繕い裁つ人 コミック 全6巻完結セット (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • ※想いが強くて、ファンレターみたいな長文となってしまいました。

    祖母から受け継いだ洋裁店を営む市江。

    プリンセスメゾンと同じ著者ときいて、映画版は視聴しておりましたが、これはいずれ漫画も読まねばと思っておりました。

    個人的な感想ですが、漫画すごく良かったです。

    映画版では、百貨店勤務の藤井くん(さんという感じではないですよね?)が古いものを守るばかりではなく新しいものも作るべきとしょっちゅう言っていて、うっさいわ!人にはそれぞれペースってものがあるんだからほっとけや!と一人で憤っておりましたが、漫画の藤井さんは、本当に市江さんの作る服が好きな事が伝わってきて、市江さんのこともすごく尊重しているのが伝わってきました。

    目まぐるしく変化する今の時代、新しいものを取り入れて挑戦してゆくことが大きく評価されがちですが、当たり前の事を当たり前に続けるということもすごく価値がある事だと私は思うのです。

    人によっては、市江さんと藤井さんの二人の関係は何も始まっていないように見えるかもしれませんが、私には「お互いを尊重しあって成長していける関係」になったと思うのです。(歩みが遅く、人によっては進んでいるように見えなくとも)服を繕うように、庭を作るように、その関係が、古典的な表現ですが、ハンカチを引きちぎりたくなるぐらい羨ましいです。
    今時こんな生き方を貫いている男女珍しいですよね。その二人が出会うってところが、またなんと尊い話だろうと思いました。

    池辺葵さんの作品は、関連した人物があとから主人公となる話がでてくるので、登場人物をメモしておかないと誰だっけ?となりがちなので読むときは注意しようと思いました。

  • 自分の場所で自分の仕事を続ける強さは それにかかわる人に対するやさしさとイコールなんだと思う。
    ひとりだけのためにものを作るというのはそういうこと。
    ちょっと他人に思えない市絵さんには変わらずいてほしい。

  • 主人公の人柄がとても好きです。芯があって偏屈な職人女。「躾のゆきとどいた野犬のような人」という表現には笑いました。
    そんな気難しい気質の主人公の恋愛模様が静かに大きく描かれていてラブストーリーとしても良いし、最近よく聞く丁寧な暮らしみたいなのが雰囲気も良くて素敵です。

  • ほぼモノローグなしで、シンプルな絵柄の人物の微妙な表情とコマの余白で全てが表現され、非常に文学的。電子書籍で読んだが、紙で買い直して手元に置いておきたくなった。

    ただ、「作品」としては余韻が残っていいかもしれないが、「物語」としてはこの終わり方はどうなんだろう。

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著者プロフィール

2009年漫画家デビュー。2014年、『どぶがわ』(秋田書店)で第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。2018年、『ねぇ、ママ』(秋田書店)で第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。代表作に『繕い裁つ人』(講談社)、『プリンセスメゾン』(小学館)など。

「2022年 『よそんちの子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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