ビルマの竪琴(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 以前テレビのコント番組で、
    高校生の修学旅行のグループが、帰り際に同級生の一人が突然坊さんになって、竪琴をひきながらみんなが帰るのを見送るというネタを見たことあったが、これが元ネタだったんだなと気づきました。
    僕は戦争を知らない世代です。
    戦争の功罪は抜きにして、かつて祖国のために戦った方々がいたことは忘れてはいけないと感じました。

  • だいぶ前から家にあったので手に取った。

    収容所の近くにくるビルマ僧が水島なのか、そうじゃないのか、を軸に話が進む。
    それだけ尺を使っているのだから当然水島なのだろう、という思いが途中から湧いてくるが、ヒントを小出しにされるので飽きずに読み進められる。
    そして水島であったことが判明してからの、本人の回想シーンは劇的な展開が続き面白い。
    無駄な戦いを止めるために日本兵を独力説得したり、怪我した水島に御馳走を出してくれた親切な人たちが人食い種族だと判明して食われそうになったり、そして水島がビルマ僧になった理由が判明したりと、なかなか心を揺さぶられる。
    山のように積まれた戦死体を目の前にしたら、圧倒的な無力感と追悼の意を感じずにはいられないだろう。

    ところでオレたちひょうきん族で「入間の竪琴」というパロディが制作されたらしい、天才か。

  • 2021/06/27

    読書会の課題本として読了。

    この小説を読んで大きくこころを揺さぶられるのは、ビルマの人々が、実利や効率、物質的な豊かさなどを度外視していたり、水島上等兵が、他者のために尽くす道を選んだりしたためです。

    私は家族を持つようになってから、家族のことを第一に考えて生きてきました。

    一方で、時間がないために効率ばかりを追い求めたり、家族以外の他者への思いやりの気持ちが薄くなってきた気がします。

    「ビルマの竪琴」は、あくせく真面目に働いて消耗している現代の日本人にとって、生きる意味を違った視点で考え直すきっかけをくれる本であると思います。

    実際、この本を読んだことで、実利ばかりを考えていた自分の姿勢に気づかされ、反省させられることになりました。

  •  戦後すぐに児童向け雑誌で連載されていた作品です。ビルマ(現在のミャンマー)で元音楽家の隊長の元、隊員たちは合唱を歌い励ましあっていた。隊員の水島上等兵は現地で作成したビルマの竪琴で伴奏できるほど音楽の才能をもっており、いくつもの難局を音楽によって乗り越えていく。しかし、水島上等兵はある任務に従事した以後、仲間の元に帰ってこなかった…‥。話を途中まで説明するとこんな感じになります。やはり70年以上前の作品のため現代のエンタメの水準からすると劣る部分があるのは否めません。ですが、戦後すぐにこの作品が現代においても語り継がれているということから、読む価値はあると思います。子供向けの雑誌で掲載されていたため、読みやすいので10代の方でも読める作品になっています。

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著者プロフィール

竹山道雄(たけやま・みちお 1903-84)
1903~1984年。1920年旧制第一高等学校入学、1923年東京帝国大学文学部入学、1926年東京帝国大学卒業後、一高の講師となる。20代でベルリン、パリに計3年間留学、帰国後、一高の教授となる。1948年『ビルマの竪琴』(中央公論社)を刊行、毎日出版文化賞を受賞(以後、二度に渡り映画化される)。1950年一高廃止と共にその後身の東京大学教養学部の教授となるが、翌年には辞し、文筆に専念する。『新潮』『芸術新潮』『心』『自由』などを舞台に、「見て・感じて・考える」を根本姿勢とし、時代の風潮に流れない執筆活動を続ける。著書は『古都遍歴』『昭和の精神史』『まぼろしと真実』『剣と十字架』など、芸術論から時論、紀行文など幅広く、ニーチェ『ツァラトストラかく語りき』『善悪の彼岸』イプセン『人形の家』ゲーテ『若きヱルテルの悩み』など優れた翻訳も残す。1983年『竹山道雄著作集』全8巻刊行。

「2017年 『主役としての近代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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