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- / ISBN・EAN: 4988104088987
感想・レビュー・書評
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オスカー・アイザック主演。猫が印象的。
売れないフォークソングシンガーとして、やさぐれた日々を過ごしている。関わった人は悉く不幸になり、現実と向き合うタイミングも逃し、踏んだり蹴ったりの中でもどこか愛おしさが残る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2013年のコーエン兄弟監督作品。いまごろ観たのは、最近お気に入りのキャリー・マリガンが出ているから。
若き日のボブ・ディランが憧れたという伝説のミュージシャン、デイヴ・ヴァン・ロンクを主人公のモデルに、デイヴの回想録『グリニッチ・ヴィレッジにフォークが響いていた頃』をベースにした音楽映画である。
コーエン兄弟には『オー・ブラザー!』という音楽映画の傑作があるが、あの作品がにぎやかな大エンタテインメントであったのとは対照的に、こちらはなんとも地味な映画。
売れないフォーク・シンガーであるルーウィン・デイヴィスは、ストーリーの最後まで一度も脚光を浴びない。成功の足がかりすらつかむことがなく、音楽をやめようか、つづけようかとずっと迷っている。
それでも、コーエン兄弟らしいねじれたユーモアとペーソスが全開で、退屈させない。
コーエン作品の常連ジョン・グッドマンらが演ずる、おなじみ「ヘンなキャラクターのヘンな行動」も、期待どおり随所に登場する。
主演のオスカー・アイザックが歌もギターもうまくてビックリ。音楽映画としてもよくできていて、この手のフォークが好きな人ならたまらないと思う。
ラストにチラッと、無名時代のボブ・ディランとおぼしきシンガーが登場する。
つまりこれは、ボブ・ディランが登場してフォークの世界に革命が起きる前夜を舞台に、その革命を準備した“陰の立役者”を描いた映画なのだ。
私はフォークが苦手なので、モデルとなったデイヴ・ヴァン・ロンクについてまったく知らなかった。
映画のタイトル『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』は主人公のソロ・アルバムのタイトルでもあるが、デイヴにも『Inside Dave Van Ronk』というアルバムがある。
YouTubeで、デイヴ・ヴァン・ロンクの曲もいくつか聴いてみた。恐ろしく地味で、「これじゃあ、あまり売れなかったのも無理ないなァ」と思ってしまった。
もっとも、彼は生前に21枚ものアルバムを発表したそうだし、回想録まで出版されているくらいだから、フォークが好きな人には知られた存在なのだろうが……。
キャリー・マリガンは、本作ではいつもの清楚なイメージとは打って変わって、いけ好かない俗物女を熱演。
彼女が四文字言葉をマシンガンのように放って主人公を罵倒する場面があるのだが、その罵倒っぷりがなんともキュートだ(観ればわかる)。 -
嫌いじゃないけど、面白くはない。笑
ウソくさい回想が一切ないので、話の中でこれまでの人生を想像して、起こった出来事に主人公と同じくマジか、と思えたのがなんか可笑しかった。
でもさすがに相棒のこととか子供のこととかあの死にそうなオジサンのこととか気になりすぎて説明ほしいわ。 -
売れない音楽家ものってどれも何だか似てくる。
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ひとり、音楽しかできない。家族も恋人もいる・いたのに。仕事をするにはある程度の人付き合いが不可欠であるにもかかわらず、たいへん不器用な主人公で、なんとか改心してもらえないものかと思ってひたすら心配しているうちに話が終わってしまいました。
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ジョエル&イーサン・コーエン監督が、60年代にボブ・ディランらとともにニューヨーク・グリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シーンで活躍したデイヴ・ヴァン・ロンクをモデルに描く音楽ドラマ。
才能はありながらも不器用ゆえに成功から見放された名もなきフォーク・シンガーが、猫を相棒に繰り広げる冴えない流浪の日々を、ペーソスとユーモアを織り交ぜしみじみとした筆致で綴る。
コーエン兄弟の映画は好みでないんですが、『バーバー』ど真ん中当たり、これも当たった、ほろ苦さがいい。 -
60年代のニューヨークの売れないフォーク歌手の1週間を描く。
色々と背景が分かってないと楽しめない映画みたい。
ただ、劇中の歌はどれも聴き応えがある。どれも生で撮った歌らしい。すごい。
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シビアな現実を描いた作品で、ロマンが欠けて、演出にはのんびりし過ぎなところもあるけど、雰囲気が心地いい作品だった。その雰囲気はニューシネマ的にも見えた。フォークはあまり聞かないけど、歌もよかった。