屍者の帝国 (河出文庫) [Kindle]

  • 河出書房新社
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感想 : 24
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感想・レビュー・書評

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    脳にデータを書き込むことで蘇生させた屍者が、兵隊や単純労働者として一般に普及した世界の話。亡くなった伊藤先生の草稿を円城先生が引き継ぎ、完成させた作品だ。
    ストーリーは面白い。面白いのだがいかんせん文章が冗長すぎる。そして小説で映画をやりたかったのか、演出がハリウッドか007じみていて無理がある。

    登山中や長距離を歩く時に、思考が散漫になることはないだろうか。友人のことを考えていたと思えば、次の瞬間には昨日聴いた音楽を思い出すようなあの感覚だ。あの散漫とした思考を全て書き下ろしたような文章といえば伝わるだろうか。余計な文が多すぎて、何日か間を置くと「主人公の現状どうなってたっけ?」と忘れそうになる。
    この冗長な文章が全て駄目というわけではない。屍者の軍隊が無言で攻め入るシーンや徒歩で荒野を移動するシーンでは、この文章がとても効果的に機能している。
    だがやはり全体で見れば無駄が多い。序盤に出てきた用語を完全に忘れた時点で読破は諦めた。

    演出についてはスパイ映画を想像していただきたい。あれそのまんまである。謎の美女が出てきて、主人公に色目使ってハニトラするわけだが、映像の場合登場人物の視線や表情で会話はなくても惹かれていることがわかる。
    だが小説ではそうはいかない。きっちり要所要所でキャラの心情を説明していかないと「こいつらいきなり盛り始めたぞ?」と読者は置いてけぼりをくらうし、今回見事に食らったわけだ。

    そもそもこの話、プロローグ以降中盤まで主人公の人格を掘り下げる場面がほぼない。容姿の説明もろくにない。これではのっぺらぼうのカカシがハニトラに引っかかるようなものだ。盛り上がるどころかたいそう間抜けな光景だろう。

    話は面白かったので、いつか2,3日まとめて時間がとれれば再読したい。

  • よ…よーやく読み終わった…私の人生で一番!ってくらい読了に時間かかったのでは…。ほんとにキツかった…。
    伊藤計劃、前の二冊読むのにもそーとー時間かかったけど、これはその比では無かった…。ググッた感じ、より読みづらかった部分は円城塔のカラーなのかも…。
    話はね…オチはすごく好きなんですよ。でもそこに至るまでの「お前らこれくらい知ってるだろ?」的な歴史地理の知識の奔流と、禅問答的なやり取りがほんとに…厳しかった…。
    人さまの感想見たら「ググりならがらじゃないと読めなかったけどサイコーでした」みたいなのが散見されたんですが…すまん…私は物語だけに集中したいタイプなので読んでる途中でググらないと読めないのは点数下がるです…(知識なくてすまんね)
    アニメの方見たらもう少し解像度上がるかな…。
    あ、ネタバレなんですが…




















    フライデーはSになるのかと思ったらMなのかぁあああああ!!!
    という所はとても好き。

  • 屍者にプログラムをインストールするという発想は面白い。
    けど、書いてあることが哲学的で難しくて、よくわからんかった・・・

  • きつかった

著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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