七つの会議 (日本経済新聞出版) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 久々に読んだ池井戸作品。
    スカッと感はほどほどに...だけど人物描写が興味深かった。さすが引き付けるものがあり、次は次は...と気になりあっと言う間に完読。

  • 初めの方は割と軽いタッチの連作短編集といったニュアンスで、舞台となる企業の中で章ごとに主人公が変わりながら、短編が綴られていく。登場人物や内容は、始めは「ふんわりつながっている」という程度だが、徐々に雰囲気が重くなっていき、終盤に伏線が回収されていく筋書きだ。
    それぞれにしっかりとしたキャラクターがあって読み応え十分だったが、それと引き換えに章が変わるごとに主要人物の生い立ちなどが紹介される形となり、途中から「またか...」とゲンナリしない事もない。
    ただそれを考慮しても面白い作品であり、こみいった内容でないストーリーを、よくここまで肉付けしたもんだと関心してしまう。
    ちょっと無駄に長いが、読み出すとなかなか止まらない。

  • 出版後見つけて即購入したのはいいけど、いろいろと読む時間がなくて後回しになっていた本ですが、先日「日経プレミアPLUS」で池井戸さんと池上彰の対談が掲載されているのを見て、やっと読み始め。。。速攻読了w。
    「俺たちバブル~」シリーズや「下町ロケット」も当然いいんだけど、この作品は各人物が非常に個性的というかリアルな感じで描かれていて、いつもどおりの池井戸節もありつつ、そういった点が良かった。
    「虚飾の繁栄か、真実の清貧か---」格好いいわ~。八角さん。

  • 面白かった

    叔父さんにすすめられて見てみたら良かった今夜映画見よっと

    まさか八角さんがカッコいいキャラとして最後終わるとは思わんかった

    東京建電と言う会社の中で強度偽装という犯罪が見え隠れしながら、パラワラや不倫や不正などの働く上での苦悩や現場のありようを生き様や家族背景と共に語られる

    保身に走る奴らが多い中、ダラダラしてる悪印象の八角さんが「知りたいのは真実だ」といことで坂戸に全責任を負わせるわけにはいかないと言うことで駆け回る姿はかっこよかった
    兄へ家業を任せた自責の念から奮闘してきた坂戸に感情移入させられるし一話からパワハラで営業から異動させることをすんなり受け入れた姿からも全てを知っていた上で最後まで苦労した人物の一人だからこそ救われて欲しい気持ちが余計あった

    もう一つ好きな話はやっぱり優衣の話だった
    三年も不倫をしてしまい最後もバーに誘われて行ってしまう純粋ながらもゆってしまえば馬鹿な選択をしてしまった彼女だが、負けじと気持ちを切り替えて「この会社で何か残して去りたい」といいうことでドーナツを置こうと意外と面倒で手の届かないようなことを必死にやっていた姿は応援したくなる、桜子のしっかり姉さん的立場もカッコよくて好き

  • さすが池井戸作品という印象。伏線を広げすぎた感があり、最後の回収部分は急すぎかなという感じであった。(ドーナッツの下りとかいらなかったのでは?)

  •  会社の不祥事、隠ぺい工作、内部告発等々、企業活動の「裏側」をリアルに描いている。それも銀行員出身の池井戸潤の成せる技と言えよう。
     小説には多くの人物が出てくる。自分の出世のためには他人を平気で踏み台にする者、その対極に、昇進には無関心で、自分の信じる道を進む者。各人物の生い立ちが行動様式や考え方に如実に反映されているところが興味深い。
     追いつめられると人は変わる。自分を正当化するために嘘をつく。嘘で塗り固められた嘘は、やがて剥がれていく。人間の弱さを巧みに表現している。
     さて、本書のタイトルは「七つの会議」。営業会議、経営会議、編集会議あるいは家族会議など、各章ごとにそれぞれの「会議」が並行的に進んで行くので、どう展開するのだろうと思うが、最終章では、それが一気に結び付いていく。
     最後は「正義は勝つ」で締めくくる。いつものパターンであるが、読者としては安心して読めるというのも、池井戸作品の魅力の一つである。

  • 2023.04.11 ★4.0

    ↓↓↓内容↓↓↓
    トップセールスマンだったエリート課長・坂戸を“パワハラ”で社内委員会に訴えたのは、歳上の万年係長・八角だった―。いったい、坂戸と八角の間に何があったのか?パワハラ委員会での裁定、そして役員会が下した不可解な人事。急転する事態収束のため、役員会が指名したのは、万年二番手に甘んじてきた男、原島であった。どこにでもありそうな中堅メーカー・東京建電とその取引先を舞台に繰り広げられる生きるための戦い。だが、そこには誰も知らない秘密があった。筋書きのない会議がいま、始まる―。“働くこと”の意味に迫る、クライム・ノベル。

  • 現実にありそうな話で、最後は気持ちよく終わるのが池井戸潤さんの作品。なんとなく想像できる展開なのだが、いつもワクワクして読むことができる。

  • 企業内の不正を隠蔽しようとする勢力とそれを暴こうと立ち向かう勢力を描いた作品。池井戸潤らしく小気味よく分かりやすい内容の小説で、すんなりと気持ちよく読み終わることができる。ただ企業の不正という点では他の池井戸潤作品と内容が被っている部分もあり、新鮮味には欠ける。また特定の主人公がいるわけではなく、各章でそれぞれの人物にスポットライトを当ててストーリーを展開していくため、あまり入り込んだり応援する感じにはならない。

  • 大手企業の子会社のいろいろな会議を舞台に小さな出来事の積み重なりが、隠蔽行為に!元は無理なノルマ間違ったことをしても成果を挙げることがいいとされた!

著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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