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感想・レビュー・書評
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浜辺で拾った人語を話す「蟹」。
食欲旺盛な蟹の、餌を食する所を見て癒される。
テレビを見て、どんどん賢くなっていく蟹と、蟹のために働き、餌を用意する主人公との友情のお話です。
「かにみそ」「百合の火葬」2作とも、気持ちの描写がとても綺麗で、全体的に切ないような儚いような印象があります。
だんだんとエスカレートし、自分勝手に捕食していく蟹に対して、主人公は恐怖というよりも友情(愛情?)の気持ちが強く「食べる」という行為で、愛のような、友としての思いを証明しているような、なんだか切ない気持ちになりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ホラーなんだけど切ないお話。面白かった。
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ハードカバーで読みました。
日本ホラー小説大賞 優秀賞を獲った作品ではありますが、おどろおどろしさはあまり無く、まさかの読後感は爽やか〜です。コレはホラー好きだけでなく、より広い方にリーチする可能性のある文学作品だと思います。
鬱屈としていて、爆発寸前の主人公の暮らしや、それに対して平静を装う家族との描写がリアルで、緊張感がありました。カニと主人公のやり取りが自然な友人関係、といった感じで2人(1人と1匹?)の会話シーンが一番リラックスして読めたのが不思議です。
どう転がるかドキドキしながら読み進めるも、結末は切なく、でも風通しの良い終わり方で、なんというかコレ青春小説なのでは…?という感触でした。
逆に、エッグい描写や恐ろしさを欲しているホラー求道者の方には少ーし刺激が足りないかもですね。「美味しいけど、七味かけたいな〜」みたいな。
(文庫版には収録されていないのかな?)
同録の「百合の火葬」がめちゃくちゃ良かった。
薄気味悪さもありつつ、哀しい、切ない、愛しい、色んな感情が喚起され、ごちゃ混ぜにさせられる珍しい作品です。このワケのわからん読後感はオンリーワンなのでかなりオススメしたいなぁ〜。。
こちらもホラー好き以外の方もイケちゃう作品だと思います。
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読んだ後、茫然としてしまった。かにみそ、百合の火葬、二つの物語が入っているホラー小説集。確かに怖さを感じる描写は含まれているが、それより、ここまでの切なさ、美しさや「情」を描きこむことができるのか。物語の構成も次の予想をさせない、とても丁寧でうまい展開。倉狩聡さんに真藤順丈さん。この10年くらいに、ホラー小説は他のジャンルを丁寧に取り込んで、ここまで進化していたのか。なんだか怪談、映画、ドラマや、寝ているときに僕を悩ます悪夢も含むあらゆる「怖いだけ」のストーリーの意味が、削られてしまったような気がした。
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表紙が可愛い
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いい
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蟹〜〜〜〜〜〜〜〜(泣
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文章が軽妙でグロテスクなんだけどそんな感じがしない不思議
最後に感じた寂しさはストーリーは全然違うが昔読んだ児童書でザリガニが喋る話を思い出した