- Amazon.co.jp ・電子書籍 (296ページ)
感想・レビュー・書評
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Kindle Unlimitedで読了。
朝井まかてさん、わりと好きな作家さんなのだけど、この本もっと早く読めばよかった。なんて激しい恋のものがたりだろう。中島歌子は、樋口一葉の和歌の師として有名だけれどそちらの面からばかり取り上げられて、成功する前の足跡は詳しく知らなかった。無論これはフィクションだから、全て史実通りではないのかもしれないけれど。
読み始めたら止まらなかった。女とは、愛する人が支えで、やはり生き甲斐なのだと思う。言葉を奪う熱い思いがこみ上げる一冊だった。本のご紹介としては、誠に要を得ないレビューで恐縮だが、読んでみて欲しい。愛しいというのは、命を賭けるほど恋しいことなのだと、今更ながら思い知った。
それはこれなら、直木賞も穫るであろう。読まないのは惜しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
桜田門外の変以降の、水戸藩士の家族の半生。
正義と真実が変わるなか、時代に翻弄された、といえば簡単ですが割り切れない想いを抱えて生きる様に感じ入るところがありました。 -
Book Barで杏さんが紹介していたことで興味を持ったが、直木賞受賞作なのに、それまで全く知らなかったことをまず恥じる。幕末から明治にかけて生きた歌人・中島歌子の生涯を、水戸藩の動乱を中心に描いたものだが、期待以上に面白かった。時代小説であり、深い愛情を描いた恋愛小説でもあり(因みに普通の恋愛小説は苦手で読めない僕が読める程度)。特に、牢に入れられている間の描写が圧巻。どこまで史実に沿ったのか分からないけど、そんなことが気にならないのは小説として完全に引き込まれたからだ。