パレードへようこそ [DVD]

監督 : マシュー・ウォーチャス 
出演 : ビル・ナイ  イメルダ・スタウントン  アンドリュー・スコット  ジョージ・マッケイ  ベン・シュネッツァー 
  • KADOKAWA / 角川書店
4.04
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111248749

感想・レビュー・書評

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  • 1984年、サッチャー政権下のイギリスは不況に苛まれていた。サッチャー首相は20ヶ所の炭坑の閉鎖案を発表するが、炭坑労働者たちはこれに反発。
    抗議のストライキは4ヶ月目に入ろうとし、炭鉱労働者とその家族たちは生活が困窮していた。
    ロンドンに住むマーク(ベン・シュネッツァー)はそのニュースを見て、ゲイの権利を訴える大々的なパレードの中で仲間たちと募金活動を開始。
    そして炭坑労働者支援のためのレズビアン&ゲイ会LGSMを立ち上げる。
    しかし集まった寄付金を送ろうと全国炭坑労働組合に連絡しても、レズビアン&ゲイ会と名乗ると偏見から冷たくあしらわれてしまう。
    それならばとウェールズ奥地にある炭坑町ディライスの役場に直接電話したところ、今度はすんなり受け入れられる。
    ディライス炭坑を代表して彼らのもとにやってきたダイ(パディ・コンシダイン)は、LGSMがどういうグループか全くわかっていなかった。
    ダイは偏見を持たずにゲイ・バーを訪れ、お金ではなく友情をもらったと大勢の前で熱く語る。このおかげで賛同者は増え、ディライス炭坑への多額の寄付金が集まった。
    ディライスの委員長ヘフィーナ(イメルダ・スタウントン)は感謝の意を込めたパーティを企画し、反対を押し切りLGSMを招待。ヘフィーナや書記のクリフ(ビル・ナイ)はミニバスに乗りやってきたLGSMのメンバーを歓迎する。
    困惑する者もいたものの、次第にメンバーも町人たちも心を開き始め、歓迎会は大いに盛り上がった。
    ストは42週目に突入し、組合員の家族手当が停止。LGSMがさらなる支援を決める中、ある不測の事態が起こる……。
    家族に内緒でゲイの支援活動に参加するジョーと炭鉱労働者と連帯しようとするマークを対比させながら、仲間内でも考え方や立場は違っても、同じ目的や共通点を見つけて連帯することの難しさや葛藤を含めてユーモラスに描かれていて、話し合い飲み食い遊び苦楽を共にしながら少しずつ偏見や誤解を解いていく過程も丁寧に描かれ、属性や信念の違いはあっても共通性を見つけて連帯することの難しさと素晴らしさをメッセージする爽やかな後味の傑作映画でした。

  • ミニシアター系の映画ですが、自分は大好きです、この作品。
    本来のタイトルは「プライド」なんですね。でも邦題の方がピッタリくる気がします。
    ユーモアあり、性の垣根を超えた友情あり、そしてラストにあぁぁぁっ!!!って感動あり。
    自分で選ぶ映画ベスト10にランクインです^^

  • シリアスとコメディが、バランスよく配置されている。マーガレット・サッチャー時代の炭鉱ストライキや失業を背景に描かれた映画は他にも多くあるため、あの空気感は理解しやすいかもしれない。

    レズビアンやゲイとして出てくる若者たちが、典型的なロンドンっ子という出で立ちで、彼らを見ているだけでも楽しい。
    ただし、彼らの置かれている社会的な立場、ホモフォビアからの暴言や暴力、そしてエイズの流行、そういったシリアスな問題が随所に描かれており、彼らの存在がフィクションではないということを思い知らされる。

    80年代、まだLGBTQという言葉が一般化されるずっと以前に、それでも彼らは存在していたし、彼らのごく当たり前の権利を主張していた。そして彼らは、ストをしている炭鉱夫たちが、自分たちと同じ立場なのだと支援を決めるわけだが、あの炭鉱夫たちのように、差し出された手を素直にとり、ありがとうと言える人はどれだけいるだろう?助けてもらったのだから今度は我々の番だと、共に立ち上がれる人はどれだけいるだろう?一方的なカテゴライズで、彼らと我々は違うと吐き捨てるのではなく、仲間なのだと言うには、どれだけの強さが必要なのだろう?

    最後はとにかく涙が止まらなかった。彼らは確かに生きていたという、言ってしまえば「単なる記録」にここまで心を動かされてしまうとは。

    ゲイでも、レズビアンでも、女でも、労働者でも、例えどんな人間であろうと、自分らしく生きることを制約してはならない。そして、私たちはこれからも、その当たり前の権利を勝ち取り続けなくてはならない。そういう立ち上がる勇気をもらえる作品だ。

    にしても、おばちゃんたちのはしゃぎぶりは本当にかわいかった。ド派手なロンドンっ子たちに負けない存在感がなんともいえずキュートでたまらない。

  • まさしくイギリスらしい秀作といった感じです。史実をなぞるとすこしつまんなくなるものも多くありますが、こちらは登場人物たちが一人一人いい味出していてすごく魅力的に描かれてきます。

    簡単にいうとサッチャー首相政権下、抑圧された炭坑夫たちがストをおこしているのですが、同じくサッチャーに抑圧されているゲイ&レズビアン団体が妥当サッチャーの為に同じ敵を持つ炭坑夫たちのために戦おうと立ち上がるお話です。

    動機はあまり、しっくりきませんでしたが炭坑夫たちやその家族が同性愛者達を受け入れる派と嫌がる派にわかれて対決したりする小さなイザコザがあったり、同性愛者たちもそれぞれ色んな事を抱えたりするところをちゃんとリアルに描いてる。

    軸になるのは友情とプライド。

    同性愛者たちは、迫害されながらも彼らにはプライドがあるから差別されてもそれを跳ね返す力も、そして逆手に取って飛び跳ねてしまうようなパワフルさもある。

    そんなビクともしないプライドに満ちた彼らに影響されて彼らに対する温かい尊敬と友情が炭坑夫たちにも生まれてくるのだ。

    史実を元にしているので、とても丁寧に描かれているし、登場人物一人一人の小さな触れ合いが過度じゃない感じで温かい。

    ハリウッド映画が好きな人には少し地味にかんじるかもしれないけど、なんとなく晴れやかな気持ちになりたいときにおすすめ。

  • 技術革新とともに、薬剤師の果たす役割も大きく変わりつつあります。
    また、薬物治療だけではなく、「高血圧の治療」や「禁煙の支援」などのスマホのアプリが開発されており、アプリが「医療機器」として認可される見通しです。
    このような不透明な時代にあって、DVDで「パレードへようこそ」を見て息抜きをするとともに、1980年代のイギリスの社会の変動と人々の暮らしについて関心を持ってもらえたら、参考資料※にも目を通してもらえると良いと思います。

    ※「マーガレットサッチャー 鉄の女の涙」
    ※「サッチャー時代のイギリス : その政治、経済、教育」
    https://bit.ly/3KupO3i

    服部 研之(環境衛生学)

  • ジョージマカイくんが出てるので観賞。
    こんなに楽しそうで幸せそうな顔した彼も素晴らしい。
    もっと脇役かと思ったから嬉しかった~。

    ゲシンが自分が入院しててもジョナサンの心配をするところが切なかった。ゲイとかレズビアンとか関係なくただ大切な人がいるだけなんだなぁと思った。
    炭鉱町の人たちもこの時代すごい偏見があったはずなのに明るく差別せず接してくれる人達があったかくて、どんな時でも"文明の光"はあるというグランドブタペストホテルのセリフを思い出した。
    ジョーとステフが手を繋いで笑い合うシーンも可愛くてすごく好きなシーン!
    私情含みまくりだけどジョーがキスするところすごくドキドキした。手を引くところからすごく引き込まれる演出だった。
    みんなが歩いてるところで後ろでカメラいじってるジョーも可愛い。

  • サッチャーに切り捨てられた人々が連帯して立ち上がる.それまでの硬派の男たちの炭鉱夫たちと彼らを支援するゲイたちの衝突が少しずつ打ち解け理解し合う様子が素晴らしかった.何より炭鉱夫の妻たちの明るくたくましいパワーには圧倒された..

  • イギリス/2014年/マシュー・ウォーチャス監督/ビル・ナイ出演

    ゲイ&レズビアンの仲間たちが、スト中の炭鉱労働者を支援したというのは実話を元にした話。イギリスのゲイのし民権運動も炭鉱労働者もそんなに興味がないので低いモチベーションで見ていたのだが、実話の強さで、ウィンウィンの関係になっていくプロセスが面白くなってくる。反対派の人もそれなりにいて、ゲイと組むなんてストの末期症状とマスコミが叩いたり、石が投げ込まれたりもしている。そのことが興味につながっていく。

    ちょっとゲイの運動があまりに立派すぎて、ベタ褒め状態なのが少し気になる。もう少し損得とかリアルな実情というのもあったのではないかと思うのだが。

  • サッチャー政権時代の炭鉱にはドラマあり

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