらしさ満載のドロドロしたミステリー。
    昔映画を観たけどほぼ内容を覚えていなかったので初物のように楽しめた。
    最後の週刊誌の資料がホンモノぽくて凝っていた。

  • 本の後半に、週刊誌の記事やSNSの書き込みなどの資料があり、前半と併せて読み進めていくのが面白い一冊。
    前半は前半で一人の女性を知る人の話を聞くという形式なのでまた変わったところがあると思った。
    2012年にこの作品が生まれたのは驚き。
    とても新しい本だと思った。

    私もTwitterやInstagramなどを使って人と繋がっているが、誰かの言った一面だけを鵜呑みにしてしまうのは良くないなと改めて思った。
    もちろんそれは噂話でも。
    自分の言いたいことを赤星に話していくうちに思ってたことが変わっていくのも、つい強い言葉を選んで喋ってしまうのも、よくあることで恐ろしい。

    イヤミスの女王、湊かなえ先生らしいオチだった。
    思わず「うわぁ……」って声に出た。
    ミステリーとして回収されてるのに、イヤな気持ち。
    読後最悪なのに、つい戻って読み返した。
    これはハマる。

  • あらすじ
     各章、電話での会話や、フリーライターのインタビュー、手記の形を取る。
     化粧品会社のOLが刺殺・焼死体で発見される。会社は洗顔石けんが今人気急上昇。被害者は美人で、性格もよく、後輩の面倒見もいい。その会社は毎年一部署に2名の女性社員を配属し、一年先輩の社員がつきっきりで世話をするシステムを取っていた。
     第一章はその後輩社員から同級生ライターへの連絡。被害者と同期の女性社員は、見た目が平凡、さらに社内の憧れの男性社員を被害者に奪われた、学生時代には呪いの力もあると噂された…など、同期女性について世間が騒ぎ始める。

     面白かったー。事件そのもののあらすじはいたって単純。それをこんなに多方面から色々光り?闇ビーム?を当てて人間関係を浮かび上がらせるのはすごい。当初容疑者とされた同期女性。彼女の同級生、故郷、憧れの男性社員、など一見真実を追いかけているようでなんにもわかっていなかった。騒ぐだけ騒いで、真相のしょうもなさが余計目立って、いっそ痛快に思える。
     あとやっぱり、この作者って、普通の人のちょっとした虚栄心とか、野次馬根性とか、悪意とか描くの上手いわー。面白さと後味の悪さの境目というか、バランスの取り方が絶妙。

  • どんでん返しを期待しすぎた感もあるけど、資料と合わせて読み進めていくスタイルは新しくて好きだったな。
    何かさらーっと読んでしまったから、もう一回読んだら発見があるのかな…
    こういう、いろんな人の目線から見る物語は好き。

  • 変わった構成。湊かなえ作品だな、と。
    登場人物の発言や取材内容、コミュニティサイトやブログ、週刊誌や新聞記事の内容から犯人がわかっていく。
    読み始めたら一気読みできました。

  • 浅はかな記事や、浅はかな言動、そして浅はかな行動というものが何を生み出すのか。それが書かれたような小説だった。

    物語が終わった後に、様々な資料やSNSが載せられているのが、伏線回収のような感じがしてとても面白かった。

    相手の立場に立って考えることの難しさや、人間の都合の良い記憶の改竄の恐ろしさを改めて知ることになった。人間っぽい部分をリアルに描いた良作だと思いました。

  • 話題作になっていたため読んだが読んでいて最初の方は面白いが不快感を覚えた。(あまりにもリアルに人間の様子が描写されていたから)しかし最後の結末は面白かった。自分が今までで関わってきた人は自分のことをどう語ってくれるのだろうと考えてしまった。

  • なんも考えないで自分の発言が世の中に発信されてしまうこの現状がなにを生み出すのか。
    SNSよりももっとコミュニティが小さい中でのすれ違いも描かれていた。
    特異なことの意味と真実が合致しないときの周りの不理解からの悲劇に加えて、私たちの記憶というものは本当に自分の都合の良いように見せられているのだと感じた。
    テレビなども見る時は編集技術によってどう私たちにその事実を見せるのかを意識して作られていることをもっと理解してみないといけないなとも感じた。
    情報過多の時代では見方を変えてみる、鵜呑みにしないということがいかに大切で、短絡的な発言は見知らぬ誰かを傷つけてしまう怖さがあることも理解したい。

    湊かなえやっぱりすごい。

  • 最後の最後にならないと犯人がわからない。
    新聞記事やSNSを利用し変わった構成の1冊。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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