新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方 (文春新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 宗教と民族という観点から歴史を紐解けば、「未来としての過去(佐藤氏)」、「過去の栄光を再び求める動き(池上氏)」としての国際情勢が見えてくる。複雑な話も多くので、全てを理解できなくても、国際情勢を聞き取る力、考える力のベースになるでしょう。また、なるべくニュートラルに話しているように見えるが、2人の言葉の端々に思想が垣間見えるのも面白い。

  •  言わずと知れた池上彰と佐藤優が対談形式で21世紀における国際情勢の読み解き方をレクチャーする。対談形式は読みやすいのだが、二人の論調や語り口がよく似ているため、どっちの発言か混乱することがあった。

     とりあげられたテーマは、日本については集団的自衛権、慰安婦問題、拉致問題、尖閣諸島とその他の領土問題、北朝鮮のミサイルなど。広く海外の問題としてはイスラム国を始めとする宗教と政治の関係、ヨーロッパ各国の歴史と情勢、アメリカの分裂など。最後に二人の情報収集と整理方法を紹介している。

     2014年発行なので時事ネタはやや古くなっているが、様々なニュースの解釈の仕方は参考になるだろう。とはいえ外国の要人や情報機関の人と接する機会のない身としては、ふーんすごいなと言うしかない。この本の知識を何かの役に立てることはあまりなく、読み物として愉しめばよいと思う。

     最後に佐藤優は「バカをトップにつけてはいけない」と語っている。執筆当時の日本の首相は安倍晋三だった。はっきりと書いてはいないが安倍首相が有能な人物として言及されている個所は見当たらないので、つまりそういうことだろう。米国については残念ながらトランプ大統領が誕生する前に書かれたものなので、それ以降ならもっと詳しく言及していただろう。

     佐藤優はスキャンダルで外務省を追われてから膨大な著書を出版しているが、現役の外交官にも彼のような人物は複数いるのだろうか。そうであれば佐藤氏以上の情報を持って活動しているはずで、いずれそういう人々による解説も読んでみたいものだ。

  • 対談シリーズ第1作なのかな?少し時代的に古くなってますが、面白いことに変わりなく、するする読めました。

  • 【由来】
    ・hontoの30%引き。

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】
    ・Kindleじゃなくてhonto、

    【目次】

  • 混乱がビジネスチャンスになる。紛争を喜んでいる人たちがいる。
    第二次大戦中にナチスがクリミアに入ってくると、クリミアの先住民族タタール人、すなわちジンギスカンの末裔たちの一部がナチスに協力します。これにスターリンあh激怒し、1944年にクリミアを赤軍が解放すると、タタール人を強制移住させ、その後にロシア人を住まわせた。

    チェコで働いていたベトナム人もアジアの発展でベトナムに雇用があるので東欧にいなくなってしまった。

    日本大学には1970年安保の全共闘紛争以来、日大には集会ができるような大きな広場はない。

    信用できる人をきちんと自分の中にリストアップしておいて、この分野の人だったら、この人が強いというのを心得ておいて、いろんな人がいろんなことを言っている発言を取っておいて、振り返ってみる。自分の失敗を認める人はかなり信用できる。何かを分析するときは、信用できそうだと思う人の書いたものを呼んで、基本的にそのうえに乗っかること。その上で、これは違うと思ったら、乗り換える先を買える。

  • 【意図的に、目をつぶっていないか】
    北朝鮮のミサイルの報道があった今日、この本を読んでいることに、何らかの意味を感じざるを得ない。
    それぞれの国にはどのような性質の人が住んでいて、国外では何が起きているのか。
    今、知っておかなければならないことがたくさんある気がしました。
     
    情報収集方法は、しっかり参考にさせていただきます!

  • 池上彰氏と佐藤優氏が日本と世界について2014年11月の時点での情勢を語った対談本。
    すでに今の時点では情報が古くなっているかもしれませんが、日本人の目線だけでなく二人の世界観が情勢の見方や情報の吟味の仕方など役に立ちます。
    読んでおいて損はない一冊だと思います。

  • 戦争をしてはならない。
    日本が戦争に向かわないように政治を、世界情勢を見張らなくてはならない。

    「戦争とは政治の継続である」―カール・フォン・クラウゼヴィッツ「戦争論」(1832)
    戦争は言葉の力の足りない「政治家」が起こす。
    政治は言葉の力。言葉の力は経済、軍事、情報を背景にするが究極は対話力、人間力です。
    対話力、人間力こそ政治に携わる本質です。
    言葉力が及ばない政治家は戦争を起こすときに必ず言い訳をしてきた。
    資源が乏しく自給率が低い日本は輸入を止められたら消耗戦で負ける。
    この前提を誤魔化す政治家はインチキだ。

    決して忘れてならないことは、戦争で殺されるのは我々一般人です。
    政治家や政治の中枢にいる者の家族は優先的に守られます。

    だから日本が戦争に向かわないように政治を、世界情勢を見張らなくてはならないのです。
    TVやネットの発言を鵜呑みにせず、自分の頭で考える力を付けることです。
    情報のアンテナを張り、日本の政治がおかしな方向に流れそうになってないか
    注意することです。そして投票するのです。

    本書によれば、スパイの情報源の99%は公開情報だそうです。
    情報は新聞を数紙読めば充分だそうです。
    吉本隆明も言ってました。
    ひとつのニュースの背景を調べれば、何故そうなったか、そしてどうなっていくか、想像できるそうです。

  • スパイの情報源の99%は公開情報。公式筋の統計が大事。

  • 領土・民族・資源紛争、金融危機、テロ、感染症…これから確実にやってくるサバイバルの時代を生き抜くためのインテリジェンスを池上彰・佐藤優両氏が伝授する。

    序章 日本は世界とズレている
    第1章 地球は危険に満ちている
    第2章 まず民族と宗教を勉強しよう
    第3章 歴史で読み解く欧州の闇
    第4章 「イスラム国」で中東大混乱
    第5章 日本人が気づかない朝鮮問題
    第6章 中国から尖閣を守る方法
    第7章 弱いオバマと分裂するアメリカ
    第8章 池上・佐藤流情報術5カ条
    終章 なぜ戦争論が必要か

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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